第71話 どこもかしこもちょー注目?(Another side)
ハワード伯爵令嬢シトリー・ハワードの教育兼護衛係(sideエリーズ・ラテルネ)
とある屋敷の一室にて。
「ハァ……」
「お嬢様。まだ眺めていらっしゃるので?」
「仕方ないじゃない。こんなに大きく、美しいサファイアなんて初めて見たのですもの……ハァ」
「……」
確かに、ここまで大きなサファイアは冒険者時代も含めて初めてだ。お嬢様が夢中になるのも仕方ないかもしれない。
だが、あの値段でこれだけのものを売るだなんて、あの店主はちゃんと価値を分かっているのか?あの値段では、この国の相場の四分の一くらいか?
ちゃんと利益を出せているのか…。いや、私が心配しても仕方ないか。お嬢様が喜んでいるのだから、そのことを喜ぶとするか。
呪いの品でもないようだし。
「ねぇ、エリー?」
「はい。なんでしょうか?」
「エリーは私が屋敷に着いた後にもう一度見に行ったんでしょ?」
「はい」
「『鑑定』は出来ましたの?」
「一応は」
クートが帰る
「一応って?」
「それが……偽装を使われていたようです。ステータスは…
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マードゥ・チャントス old 35
Human Level
job『商人』
HP MP
STM STR SPE PRO MSTR MPRO LAC
STP
SKILL
USKILL
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となっておりました」
「な、なにそれ!何も分からないじゃない!」
「はい。私が『看破』を持っていたら見破れた可能性が高いのですが…」
「むぅー……。流石にエリーでも『看破』のスキルは高すぎて与えれないですわね…」
「い、いえ!
「へぇー。エリーが、『
「や、やめてください!若気の至りです。それにあれは他人が勝手にそう呼んだだけで……」
「ふふ。そこまで慌てなくても良いじゃない。それで?レベルはどれくらいだと思うの?」
「そうですね……あまり長い時間観察出来なかったので、およそですが…レベル50は超えているかと」
「へぇ……エリーの三分の一か〜」
「レベルに差があるからと油断していい訳では無いですよ」
「でもエリーが戦ったら勝てるでしょ?」
「それは……よほどの切り札を隠していない限りでは…圧勝で終わるかと」
「やっぱり!」
「ですが!彼は転移魔法らしきものを持っているようですよ。それにまだ実戦経験が少ないようですし」
「ふーん。やっぱり力づくで確保は止めておいてよかったね」
「はい」
「あーでも欲しかったな〜。だってこのサファイア…作られたんでしょ?」
「はい」
ロイヤルブルーサファイアの
その価値は場所によって変わるが、純度の高さとその希少性から高値を出す者は多いだろう。
魔力媒体としての利用可。
人の手により破壊済み。
「こーんなに大きな宝石が砕かれた後なんてね〜。作れるのも凄すぎるけど」
「砕かれていない物が店主の言っていた白金貨の用意が必要なものなのでは?」
「あー確かにね。金貨1枚でこの宝石を渡す店ですものね」
「はい。実際に価格を聞いておけば良かったですね」
「そうねぇ。………そういえば、年齢も偽装してるって?」
「あぁ、はい。年齢はお嬢様より少し上程度かと」
「そ、そんなに若いの!?」
「お嬢様の方が若いのにその言葉は変ですよ」
「そうなんだぁ。そうなんだ〜」
「お嬢様?」
「また会ってみたいね?エリー」
「…そうですね。その時は手合わせを願いたいものです」
「瞬殺出来るのに?」
「才能や人格を測るには手合わせが1番でしょう」
「……戦闘狂」「違います」
「頑固な戦闘狂」「違います」
「頑固で意地っ張りな戦闘狂」
「頑固でも意地っ張りでも戦闘狂でもありません」
「すぐに戦闘を求める癖に」
「それは……それはそれです」
「やっぱり戦闘狂」「違います」
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エリーズ・ラテルネ old 24
Human Level 167
job『輝姫剣鬼』
HP 175/175 MP 200/200
STM 100 STR 90 SPE 190 PRO 20 MSTR 90 MPRO 40 LAC 30
