第4話 ジャンケン大会 前半

一章 宴から始まる異世界生活



「「「「、、、、、、」」」」


 お互い見つめ合って無言の時間が過ぎる


「あ、あのー」


「「「!?」」」


 何故か神様達の方が驚いている


「ご、ごめんねー、ちょっとタイム!」


「あっ、はい」


 さっきまで話ていた神様3人が自分に背を向けて何やら話だした


「え?え?なんで人間がここのいるのよ!?」


「んー、迷ったんじゃろ」


「「迷うか!?ここ天界!迷ってこれるところじゃないから!!」」


「あれだ、あれだ。転生ってやつだろ!」


「いやいやいや、確かに何回かあったけどその時は来る人みんな魂か半透明だったじゃない!」


 ん?3人がチラッとこっちを見てるな


「「「実体じゃん!?」」」


「あれだ!最近流行りの3Dってやつなんじゃね?」


「あの飛び出るやつけん!」


「それもう実体じゃないでしょ、、、」


 ん?女性の神様がこっちに歩いてきた


「ち、ちょっと失礼するわね、、、」


「え?」


 女性の神様が軽く自分の身体を触ってくる


「普通に触れるじゃない!?あらっ、やだ、、、割と筋肉もあるわね」


 女性の神様が遠慮なく自分の身体を撫で回してくる


「あ、あのー」


「今いいとこなの!!」


 身体を撫で回されてる自分。身体を撫で回している女性の神様。それは少し離れた場所で見ている2人の神様


「おっ!ここにおったんじゃな!!」


「「「「えっ?」」」」


 かなり御年配の神様だ。なんて言ったらいいのかわからないが自分でもこの神様は格が違うと理解できる


「「「主様!」」」


 ぬしさま?1番偉い神様なのかな


「久保 善一君じゃな?」


「!?、、、そ、そうですが何故自分の名前を?」


「そなたをここに呼んだのはわしじゃよ」


「なぜ?自分を、、、」


「そなたが願ったじゃろ?異世界で魔法使いになりたいと」


「!?」


 まさか!?本当に魔法使いになれるのか!


「違ったかのー?」


「いえ!そう願いました!!」


「魔法使いになれるかは君次第じゃがまずは皆んなに君を紹介するとしよう」






 そ、壮観だ。神様達が皆んな自分を見ている、、、50人ぐらいはいてそうだ


「皆の者!彼は久保 善一君じゃ。わしが彼の願いを聞きこの場所に呼んだ。彼には『白の星』に行ってもらう」


 白の星?


「『青の星』からの転移じゃ」


 青の星からってことは青の星は地球ってことかな


「ちょっと前に『白の星』から2人『青の星に』強制転移してなかったっけ?」


「『青の星』ってことは魔力なしか」


「『白の星』に何人『青の星』の人間いたっけ?」


「ちっ。『青の星』か。あいつのこと思い出したじゃねーかよ!」


「確かにあれは最悪だったわね、、、」


 情報量が多すぎて追いつかないが、、、え?魔力!?魔力って言った!?


「静まれ!これは決定事項じゃ。それに彼は彼じゃ。誰かと重ねるのは失礼じゃろ」


「「「「「はっ。おっしゃる通りです」」」」」


「まずは自己紹介をするかの。わしらにも名前はあるのじゃが長かったり覚えにくいじゃろうから司る事柄で覚えると良かろう。ちなみにわしは全知全能じゃ」


 まさかの最高神様!?


「皆に自己紹介をしてくれんかの?」


 神様達に自己紹介!?何を言ったらいんだ!?真面目にいくべきかボケにはしるべきか、、、どっちだ!?


「わ、わかりました。」


「ここにいるのは神々じゃ。意味はわかるじゃろ?」


 そうだ、、、ここにいるのは神様達だ。嘘や見栄など必要ない、、、素直に正直になろう


「自分は久保 善一と申します。初詣でに行きお祈りをしました。異世界で魔法使いになりたいと。この気持ちに嘘はありません!だから今ここに来れたんだと思っております。ですが突然の来訪により宴の席を乱すようなことになり申し訳なくも思っています。人として未熟者ではありますが何卒宜しくお願い致します」


「嘘や偽りのない素直な自己紹介じゃ」


 周りの神様達も拍手をしてくれている


「それに宴を乱したのはわしも同罪じゃ。わしと一緒に宴を盛り上げる気はあるかの?」


「もちろんです!」


「なら、、、ゲームをしようかの」


「ゲームですか?」


「本来ならスキルなど授けて終わりじゃ」


「自分もそうなんだと思っておりました」


「じゃが今は宴の時じゃ!良い1年にするには存分に騒ぎ笑うことじゃ」


「はい」


「じゃから、、、スキル、能力、その他もろもろ欲しけれ勝つが良い!己の未来は己れで切り開け!!神々VS久保 善一、ジャンケン大会じゃ!!!」


「「「「「「うぉーーー!!」」」」」」


「え?」



 流石は全知全能の神様。周りは凄い盛り上がりだ。でもジャンケンなら勝つか負けるかの確率2分1!絶対魔法を手に入れてみせる!


