第7話 俺VSマチ

「奴は、センテンス学園の生徒です。学園内でも落ちこぼれだとか」部下が報告した


情報に眉をひそめる。


「それは、嘘だな」「何故そう思われるのですか?」


「あのガキが使った防御魔法は先代のボス、ゴトリー・モール様の十八番技と言われてるからだ」


「!!!」


「それ程の技を使用した。あのガキは一体何者…」


「続いて第二戦を始める!アルバス・ボルグ対マチ・ハンター!」


(まあ、そうくるよな)


俺も昔は、親子で殺し合わせたものだ。


マチがスタジアムに現れる。


「アルバス…」


「分かってるよ」


俺達は長い付き合いだ。お互い何を考えているのか分かる。


マチは大きな火球を作り出す。


「おい、あの二人は幼馴染らしいぞ」「ほう、それは楽しみな戦いになるな」

「ああのガキも腕がたつからな」


(マチ、お前がまずやりたいことは…)


俺は、前進しマチの腕を観客共に向ける。


「ニタニタした面がうざいのよ!!消し飛べびなさい!!」



その時マチが魔術を放った。


「「ぎゃあああああああ!!!」」


コロシアム全体で大混乱が起きた。更にマチが火球を俺に向けてひたすら放ち続け俺

はそれを避けることでさらに悲鳴を起こさせた。


(そろそろ頃合いだな)


俺はマチに飛びつき、首筋を噛んだ。


(ドレイントゥース)


噛んだ対象者に俺の魔力を分け与える魔術だ。


もちろんこんな状態なので大した魔力はないが、ここは少しでもマチを回復させたい。


「うっ!」


マチはそのまま膝から崩れ落ちた。


このドレイントゥースは、痺れも与えてしまうのが欠点だ。


「二回戦終了!勝者、アルバス・ボルグ!!」


めちゃくちゃになったコロシアムを整理するためにしばらく時間が挟まれた。


俺が控室で休んでると筋肉隆々の長身の男が話かけてきた。


「楽しんでるか?坊主」


「お前、名前は?」


「俺は、セコンド・セルだ。坊主、誰に魔法を教えてもらった」


「我流だ」


前世にも今世にも師匠なんてのはいない。


「お前死への旅(デストリップ)に入る気はないか?」


「ないね」


俺はにべもなく答えた。


「血なまぐさい日常には飽き飽きだ」


「……」

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