第34話 大満足な、ちょー自給自足!
さて、新スキルも確認したいが、その前に店で買った種を『世界』で成長させられるかの確認だ。
「まずは薬草の種から試そうかな。種を地面に埋めて、『世界』成長させろ」
……あれ?成長しない?いや、芽が出てきた。
芽が出てからはすぐだった。テレビの早送りをしているような成長の仕方だった。
そして…ギルドで見た薬草の絵そのままの姿に。
『世界』で成長することが分かった。
次は増やせるかだ。薬草の種が売っているということは、薬草を増やす技術があるか、採取することが出来るかだ。種は2つしか買っていないから試せるのも2回まで。だが増やすことが出来たら、俺の異界に無尽蔵の薬草畑が出来ることになる。
「ま、取れぬ狸の皮算用だ。出来なければ0になるだけだ。『世界』、薬草の種になるまで成長させろ」
…生えている薬草が少し時間を置き、つぼみになり、花が咲いた。そして花が枯れて行き、小さく、小さくなって行き、丸くまとまると、そこには小さな袋のようになった花が。
「これで成長が終わりか?種は無さそうだが…この袋に種が入っているのか?」
付いている袋を割ると、中から薬草の種が6〜7個ほど出てきた。
「よし!これで薬草の無限化に成功だ!」
数えた限り種は7個、今持っているのを含めて8個だ。その全てを地面に埋めて、もう一度『世界』を種になるまで発動させる。
これで種は50を超えた。
更にその全てを埋めて、また種まで成長させる。
薬草の種は1つから5〜7個出るようだ。種は300を超えた。
その種のうち半分を薬草に成長させ、残りの種は保存しておくことにした。薬草は泉の中に沈めて置くとして、種の保存をどうするか…。
「だけど種をそのまま置きっぱなしにするのも何かなあ……そっか!『布生成』で布を出して袋を作れば良いのか!ならさっそく、『布生成』!」
手を伸ばしてスキルを使うと、手のひらから布が出てきた。ハンカチ程度の大きさだ。
「この大きさで使用MPは5か。残りのMP全部使って布を出すか……いや、『木生成』を試せていないから駄目だ。ならMPを5残して、『布生成』!」
さっきの倍はある布が出てきた。手触りも先程の布より上質だ。この大きさなら種を全て入れられるだろう。布は色々なことに使えるから、これから眠る前に、MPが残っていたら全て『布生成』に使うことを日課にしよう。
次は毒草……は止めて置くか。毒耐性みたいなスキルを手に入れたら育てようかな。毒草の種は最初に出したハンカチに入れておいた。
なら何を育てるか…じゃがいもみたいな見た目のジャガーに人参そのままのニンジン。ランダムシードは毒草が育つこともあるらしいから止めて置く。あとは…アップリンの種か。ジャガーやニンジンみたいに皮を剥いたりする必要が無く、そのまま食べれる。アップリンを育てよう。
アップリンの種は2つだ。店で買ったアップリンから出た種をそのまま地面に埋めて『世界』を発動させる。
「成長させろ!」
地面からアップリンの木が育つ。
「実が出来るまで育てろ!」
赤いアップリンがたくさん実る木がそこに出来た。これで異界での食料には困らないはずだ。
1つ取って食べてみる。少し酸味を感じるが、それよりも強い甘みで気にならない。
アップリンの種もこれで無限になるだろう。なら
もう一つのアップリンの種を泉付近に埋めて成長させる。失敗しても増やせるのだから実験だ。何か美味しくなればなぁ~という適当な思いで、だ。
「な、何だこれ……」
先程育てたアップリンの木の倍以上の大きさの幹、二周り以上大きな実。そして1番の違いは…
「体に害は無いよな?……食べてみるか」
緊張しながら金色のアップリンを食べる。
「う、うまい!」
通常のアップリンの倍以上の甘み。酸味は一切無く、アップリンになった。日本でも食べたことのないレベルの甘みだ。
これは表には出せないものかも知れないな。日本でも高級品になりそうなものだ。何故か売った際にかなりの金額になることが理解出来る。それをお粗末にも食文化が中世で止まっているこの世界に出すのは……良いかも?
誰も俺だと気付かないようにして、何処かで露店を出したら金を稼げるかも?いや、それには露店に対する法律を知る必要があるか?いやいや俺には『異界』があるからいくらでも隠れられる。闇商人プレイ…面白そうだな。
でも城から長い間外出することは難しいかな…。
許可を出させる為にお国の為に働くかな~?
いや、誰も俺を止めることが出来ないようにすればいいのか?
ギルドマスターが
それを目指すか?スキルをいくらでも増やせる、俺ならなれるかもしれない。
まだまだ先の話になるだろうけどね。なんたって光輝くレベル1!明日はゴブリン討伐に行くんだから早く寝ないと。眠くてテンションもおかしくなってきてるし。
ゴールデンアップリンをもう一つ食べて、冒険に備えて、睡眠!
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