第2話

「皆のもの揃ったかの?」

「えぇ、いつもどおりのメンバーは揃いました皇帝陛下」

「そうですね、怠惰の公子以外は、フェイニス公爵も息子のベリル様がああだと大変でしょうね15にもなって当主の職務代行ができないのですから」

「儂は、人の悪口を言うために召集したのではないぞ?」

「「はっ、失礼いたしました」」

 この国の財大臣と外交大臣が謝罪をする。

 今、俺が居るこの部屋は皇国の中でもほんの一部の役職のものと公爵以上の爵位を持つもの以外は立ち入り禁止だ。

 そして、今俺は皇帝陛下の横に12人並ぶ騎士の中央皇帝陛下の右側に立っている。

 ちなみにこれらの騎士は戦場での功績、戦闘能力などで皇国騎士団と魔法師団から選抜された上位12人の者たちだ。

『ゴロゴロゴロゴロ―――』

「雷?」

 どうやら外に雷が落ちたっぽい。

 そして俺の反対側にいるのは第2席。

「今日もその仮面は外さないのね?」

「あぁ、」

 ちなみに俺は怠惰の公子と呼ばれている。

 まぁ、怠惰の公子と皇族直属騎士団ヴィア・ラクテアの第1席と同一人物と知るのは父と皇帝陛下のみだけど。

「それでは会議を始める、騎士団長―――」

「はっ、今回の適当は相当の強さを持つと考えられます、只今騎士団に隊を組ませて敵の捜索を行っていて皇都の守りが弱くなっているためヴィア・ラクテアを皇都の東西南北に24時間体制で残りの騎士共に配置することを提案いたします」

「ふむ、1席どうじゃ?儂は賛成じゃ」

「そうですね、危険度から考える―――「ちょっと待った」」

 俺が回答をしようとすると口を挟んだ者がいた。

「ん?」

「笑わせてくれるなよ?俺らヴィア・ラクテアがお前ら騎士共と仕事だと?ざけんな雑魚どもが一緒に居れると思うなよ?」

 馬鹿が。

 俺は腰に下げた剣を抜く。そして愚かな発言をした奴、新参者の12席の首筋を目掛けて刃を振るった。

「おい、貴様口を慎め新参者が」

「だ、だって1席!」

「言い訳をするな、我らが仕えるのは皇帝陛下だそして、皇帝陛下は賛成為さったどういう意味かわかるな?」

「は?それだって許容は」

「2席、教育だ俺では殺してしまう、お前そういう得意だろ?」

「えぇ、そうね教育が必要よ《痛覚再現リターン・ダメージ》」

 今、2席が行ったのは魔法の行使。効果はその名の通り、過去の痛みの再現だ。恐ろしい彼女ことだきっと凄まじい痛みを再現させているのだろう。

「あら、1席にも教育が必要?失礼なことを考えられた気がするわ?」

 ひえっ!!

「い、いや、そ、っそそそんこと考えてないよ」

「1席、2席、申し訳ありませんでした!!ぐ、あっぁ、あ゙ア」

「「謝る相手が違う」」

「こ、皇帝陛下、ず、ずいまぜん!どうかお許しを、私の忠義を貴方様に」

 ちなみに『私の忠義を貴方様に』というのは忠誠の誓いである。

「許す、それで配置は決まりでよろしいか?」

「「はい、皇帝陛下の仰せの通り」」

 ヴィア・ラクテアを代表して俺と2席が答える。

「では、次に民への告知と商人や冒険者に移動についてだが―――『バンッッッッ』「伝令!!!」」

 一人の騎士が扉を壊す勢いで入室する。

「副団長どうした?」

 この場に居る騎士団長が問う。

「こ、こ、皇都の全ての門の騎士から伝令、城壁外に無数の怪異、その数の推測、総計10万超え!皇都囲まれました!!」

「なっ!発見時刻は!?」

「つい先程です!雷の音と光とともに突如現れました」

 おいおい、おい、嘘だろ?まずい、それに外は妹が……ってルキナ!

「ちっ!皇帝陛下、今外にルキナ様ルナ様フィア様が!居ます」

「なんじゃと?」

「ヴィア・ラクテアは全員4門へ今すぐ向かわすべきです!」

「あい、わかった向え!」

「はっ、俺は南門に行く!2席が北門、3と4は東西の門に別れろ!俺に2名ついてこい!」

「騎士団を後から向かわせる!」

「魔法師団も総動員じゃな」

「助かる!では先に向う!《自動装備オート》」

 そう言って俺は魔法で武装し南門へ駆けた。



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by冬☃

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