第7話

「ベリルくん来てたなら行ってよ!レイも言ってくれれば良かったのに〜」

「お母さんがこうなるから言わなかったの!」

「お久しぶりです、レイのお母さん」

「ベリルくんヴィア・ラクテアの騎士様なんだって?レイとお揃いね!」

 ぐっ……。バレてる、やっぱり。

「……はい」

「クスッ―――」

「おい!レイ笑うな〜!」

「クスッ、ごめんなさい」

「まぁまぁ、そういえばレイとベリルくん学院行くんだって?」

 何故にバレている……。

「お母さん、なんで知ってるのよ!」

「お母さんにレイのことでわからないことなんて無いのよ」

「レイのお母さん凄いな……」

 地獄耳だな。

「あら―――?ベリルくん凄〜く失礼な事を考えなかった?」

「ひゅっっ!そ、そ、そんなわけ、無いですよ、レイのお母さんは素晴らしいな、って考えていました」

「そうよね〜」

 今のレイのお母さんは死神なんかよりも怖かった、圧がヤバイよ……。

「でも、レイと一緒にベリルくんが学院に行ってくれるならお母さんも安心だわ」

「もう!べ、別に一人でも大丈夫だったんだから……勘違いしないでよね!」

「レイ、そろそろ家に帰らなきゃ」

「もう昼?なんだか時間の流れが早いわ」

「ベリルくんもう帰っちゃうの?」

「えぇ、時間なので」

 今日は昼から街へいかないと行けない。

「送っていく?」

「いや、そのまま街に行くから」

「わかったわ」

「うん、それじゃまたな!」

 玄関で靴を履いて俺はレイとレイのお母さんと別れる。

「またね〜」

 レイがこちらに手を振っていたので俺も振り返す。



 そして、俺は貴族街を出て街に出た。

 今日は教会の孤児院の子たちに指導をする日だからな。

 教会は慈善事業で親に捨てられたりして露頭に迷ってしまったりした子供を保護して教育をして将来食いぶちを稼ぐすべを教えているのだ。

 しばらく歩くと白を基調とした石造りの建物が見えてきた。

 俺はそのまま進み中に入る。

 中は赤いカーペットが敷いてあり横には何個も椅子が並んでいて中央に置かれている石造の少し横側に扉がついている。

 俺はそこへ歩いてゆき、扉を開く。

 すると、扉の先程の雰囲気とは変わって木造の建物に繋がっていた。

「おーい、来たぞー!」

 俺が呼ぶと奥から『ドタドタ』と人の足音が近づいてくる。

「ベリル兄ぃ!」

「騎士様〜!」

「来た来た!」

「おわっ!?」

 『バタン』3人に抱きつかれ押し倒される。ちなみに3人共歳は12歳、ルキナと同い年だ。はて、俺からは年下の好かれるフェロモンでも出ているのだろうか……。

「ちょっと、ちょっと騎士様に迷惑を―――ってさっそくかけてる!?すみません騎士様……」

「良いよ〜別に、困ってないから」

 ここの孤児院の子供たちのお世話役でもあるシスターは俺が貴族であることを知ってるので慌てて止める。

「あら?騎士様、今日は仮面を外していらっしゃるんだ」

「あー、それは色々あって顔隠してたんだけどバレちゃったんだよね」

 ほんとに、考えれば考えるだけ死神に恨みが募る。

「「「冒険者ギルド行こーよ!」」」

 3人、シーナ・アリシャ・メイが口を揃えて言う。

「シスター、今日は男子組は森?」

「えぇ、猟師のエドさんがみんなを連れて行ってます」

「そうか、エドの爺ちゃんなら大丈夫そうだな、じゃあ俺達も冒険者ギルドに行ってくるよ」

「はい、その子達をお願いします」

「おし、お前ら行くぞ!」

「「「おー!」」」

 俺達は冒険者ギルドへ向かった。




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