STP 0
SKILL
『剣鬼』A 『剛力』P 『疾風迅雷』AP
『体術』P 『雷魔術』A 『風魔法』A
『身体強化』A 『瞑想』A 『鑑定』A
『遠隔操作』A 『精密操作』P 『並列思考』P
『魔力感知』A 『索敵』A 『超直感』P
『け』AP
USKILL
『輝剣』PA
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『疾風迅雷』AP…『風魔術』、『雷魔術』、『疾走』を所持していると獲得可能。スキル所持者が走る際に雷を纏う風が後ろを追いかける。
SPEとMSTRを30獲得。
『
称号jobスキル。
ユニークスキル『輝剣』が手に入る。
MP20獲得。
『輝剣』PA…スキル所持者が剣を振るう際に光の残像が残る。
レベル1ラディアントオーラ。MP消費無し。剣を振るう際の光量の調節可能。
レベル10ラディアントソード。MP消費5ずつ。MPを5消費するごとに、質量を宿した操作可能な、一定の光量の浮遊する光の剣を召喚可能。
レベル30モデリングソード。MP消費無し。ラディアントソードで召喚した剣の形を変更可能にする。元の光量以上に大きくすることは出来ない。
レベル50ラディアントゲイン。MP消費1〜。MPを消費して、ラディアントソードで召喚する剣の光量を増やすことが可能。
レベル100レインボーオーラ。MP消費1分ごとに10消費。虹色のオーラを纏い、全てのステータスが100増加。
レベル150ディープブラックオーラ。MP消費毎秒1消費。漆黒のオーラを纏い、全てのステータスが500増加し、『輝剣』の全てのアーツをMP消費無しで使用出来る。
MP5獲得。
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ボスのパシリと呼ばれる下っ端(sideアバヌケ)
「逃したのか!?折角、折角見つけたのに…!」
「すいやせんボス…」
「俺はもうボスじゃねぇ。そう呼ぶな」
「す、すいやせん…」
そうだ。俺は元々は恐貸しの下部組織のボスとして生きていた。だが、恐貸しのボスが俺の組織に無駄が多いと言って、俺の組織の仕事を丸々違う組織に移しやがった。
お陰で稼げねぇしやることもねぇ。だから金に困った奴や意図的にそうなるように仕向けた奴に金を貸す仕事を始めた。すると少しずつ組織が回復してきた。
それなのに!変な男がいきなり現れた!せいで!
「クソッ!」
「すいやせん。ボ、アバヌケさん」
「なんだ!」
「あの男を捕まえるのは無理だと思いやす」
「なんだと!?お前!俺に死ねって言いてぇのか!?」
「ち、違いやす違いやす!どうやらあの男転移魔法を使えるらしくて、捕まえるのは現実的ではなさそうなんです。それに『収納』も持ってるからしいし、宝石を多数持ってる財力もあって…」
「転移…魔法……」
「ボ、ボス!」
つい力が抜けて膝を付いちまった。
「だからボスって呼ぶなよ…」
「が、頑張りましょうぜ!これまでも上手く乗り越えて来たんでさぁ!」
「だが…どうやって……」
転移魔法を使える男を捕まえるなんざ俺たちだけに出来るわけが……俺たちだけ?
「そうだ!」
「ど、どうしたんでさぁ!」
「巻き込むぞ」
「へ?」
「他の組織にも話を通して他の裏組織全部に情報を与えて包囲網を作るぞ!」
「そ、そんなことが可能なんですかい?」
「知るか!」
「えええ!?」
「成功したら俺らの組織の復活!出来なければ死ぬだけだ!」
「死ぬだけって…」
「俺は今から恐貸しのボスにあの男の情報を伝えに行く。お前たちは全員で他の組織にあの男の、マードゥ・チャントスの情報を伝えてこい。あの男から買った宝石を持ってな!美娼会やフィア傭兵団の下部組織にも伝えに行け!」
「は、はいでさぁ!」
これは、楽しくなってきたなぁ…。
失敗したら死ぬんだ。なら最期はでっかい花火を打ち上げないとなぁ。だがマードゥ…お前は、お前だけは…。死なば
クックックック。
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設定ポロリ
『筋力』STR5『剛力』10『怪力』20『超力』50
『腕力』や『力』等の似たようなスキルでも同じような効果を得られる。
『腕力』STR5
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