第13話

 アタックが強すぎるだろ……。

 俺は未だにドキドキと鳴る胸を抑えてベッドの上に倒れ込んでいる。

 俺はルキナ兄だがルキナが可愛すぎて常に理性を働かせていないと兄から獣へと堕ちてしまいそうになる。

 今回は今までの中でもかなりマズかった……。

 最近は、母上も同意しているし良いのか?なんて思うこともあるが、それは俺の中の「ルキナの兄」というプライドが許さない。

 そもそも、裏ではヴィア・ラクテアの1席なんてポジションに就いているが、表向きは無能の公子なのだ。

 ルキナに泥を塗るわけにはいかない。

 少なくとも俺が胸を張って表を歩けるようになるまで―――。

 俺はドッと押し寄せる疲労感に身を任せて眠りについた。




「ふぁ〜朝か……」

 朝になり目が覚める。

 今日はフィアの家に行く予定だ。

 俺はゴロンと寝返りを打つと小さな頭がそこにはあった。

 俺は慌てて布団を捲ると全裸で俺に抱きつき眠るルキナの姿があった。

「はぁ……」

 何だか昨日の一件のせいかこれほどでは動じなくなった。

 何やかんや言ってルキナは俺の可愛い妹だ。

 俺はスヤスヤと俺だって獣であることも知ってか知らずか気にも止めず眠るルキナの頬をツンツンと突く。

 ―――柔らかい。

 そろそろフィアの家に向かわないとマズいな。

 俺はルキナの頭を一撫でして着替えて家を出る。

 俺は家を出て割と近く(と言っても貴族街は家の一つ一つが大きいので遠いが……)にあるフィアの家へ歩いて行く。

 やはりここでも噂は広がっているのか視線を感じた。

 ま、黙ってれば身バレも大丈夫でしょ。

 そんな呑気なことを考えながら俺フィアの家の前へ来る。

「ベリル様お嬢様から話は聞いております、こちらへどうぞ」

 俺は門番に案内を受けてフィアの家の中へ招き入れられる。

「お邪魔しま〜す」

 俺は玄関から家に上がる。

「ベリルお兄ちゃん、おはよっ!」

 フィアが駆け足で俺に寄る。

「ベリル様、お嬢様こちらへ」

 俺はフィアの家の使用人に茶菓子と紅茶が用意された中庭に案内された。

「庭、きれいだな」

「フィアもそう思う!庭師ってすごいよね!」

 俺が中庭に生える花や木々を見てつぶやくとフィアが『わかる!』って感じで同感する。

「フィアこれ何?」

 俺は茶菓子を一口食べて聞く。

「これ?新しく開発されたお菓子!名前は未定だよ☆」

 料理名、未定なんだ。それで良いのかフィアの家の料理人。

 俺はフィアと談笑しながらお茶会を楽しむ。


 『カチン』とフィアが紅茶を置く。

「ベ、ベリルお兄ちゃんっ!部屋行こ?」

「良いよ?」

 俺はフィアに誘われ部屋へ向かった。



―――――――――

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皇国の正体を隠す序列一位騎士、その正体は皇国で怠惰を貪り蔑まれる無能公子です〜 @yoshiyoshix2

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