第10話
「んふふ〜!」
「何頼もうかな~」
「えへへっ」
ウィンドウルフを討伐し依頼が終わった俺達は帰る前にカフェに寄っていた。
アリシャ達が楽しそうにメニューとにらめっこをしている。
「あまり遅くなりすぎるとシスターが心配するぞ」
ウィンドウルフの討伐をした後の襲撃で日が落ち始め空がオレンジ色に染まっていた。
「決めた!」
「これにしようかな〜」
「私はこれ!」
アリシャが選んだメニューはチョコレートパフェ、シーナが選んだメニューはタルトケーキ、メイが選んだメニューはプリンアラモードだ。甘そう……。
「店員さん注文お願いします」
「はい!かしこまりました!」
たまたま近く通りかかった店員を呼び止める。
「え〜、チョコレートパフェ1つ、タルトケーキ1つ、プリンアラモード1つ、エスプレッソ1つで」
「かしこまりました!少々お待ち下さい」
そう言って店員さんはキッチンの方へ行った。
「ベリル兄ぃ、魔法の話しして!」
急に言われても……。
じゃあ、ちょっと魔法について講義をするかな。
「みんなに質問、魔法ってなんだ」
「うぇ?魔法は魔法だよ!」
「アリシャ……答えになってないぞ」
「不思議な力?」
「不正解」
「魔力をエネルギーとして特定のイメージを具現化すること?」
「正解、さすが魔法使いだな!では次の質問、魔力が無限にあればどんなことでも具現化できる?」
「無理!」
「お〜アリシャ、正解だ!」
そう、魔法は『イメージを具現化する方法と魔法学では定義されている』―――が俺はそう思わない。
俺の中の魔法の定義は『魔力による物質の構成と組み合わせ』だ。
「イメージを全て具現化することはできない。 俺は根本の魔法の定義が間違っていると思う」
「どういうこと?」
「イメージを具現化するのではなくて、魔力をエネルギーとして物質を構成し組み合わせイメージに近い現象を起こすものだと考えている」
「むぅ、難しい……」
「難しいです……」
「なるほど!その定義なら
「そうなんだよ!魔力の使用量を決めて作り出すとイメージする物質の量を決めて決まった組み合わせにすることで魔法の問題でもある『魔法出力の個人差』が減らせるんだ!」
「騎士様すごいね!」
メイに褒められた。でもこの方法だと大きすぎる魔法現象を行使するには向いていないのだ。要改善だな。
「来たぞ〜」
店員がワゴンに料理を乗せてやってきた。
「お待たせいたしました」
それぞれが自分の頼んだ料理を店員から受け取る。
「ごゆっくりお過ごしください」
店員が下がる。
「食べよっ!」
アリシャはもう待ちきれないらしい。
「「「いただきまーす!」」」
「いただきます」
俺はエスプレッソを一口飲む。
「美味しいな」
「うん!」
「美味し〜!」
「甘くて美味しいです!」
みんな満足らしい。
俺はエスプレッソを飲みながら疲れを癒やすのだった。
―――――――――――
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