第16話 ステータスはちょー機密!

はい翌日〜


「あ~腹減ったー」


「お前昨日も似たようなこと言ってなかったか?」


喋りかけてくるのは隣の部屋の少しぽっちゃりしてるクラスメイト、

矢部やべ 燐之助りんのすけ』だ。


く「あ、いや〜、この世界に来てからよく腹が減るんだよな~」


り「そうなのか…、実は俺もここ来てからよく腹が減るんだよね〜」


く「いやいや、お前はいつも通りだろ?」


り「いやいや、そんなことないよ!絶対ストレスから来るナニカだよ!」


く「いいや、絶対そんなことないね!もしストレスのせいだと言うのなら、ただのやけ食いさ」


騎「お前たちは随分と仲が良いようだな」


いつの間にか担当騎士様が後ろに。


く「そうなんですよ~。俺たち仲が良くて〜」


騎「そうかそうか。では今日からの訓練の時間は君たちは一緒にしてあげよう」


り「え、訓練?」


騎「ん?聞いてないのか?今日から魔法スキルを持つ者は魔法の、戦闘スキルを持つ者はそれに合った訓練を、その他の者は基本的に剣術の訓練だ」


マジかよ。今すぐにスキルの有用性を伝えないと地獄の訓練が待っていそうだ。


「すみません騎士様、俺のスキルは有用性が見込める能力を持っているので、ご再考できませんか?」


「む…それは私の管轄外だが、一応話を伝えておこう」


「ありがとうございます!」


「ただし、もしサボるための口実だったら訓練の負荷を倍以上に高めるからな?嘘じゃないことを祈るよ」


わぁこわ~い。

顔は笑顔だが、目が笑っていない。本気だろうな……。ま、嘘じゃないから良いかな。


「はい!大丈夫です!」


「……フ、そうか。なら少し誇張して伝えておくから頑張ってくれよ。」


「え、いや普通に伝えて貰っても…」


「いや!それは無理な願いだな!ハッハッハ!」


「え、ま、ちょ」


足めっちゃはえ~。大丈夫だと思うけど、それでも怖いな。


「九雲人、大丈夫か?」


「心配してくれるのか?俺は大丈夫だよ。ちゃんと良いスキルを持ってるからな」


「へーなんてスキル?」


「んー秘密だ」


「えー教えてくれてもいいじゃん」


「いや、伝えるべきじゃないな。燐之助も伝える相手には注意しとけよ?ステータスは完全個人情報だ。自分の切り札なんかを人に教えるのは危ないだろう。


警察官が満員電車の中でポケットからはみ出すように拳銃入れてたら、簡単に奪われちまうだろ?」


「おお、分かりやすいような分かりにくいような?」


「そうだな…、友達に自分の通帳にはいから入ってて部屋のどこどこにあるんだ!って自慢してたら、その友達は自慢してるってことは他の人にも伝えてるんだって、他の人に話してしまうかもしれない。伝わったか?」


「ああ、完全に理解したよ。」


「それは良かった」


「おい君がクート君だな?」


知らない騎士がやってきた。


「はい、そうですが?」


「姫様がお呼びだ。価値が知りたいと。私に付いて来い」


するとすぐに後ろに歩きだしてしまった。


「わかりました!」


そうして、騎士の後ろを付いて歩いた。

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