第21話 許可証手に入れ、ちょー楽しみ!

そして夕食。

2日分の食事を一気に搔き込む。


「九雲人そんなに腹減ってたのか?」


「ん?あぁ、燐之助か。2日分だからな」


「2日分?」


「あぁいや、何でもない。普通に腹減ってたんだよ」


「訓練してない癖に?」


「あ、俺訓練免除になったからヨロシク〜」


「は、ズリーぞ!」


「それだけいい力ってことだよ。ただなぁ、王女様が以外にいい性格してたよ」


「へー俺には遠い存在だからなぁ。てか訓練免除になるってことは、王女様に認められるくらい凄いスキルなのか!」


「それだけいい力って今言ったばっかじゃん」


「え?言ってた?まあ細かいことは気にするなよ。それにしてもいいなあ、俺のスキルは『棒術』と『腕力』とかの良くあるスキルぜ〜」


「お、おい自分のスキルはあまり言い触らすなよ。誰に聞かれてるか分かんないだろ」


「大丈夫だって、どうせ国に全部伝わってるんだから」


「そうかな?」


「大丈夫大丈夫だって。それよりも九雲人は訓練のある間は何をしとくんだ?」


「あ~、王女様から仕事が来るかもしれないから、そのスキルの訓練をしとくかな?」


「ハハハハ、結局お前も訓練じゃないか」


「まあ自室でゆっくりスキルの練習するだけで随分楽だと思うよ。」


「そうなのか。俺も訓練頑張るから、九雲人も頑張れよ」


「おう!」


「クート君は居るか?」


騎士が俺の名前を呼んで、俺を探している。


「はい!ここに居ます!」


「おお、そこか。これを姫様から預かっている。君に渡すように申し付けられているからな。それでは失礼する。」


「はい、ありがとうございます。」


これは……外出許可証だな。善は急げだ。


「よし、燐之助、俺もう行くわ」


「お、そうか。頑張って来いよ」


さてと、転移してきた召喚者の中で初めての外出だ。

外の世界で優先して確認するべきモノは、商会等で売られている品物。普通の人々の暮らしぶり。国と国をまたぐ独立組織の確認。くらいか?


そしてサブの情報収集が、簡単にスキルを手に入れる方法があるか等の確認だな。独立組織の確認は正直に言えば、小説でよく見かける冒険者ギルド的なのを予想している。というか既にあることは授業で確認済みだ。金を稼げる手段を持っておく事は大事だろう。


いや、商会の品物をサブに回して、スキルの獲得を優先しよう。俺に関係あることから調べた方が得だろうしな。


物価や需要を確認する事も大事だが、それよりもまずは俺が安定して生活出来た方が良さそうだろう。


さて、折角の外だ。存分に楽しんで行こう。

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