第3話 黒い砂粒は何なのか。

 しかし、段々と、その狂乱した動きから人間の手の形に変化した。

 やがて、その「手」は「手招き」をハルヤにした。小屋の扉が開いた。

 「黒い砂」はハルヤを取り囲み、小屋の中へと連れ去った。

ー小屋の中ー

 いつもの小屋の中は、小麦や古びたベッドが置いてあって、郷愁をやや感じる空間となっている。

 だが、今、ハルヤに見えるのは、ただ沈黙の空間。

 時々、光るランタンが見える。

 やがて、「黒い世界」に亀裂が入り始めた。

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