機体解説 グレイブ・バッファロー

・型式番号  【Bertrand-HR-A-16p】

・機体名   【Glaive・Buffalo】

・世代    【第4世代】

・戦術レベル 【C】


・頭頂高   【15.5m】

・本体重量  【89970】

・分類    【弩級二脚ホバー型アセラント】

・外見の特徴

ずんぐりした体型で、特に脚が太く膨らんでいる。

丸みを帯びた装甲はごく厚い。

頭部にはカメラやアンテナが多数あり、歪な形をしている。

色はダークグリーンとグレー。センサー類は赤く発光。


・武装

デフォルト:プラズマフィールド発生装置

専用セミオートショットガン

肩部マイクロミサイルランチャー×2

背部特大グレード砲×2



耐久力  ★★★★☆(+☆)

機動力  ★★☆

身軽さ  ★

攻撃力  ★★★★

射撃精度 ★★★

格闘適正 ★★




 テレストリスの国内企業【バートランド・エレクトロニクス】が開発した試作アセラント。準新型に該当する。

高機動・軽量化を進める他のアセラントとは異なり、徹底的な重装甲化が図られている。「弩級」という分類上の枠も、本機の為に新設された。


 アセラント本来のコンセプトは「強襲特化の高機動・高火力」なので、身軽に越した事はない。

しかし、本機はその常識に逆行を試み、「強行突破」を唱えた。

ただし、これを活かし切れる機会は少なく、最前線への配備は見送られてしまった。




・頭部

 本機は小回りが利かないので、素早い敵を相手取る事や地形を利用した戦いが大の苦手である。

その弱点を補うべく、逸早い詳細な戦況の把握を求められ、超高感度センサーや多目的レーダーが搭載された。

建物を挟んで反対側に居る敵機のシルエットを透視したりする事が可能で、

後述する特大グレネード砲での奇襲へ繋げる。


・胴部

 第一世代の傑作である【ヴィルヘルム・カッセル】がそうだったように、多くのアセラントは柔軟な動きを可能とする生物的なフレームを持つのだが、

【グレイブ・バッファロー】はそういった機能を敢えて諦めた結果、極めて堅牢な体幹を手に入れた。

また、四肢と頭部の継ぎ目が弱点とならないよう、関節を覆うような装甲がある。


・脚部

 二本の脚こそ付いているものの、過ぎた自重のために歩行すら儘ならないため、基本挙動はホバークラフトによる浮遊とブースターによる飛行となっている。

特に足が太いのはそういった機器を内蔵しているため。


・ブースター

 テレストリスの国内企業【ジェット・ブライアンズ】が新たに開発したジェットエンジン及びブースター【Dragonfly】を採用。

 ブースターの性能には主に「通常移動時推力」、「瞬発推力」、「限界出力」、「燃費」といった項目がある。大抵の製品はどの項目も基本水準を満たしているので、得意分野に注目して機体との相性が良いものを選ぶのが普通だ。

 ただし、【Dragonfly】は例外……あらゆる項目が底辺だが、限界出力のみ過剰とも言える出来を誇る。

 あまりにピーキーなこれを誰もが見限る中、バートランド・エレクトロニクスだけはどうにか活かせないものかと模索を始めた。

直進しか取り柄の無い――直進だけが最強のブースターを活かすには、その突撃を何人なんぴとにも止められぬよう、むしろ重装甲化が有効だと結論付けたのだ。

【Dragonfly】を以ってすれば重量増加の影響など微々たるものであり、【グレイブ・バッファロー】は中量機にも引けを取らない機動力を持つ。


・装甲

 バートランド・エレクトロニクス系列の企業で製造される装甲はレーザー防御力に優れる。これを多層構造で装着すれば実弾に対しても最高峰の防御力に仕上がった。

遠距離からの射撃は殆ど跳弾し、近距離でもプラズマフィールドを展開することで更に頑丈になれる。

 ただし、テレストリスの技術はCTMBに比べて劣っており【サンセット・スワン】のプラズマフィールドほど高性能ではない。【グレイブ・バッファロー】のフィールドは前方にしか展開できないうえ、数分しか使えない。


・武装

 前述のプラズマフィールドが露骨にジェネレーター出力を圧迫している都合、エネルギー消費の大きいレーザー兵器は一切使用しない。

ショットガンやミサイル、グレネード砲といったシンプルな武装構成に至った。

 小回りがまる利かないグレイブ・バッファローにとって、面状の攻撃範囲を持つショットガンはまさに救世主。突撃戦法との相性も良く、一丁で十分メインウェポンとなる。本機のそれは散弾率が抑えられているので、少しでも命中率を上げるというよりも、狙った範囲を確実に粉砕するという使い方になる。

 決め手は背負った2門のグレネード砲だ。これは頭の悪いくらい巨大な武装であり、総重量は本体の15%に匹敵する。その分、威力と範囲は折り紙付きであり、要塞の壁を吹き飛ばした事例すらある。




・まとめ

 非常にピーキーな性能をしているせいで、新世代型にも拘わらず戦術レベルもただのCと、総合的な評価は今一つだが、「強行突破」というコンセプトに恥じない機体である。

 地下施設や坑道と言った一方通行の狭い場所では、回避の自由が封じられて集中砲火を浴びてしまうため、一般的なアセラントでは近寄り難い。

そんな状況を、本機は一切怯まぬ突撃で攻略し、一定の戦果を挙げている。

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