第13話 最初に作ったスキルはちょー正解!

そして勉強の時間だ。文字や言葉については、転移してきた際に身体ごと変化しており、問題無いとのこと。


知らんやつが「なんで今教えるんですかー?」と国に用意された教師に聞いていたが「転移してきていきなりそのようなことを言われて完璧に理解出来ますか?」と、正論パンチを食らっていた。


授業を受ける召喚者は年齢関係なしだった。俺の左隣には後輩が、右隣には用務員のおじさんが。適当に選んだんだな~ってのがよくわかる。……いや、計画的に別けた可能性があるな。


今授業を受けている生徒教師たちはほとんど面識が無い人物ばかりだ。同じクラスの人物がいない。ほとんど違うクラスの人物だ。それぞれ面識が無いように編成されている可能性があるな。


もし本当だった場合、計画したのはあの王女様になるかな?あの人は俺と同じように猫被っている感じがした。あの人は要注意人物リストに追加だな。この世界で二人目の要注意リスト追加だ。


ちなみに一人目は王女の近衛騎士のリミン・マスモルプとかいう人だ。王女に絶対の忠誠を。そこに裏付けされた実力、すぐに動く行動力が加わり、厄介さが際立っている。接触は最低限にしないとな。


さて、今は授業の時間だ。

文学系と数学系は余裕だった。文字や言葉遣いはこの世界に来たときに全て解決しているようだからな。計算はただの四則計算だった。日本に住んでいたら基本全員が出来るだろう。


地理も余裕だった。一目見て覚えた。結構細かい国が多かったのと、王国は人間の国の中では3番目の大きさだった。大きさだけで国力が決まるとは言えないが。


問題は歴史だ。そこまで興味のない国の歴史を覚えるのはめんどうで、後で図書館か何処かで本でも借りようと思って寝てたら、机にムチが飛んできた。


「粟瀬君、ここの答えは?」


「あ、えっと…1453年?」


「………正解です。次は起きていてくださいね」


あれ?当たった?俺そんなの知らないのに…いや、まさか……もしかしてスキル『正解』ってこういうところで無意識に発動するのか?


これは…もっとスキルを手に入れないとね。もちろん有用なスキルだけだけど。

その後も教師に何度も寝ていないかの確認の目を付けられた為に呼ばれたが全て当てずっぽうで当たった。


なんだよ「聖ツナバルサの聖人の名前は?」って。スラスラと「聖リング・ホウィ卿」と答えた俺が言う事じゃないけどさ。先生も目を見開いてたね。まだ教えてないのに…とか小声で聞こえたし。


この国の、いやこの世界の一般常識から教えてくれれば良いのにな。なんでこの国の歴史何かを勉強しなければ行かないんだ。それに絶対とは言えないが、露骨な脚色や贔屓ひいきが混じっているように感じる。


自分たちに都合のいい歴史を教えて、俺たちを都合のいい駒にするための布石にしか思えない。違和感を覚える生徒教師は多いだろうな。日本の人間の洗脳教育には到底敵わないがな。所詮、犯罪者の国のだというのに。多数でも少数でも誘拐なのは変わらない。


ただただこの国の教育の杜撰ずさんさと、スキルの有用性を理解した1日だった。

そして夜になり…スキル検証の時間だ!

これまでスキル『組換』で『せいかい』を組み換えていたけど、他のスキルも組み換えれるかの検証だ!





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