第3話 一人初詣からの宴

一章 宴から始まる異世界生活


「んー、、、ふぁっ?」


 、、、頭が回らない


「ふぁー、、、、、、」


 真っ暗な部屋


「水、水、、、、、、ぷふぁっ!」


 段々目が覚めてきた。どうやら寝てしまっていたらしい


「セシルとサラは?」


 ん?毛布がかけられてる。サラが使ってたやつだ


「あれか、、、今年は自分が寝てしまった感じか」


 周りを見てもセシルもサラもいない。時間は23時25分。年はまだ明けてないようだ


「2人は帰ったみたいだな。明日はサラに愚痴られるな」


 楽しみにしてたみたいだし悪いことをしたな。それしても真っ暗だな


「なんだかとても『暖かくきれいな』な光を見た気がするんだが、、、」


 久しぶりのワインで酔っていたようだ。電気を付けても記憶に少しある光とは違うしな


「魔法の光ってあんな感じなのかな」


 とても良い夢を見た気分だ。魔法か、、、




「ってまだ間に合うし隣の電気が付いてたら一緒に初詣でに行くか」


 愛用のカバンをとっていつも着てる上着を羽織る


「起きてますよーにっと」


 出来ればサラに愚痴らたくないしセシルも楽しみにしてたみたいだからな






「、、、うん。寝てるな」


 隣の部屋の電気は消えてました


「流石にインターホン押すのあれだし、スマホに2人からおやすみって連絡も来てたからな」


 とりあえず起きたことだけ連絡しておこう。起きてるなら返事が来るだろう


「せっかく外に出たし初詣にでも行くか」







「マジかー」


 さすがは年越しだ。もう12時前だと言うのにすごい人混みだ


 屋台も出ており賑わっている。りんごあめか、、、サラがほしがりそうだな


「屋台は明日にするか。お参りだけして帰ろ、、、寒いし!」


 出てきたことを少し後悔しながら列に並ぶ


「あっ、返事は、、、来てないか」


 スマホを確認したがまだ返事はない。それに周りは家族や知り合いと来てるのだろう。1人でいる人はあんまりいない


「セシルとサラがいれば暖も取れたのに」


 2人は基本くっ付いてくるから冬は暖かくて助かる。まっ、2人に季節などは関係ないんだけどな。夏だろうがお構いなしだからな


「まっ、それはあくまでおまけで一緒にいると楽しいからな」


 楽しみは明日に持ち越しだな。後独り言はやめよう、、、無性に寂しくなる







 並ぶこと1時間。まだ本堂には着かない。現在12時55分。年越しをしている

 。知り合いなどからの連絡を返したりして時間潰してはいるがセシルとサラからは連絡がまだない


 明日2人とお参りに行くしもう帰ろっかな





「ふー、、、やっと抜けれた」


 結局本堂まで行かずに人混みを抜けてきた。ここまで来ると人もいない。屋台の方ではなく反対の人のいない場所を目指して来た


「こっちには全く人がいないな」


 こっちは物置などあり立ち入り禁止ではないが特に用事もない場所だ


「さっ、帰ってまた寝るか」


 家に帰ろうと歩いていたら一つの鳥居と小さな賽銭箱があった


「こんな場所にもあるんだ」


 何か記載されてるわけでもなく、誰かお参りしてるわけでもない


「せっかくだしお参りしてくか」


 同じ1人ぼっちがそうさせたのだろう。お参りをすることにした。明日の本堂では一緒に行く2人と自分の健康をお祈りする予定だ。ならここは自分だけのお祈りをしよう


 誰もお参りしてないのでせめてもと5000円を入れる。どっちみちセシルやサラの屋台代になる予定のお金だったしな


 目を瞑り一礼し手を合わせ誰もいないので声に出してお祈りした






「異世界で魔法使いになりたいです」

 






「「「うぇーい!カンパーイ」」」


 ん?人が来たみたいなだな。まさか聞こえてたりしてないよな!?


「でもほかにもお参りしてくれる人がいて良かった、、、」


 目を開けたら真っ白な世界が広がっていた


「え?」


 周りには大勢の人が飲み会をしてる


「え、え?」


 外国人?あれ?ここどこ?


「え、え、え?」


 確か自分は初詣をしていたはず、、、あれ?もしかしてまだ酔ってるのか?


「イッキ!イッキ!イッキ!」


 あれぇー!?おかしい、おかしい、おかしい


「あら!素敵ね。良い飲みっぷりよ」


 もう一度周りを見る。大勢の人がお酒を飲みご飯を食べ歌ったり踊ったり、、、


「あっ、夢か。実はまだ寝てて初詣にきたのも夢だ!」


 だからか、皆んな頭に輪っかみたいなのがついてる、、、悟◯なの?


「ってかあの人デカくない?あっちの人は肌の色が、、、緑」


 ピッ◯ロさーん!


「ってスパーキン!!」


 違う、違う。そうじゃない、落ち着け



「おっ、新入りか!おめーもこっち来い!」


「え?、、、」


「あら?新人の子かしら?」


「飲め、飲め!今日は特別な日だからな!」


「あ、ありがとうございます」


「じゃっ!もう一回いくけ!!」


「良いわね!」


「「「カンパーイ!!」」」


「カ、カンパーイ」


「「「プファー!美味い!」」」


「ゴクン、、、うまっ!」


「神酒は最高だろ!」


「はい!って違う!?」


「あぁ!?何がちげぇーだ?」 


「もう酔っちゃた?」


「ここはどこですか!?」


「何言ってんだ?年に一回開催する天界の飲み会をする宴場だろ」


「まだまだ宴はこれからじゃけん!」


「え?」


「おめぇー、初参加だろ?」


「はい、、、」


「新入りでも神じゃけん、シャキッとせい!」


「神ですか?」


「頭に輪っかついとるだろ」


「確かについてますね」


「あら?あなたないわね」


「新人がなめられてどーすんだ!」


「あれじゃろ?フリスビーにされたんじゃろ」


「あれよく飛ぶのよね!上手く投げれば手元に返って来るし」


「え?何それ!?やってみたい、、、」


「おっ、その粋じゃ!」


「自分の輪っかでフリスビーしたいとはとんだ新人が入ってきやかだったぜ」


「この子は凄い神になれるわよ!」


「ありがとうございます。あっ、自分、、、人間です」


「え?」


「え?」


「え?」


「え?」






「「「「えええぇーー!?」」」」

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