抱負

 僕と妹にまつわる真実は、すべて書き記しました。これが果たして意味のあることだったかどうかは、僕には知り得ません。

 僕の妹に対する不同意わいせつの罪と、ごみどもに対する無差別殺人の罪で、今も刑事裁判が行われています。どう足掻いたところで極刑は免れないと思っています。誰もが僕を悪だと確信し、僕という悪魔の死を望んでいるからです。

 僕自身も妹を失い、生きる理由や気力をなくしてしまいました。この手記を書き終えたとなればなおさらのことです。

 いじめの主犯であるごみどもは僕が殺しましたが、妹を死に追いやったほかのごみどもは、これから先も何食わぬ顔で生きていくのでしょうか。そんな、腸が煮えくり返るような未来を想像してしまいます。

 時に正義面や被害者面をし、時に平気な顔で嘘を吐き、自分にとって都合のいいようにぬらりくらりと生きるのが奴らです。そして、都合が悪くなれば目を背けて逃げ出し、追い詰められれば「そんなつもりじゃなかった」などと言って保身に走ります。

 そんなごみどもの手によって、世間は形作られます。奴らは何の苦労も不自由もなく人生を歩んでいきます。そう思うと、僕にはとても手に負えるものではなかったのかもしれません。考えるのも疲れてきたので、そろそろ筆を置いてこの世を去る支度を始めようと思います。

 裁判の判決がまだ下されていない中で自殺したら、世間は僕を卑怯者のごみと非難するでしょうか。それでもいいです。好きにしてください。僕は次なる使命のために命を捨てます。

 無念のうちに死んでしまった妹は今、新たな生命として転生するための旅に出ています。現世で守れなかった妹を見つけ出し、今度こそこの手で守り抜くことが、僕に課せられた使命です。

 そのためにも、僕は妹を捜しに行きます。

 この世には多生の縁という言葉があります。袖が触れ合うのにも縁があるのなら、僕たちにもきっと確かな縁が結ばれていることでしょう。僕も魂となって星を巡り、転生を繰り返していく中で、妹とは新たな形でいつか必ず再会できると信じています。

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