「ルールは簡単じゃ。神々とジャンケンし君が勝てば負けた神から特典を貰えると言ったシンプルなゲームじゃ」


「わかりました」


「もちろん後出しなどのルール違反はした方の負けじゃ」


「承知しました」


「最後にもう一度言わせてもらおう。我々は神様じゃ。一勝も出来ないかもしれんの」


「!?」


 そうだ、、、相手は神々だ。人間の俺が勝てるのか、、、


「ではスタートじゃ!!」


 せめて一勝だけでも勝たねば!魔法スキルだけは絶対にもぎ取る







「よっしゃー!!」


「あへ?まけひゃったー」


「「わははははっ」」」


 結果を言おう。まずは比較的穏やかそうな神様達とジャンケンをした。神々がかなり酔っていた為、何人かの神様には勝てた。それでも勝率は3割あるかないかだ


 今手に入れたのは6つ

『武具作成』

 武器や防具の作成が出来る技能

『エンチャント』

 魔法やスキルを指定の対象に付与出来る技能

『鑑定』

 対象の情報がわかるスキル

『音楽の才能』

 楽器の演奏や歌が上手くなる技能

『特異体質』

 他者からの魔法支援の無効化

『腹筋』

 常に6LDK




 一つハズレを引いた、、、そして何故か嬉しい『腹筋』





「あら?さっきぶりね!」


「おっ!善一、次は俺らとやろーってのか?」


「やっひょきひゃけん」


 はじめて会話をした神様達だ。1人はもう出来上がっている、、、チャンス!


「お手柔らかにお願いします」


「あらあら、なら先に私から行こうかしら」


「よろしくお願いします」


「私は幻獣を司る神よ」


 幻獣!?あれか!フェンリルとかブラックフェンリルとかホワイトフェンリルとか!?


「何を想像してるかわからないけど私に勝てたら善一君に一体譲渡するわ」


「選べるのですか?」


「いいえ。善一君について行きたい子の中で1番相性の良い子を見つけるわ」


「わかりました。それでは、、、」


「待って!善一君には身体を触らせてもらったからお礼をしたいのよ」


「触らせてもらった?あれがですか!?」


 撫でまわされたんですけど!?


「だから私はグーを出すわ」


「!?」


 グーを出す、、、これは心理戦なのか?いや、神様が嘘を付く訳はない、、、はず


「チラッ」


「うふっ」


 めっちゃ笑顔!?どっち!?まずはこっちもグーを出すか


「それじゃ、ジャンケン、、、」


 迷うな!信じろ!!


「ポン!」


「私の負けね!信じてくれてありがとう」


 本当にグーを出してきた。少し疑ってごめんなさい、、、


「それじゃ、手を貸して」


「あっ、はい」


「なるほど、、、うんうん、、、うふふ」


「あの?」


 ものすごっく撫でまわされている


「もうちょっと!もうちょっとだけ!」


「はぁー」


「良し!君にに決めた!!」


 ピカッ!ってちがう!?なんでわざわざそのセリフにしたの?もしかして自分は目が合っただけでカツアゲに行く方なのかな、、、


「あっ、、、」


 何かが身体に入ってきた感じがした


「ここじゃ具現化できないのよ。ごめんなさいね」


 今すぐみたい、、、


「大切にします」


「ありがとう。仲良くいっしょに頑張ってね!」


「はい」


「かー、長えー長えー!たかがジャンケンだろ!ちゃっちゃといくぜ。俺は物流を司る神だ。今持ってねぇー物で『青の星』から『白の星』に持って行きてぇー物があるなら一つだけ持ってけるようにしてやる」


「物ですか」


「あくまで例えだ。後そのじーさんはジャンケン出来る状態じゃねーから俺に勝てばじーさん、変化を司る特典もつけてやらー。じーさんもいいか?」


「うぇーい!」


「変化?それはどんな、、、」


「よく見てろよ!ジャンケン、、、」


 あっ、ちょっと、、、変化の話を、、、って、え?もうジャンケン!?

 チョキを出したまま振りかぶっているが何をよく見るんだ?、、、ん?チョキ!?


「ポン」


「おめーの勝ちだ。ちっ」


 咄嗟にグーを出し勝ったが、まさかチョキを出しながらそのままチョキでくるとは、ツンデレなの?ツンデレデレなの??


「うふふ。可愛くないツンデレね」


「んで?何がほしーんだ?」


「ちょっと待って下さい」


 カバンの中には、スマホ、タブレット、財布、イヤホン、伊達メガネ。何がいる?タブレットにはアニメやラノベが大量に入っているし、車とかか?いや、ガソリンなくなったらそれまでだし、、、服や食べ物は向こうでもあるはず。んー最近ネットショッピングばっかりしてたしいざほしい物とか難しい。ただただポチって、、、


「ネットショッピング、、、」


「なっ!マジか、、、くそめんどくせーことさせやがって」

 

「出来るですか!?」


「あん?できねーとは言ってねーだろ」


「ってにゃいだりょ」


 酔っ払いも参戦してきた


「負けちまったからにはどーなかしてやらー!そこにじーさんの変化もくわえてやるからおめーはさっさと次にいけ」


「頑張ってきてね!」


「ぐー、、、」


 あっ、とうとう寝ちゃった。ネットショッピングって咄嗟に口に出たがまさかいけるとは、、、誰が運んで来てくれるだろ?



「ふぅー。場の雰囲気にも神様達にも慣れてきた」



 次からが本当の本番だ。おそらく異世界で1番大切なスキル、戦闘系と念願の魔法系だ!



 新たに手に入れたのは2つ


『幻獣の相棒』

 詳細は不明

『ネットショッピング』

 詳細は不明





「絶対魔法を手に入れる!!」


 後幻獣がフェンリルでありますように!!」





「うふふ。んー、残念!」

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