第61話 使い捨て?いやちょー仲間!

素材島を作ってから2夜ほど明かした。

ゴレイチと一緒に死体や鉱石を素材島に運び、MPが回復したら、その都度魔石に移すを繰り返していた。


素材島の泉に死体を入れ、鉱石を入れる箱を作っておいた。俺の居住島に空いた元鉱物倉庫が出来たが、そこには植物の種や布を保存することにした。


正直、まだまだ空きスペースがあるが、それは追々埋まるだろう。俺の家兼倉庫は完全な家にすることにした。『布生成』で生成した布のベッドに石の椅子ぐらいしか内装は無いが、最低限寝床だけあれば十分だ。


後、果物等の食料は全部聖樹島の泉の中に移した。ゴレイチの足は主食を薬草にさせることと、ホーリーアップリンを食べさせることで完治している。既にスキル『洗脳』は解けてある。


「くートサん。キョウはナにをスるんデスか?」


俺の命令を聞いてるうちにゴレイチは人の言葉を話せるようになった。おそらくスキル『超化』の力、種族の限界を超えた理解力、の結果だろう。


元々は使い捨ての奴隷みたいにするつもりだったが、流石に話せるのに使い捨ては出来ない。

用は情が湧いたのだ。


素直に従っているのは、単純に俺に勝てないのと、野良のゴブリンとして生きていた頃よりも今の方が美味しい食べ物も食べれるし、強くもなれるからだろう。


「よし、これから森にゲートを開く。そこからゴレイチには狩りに行ってもらうが、同族を殺してもらうことになるぞ。大丈夫か?」


「はイ。ダイじょうぶでス。そレとにんゲんハコろシマせん」


「よし、頼んだぞ。『異界』」


ゲートを開き、そこからゴレイチが出て行く。


「『禁域』!」


そのままスキル『禁域』を使い、他の生き物はステータスが半分になる領域が出来た。…あ。


「ゴレイチ帰ってこーい!」


「エ、はイ」


「今日は特別だが、ゲートは夜に開いてそこから帰って来てもらう。いつもはゲートを開かない。だから素材は禁域に置いておけ。わかったか?」


「ハい」


「よし、今度こそ行って来い!」


ゴレイチが出て行った。『異界』を閉じている間は外との時間の流れが違う。だが、開けている間は外との時間の流れが同じになる。開けっ放しだと異界の中で無尽蔵の検証が出来なくなる。


そのことに今ギリギリで気付いた。危なかった。異界の優位性を失うところだった。『異界』のゲートを閉じ、またゲートを開く。


次は城の自分の部屋の中だ。そして寝る。入ったときは既に夕方だったからそのままベッドで寝る。魔石の魔力も満タンまで貯めたし、余った魔力は『木生成』でヘルドツリーを作り全て使い切った。


確か明日はリック達に会いに行く日だ。早めに寝ておいて良いだろう。

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