機体解説 ヴィルヘルム・カッセル
・型式番号 【Frobel-HR-A-5re】
・機体名 【Wilhelm Cassel】
・世代 【第1世代】
・戦術レベル 【C】
・頭頂高 【14.0m】
・本体重量 【56360】
・分類 【中量級二脚型アセラント】
・外見の特徴
細過ぎず太過ぎず、手堅く纒まった体型。全体的に角ばったデザイン。装甲色はチョコレート色をベースに、所々赤や金。センサー類はオレンジに発光。
・武装構成
デフォルト:レーザーブレード 兼 レーザーバックラー
大口径レーザーライフル
肩部マイクロミサイルランチャー ×2
背部大型ロケットランチャー (劇中では「バズーカらしきもの」として紹介)
耐久力 ★★★☆
機動力 ★★★
身軽さ ★★★
攻撃力 ★★★★
射撃精度 ★
格闘適正 ★★★★★ (MAX!)
テレストリスの国内企業・フレーベル社が開発したアセラント。テレストリスが統一連合政府への独立を宣言し、開戦した当時から存在する古参機。
他の第1世代機たちは損傷・老朽化のために解体処分されたり、次世代機の登場に伴い訓練機に降格されたりしており、本機が実質最後の第1世代機である。
ただし、ある作戦で中破したことをきっかけに最前線は引退し、修復・改修を経て本土の防衛に就いていた。
本機は度々「アセラントというよりも超高級ワーカー」と称されるが、それは旧型故の欠陥ではなく、意図された長所である。
・頭部
カメラやセンサーは当時もなるべく優秀なものを搭載したが、修復・改修の際に最新のものへアップグレードされた。
至近距離での高速戦闘を想定し、ターゲット捕捉性能(動体視力のようなもの)を最重要視。ただ、他の機能はあまり盛らず、その分装甲にリソースを割いている。
詳細は「装甲」の項目で。
・胴部・腕部
射撃は車だろうが船だろうが飛行機だろうができる。
一方、格闘は人型兵器にしか行い得ない戦法であり、アセラントの持ち味を活かすという点では理に適っていると言える。
本機は射撃性能を犠牲に、「威力最大化」「取り回し向上」「姿勢制御機能の充実」といったアプローチでレーザーブレードとの相性を極めた。
その過程で、生物的な関節や内部フレームを上手く取り入れる事にも成功し、第一世代とは思えない柔軟性を獲得した。
・コックピット
アセラント開発の初期では、神経操縦システムの実用化が難航していた。当時はまだ技術者側のノウハウもパイロット側の熟練度も十分でなく、信頼性が低かったのだ。
そんな中、本機は神経操縦システムをあくまで補助とした事で、操縦感は従来兵器に近づき、多くのパイロット候補から歓迎された。
また、同様の理由で整備性も高い。
・脚部
アセラント自体、それなり以上の飛行能力を有しているため、基本的には飛び回りながら戦うのだが、
ブレードを振るう際は地に足を付ける事が望ましい。その際、安定した踏み込みができるよう十分に調整が為されている。
・装甲
【ヴィルヘルム・カッセル】の装甲は大して特別な素材ではないが、正面を厚く保護されており、これは軍事ドクトリンに大変忠実な設計である。
テレストリスは統一連合との圧倒的国力差を覆す為、重要拠点への急襲作戦を多用した。そこでのアセラントの役割は、味方が敵防衛部隊を足止めしている間に高機動・高火力を以って本拠地を一点突破する事。
ヴィルヘルム・カッセルは敵陣に突撃する際、大量の弾丸を浴びる事を想定して
余計な機能を削ぎ落す分装甲にリソースを割いた結果、中量機体としては目を見張る実弾防御力を確保した。
・武装
ブレードは使用時のみ刃を出力する分、一瞬の出力は極めて高い。しかも殆どの兵器はレーザーに弱いので、まとめて薙ぎ払うなど造作も無い。近距離で敵を一掃するのに最適な手段と言える。
また、レーザーブレードの副機能としてバックラーがある。ほんの数秒という条件付きで面状レーザーを展開し、盾とする。
この防御力はサンセット・スワンの纏うプラズマフィールドにも匹敵するが、展開可能時間・防弾面積とも褒められたものではない……あくまでも緊急用。
その他の武装は射撃性能の低さが露呈しないように選択されている。
大口径故に当て易いレーザーライフルは、実弾銃と異なり反動が小さく、弾倉交換も不要なので格闘に集中できる。
マイクロミサイルは当然自動で追尾するので、照準を気にする必要はない。
また、背のロケットランチャーもある程度の爆発範囲があり、狙いが完璧でなくとも敵を巻き込める
……といった具合だ。
・弱点
従来兵器に準えて操縦難易度を軽減した分、アセラントとしてはレスポンスが低い(=若干動きが鈍い)。
武装構成を工夫して克服できているが、やはり射撃性能の方は劣悪。
また、防御力が高いと言ってもレーザーやプラズマには特段耐性があるわけではない。
・まとめ
全体的に現行世代機には一歩劣るものの、弱点は上手く隠し、優れた防御力と格闘攻撃を存分に発揮して敵陣を切り崩す。この運用法はテレストリス軍のドクトリンに上手く合致し、アセラントの黎明期を支えた。
ヴィルヘルム・カッセルは第一世代の傑作であり、当時のテレストリス軍の英雄でもあったのだ。
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