第22話 勘違いはちょー大変!
「君、召喚者は外に出せないよ。何人も君みたいな召喚者が来るけど、毎回追い返すのが面倒なんだよな〜、早く帰ってよ」
「あ、大丈夫です。自分は王女様から許可証貰ってるんで。」
「君がか……見せてもらえるかい?」
「はい、これです」
「………確かに、確認した。外に出ることを許可する。…外は気をつけろよ」
「はい、ありがとうございます!」
門番に通され、遂に外に出た!正直そこまで感動はしない。どうせこれから何度も見ることになる景色だ。出る度に感動していたら疲れるだろう。
授業で冒険者ギルドがあることは確認済みだが、実際に何処にあるのかはまだ知らないな。最初に登録する際に銀貨1枚必要だが、それは借りることが可能だということは分かっているが。
俺の異界の聖なる雑草が高く売れたら良いんだけど……いや、売らない方がいいか。変に目を付けられると困る。
とにかくギルドに行かないと始まらないな。
そこらで歩いてる人に聞くかな。
「すいません、ギルドの位置わかりますか?」
「ギルドの位置ですか?わかりますよ。私の家への帰り道と同じ方向にあるので、ついでに案内しましょうか?」
「お願いします!」
「はいはい、着いてきてくださいね」
初手から良い人に当たったようだ。
「最近は色々物騒ですよね」
「え、そうですか?」
「知りませんか?この国で勇者が召喚されたという噂があるんですよ」
「でも、なんのためにです?」
「さあ、魔王国と戦争でもする気か…と」
「魔王国、魔族の国と…。それは恐いですね…」
「ま、あくまで噂ですからね。気にし過ぎも良くないですよ」(俺から話を振ったのに、我ながら無責任な発言だな)
そして、雑談しながら歩くとある建物に着いた。
「はい、着きましたよ」
「おお、ここが…、以外にキレイなんですね」
「以外…?はい、ここが商人ギルドです」
「おお、商人……へ?商人?冒険者ギルドではなく?」
「はい…え?もしかして冒険者ギルドのことを言っていたんですか?細身の方でしたから、新米の商人の方かと…すいません……」
「いえいえ、ギルドだけでは勘違いすることもわかりますよ。こちらこそすみません。」
「今度こそちゃんと案内しますから。安心して着いてきてください!」
「え、家へ帰るついでなのでは?」
「送ると言った手前、ここで投げ出すのは私が私を許せません!こうなったら最後まで送り届けます!いいですね!」
「あ、はい。わかりました」
意外と熱血な人だな。それでは、今度こそ冒険者ギルドに!
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