第5話 本番に弱い?

 小学校3年の頃だったか、すぐ近所に住む同い年の子と一緒にそろばんの塾に通うこととなりました。


 近所の子がそろばんの塾に通うとなると、親同士仲も良いし、親同士にもそれなりにライバル心もあるため、小生にはそろばんの塾に通う意志など全く無いにもかかわらず、当然こちらにもお鉢が回ってきた訳ですね。


 そう言えば幼稚園か小学校1年生の頃に少しの期間だけ通った、絵の教室の時もそうだったな~と思い出しました。


 書道の教室は、近所の子も通いたくなかったのか、不思議と通わなくて済みましたから、やはり親同士のライバル心なんでしょうね。


 しかし、ここで左利きの弊害が出てしまい、一生懸命右手右指で練習をするのですが、近所の子の様には中々そろばんが上達しません。


 気が付けば、近所の子や同年の子達が、どんどん合格して一つ上の級になっていくのですが、小生だけが上達せずの完全な一人負け状態でしたよ。


 4級までは、そろばんの塾内での試験でしたが、3級からは他所に珠算検定試験を受けに行く(小生の住む市では2駅先の小学校が全珠連で、同じく2駅先の商業高校が日商の珠算検定試験会場、会場が違うのは珠算検定試験の実施団体が違うため)ため、近所の子達は珠算検定試験を受けに行くのに、一人だけ珠算検定試験を受けに行けないので、中々に悪目立ちしてしまいカッコ悪かったですね。


 それでも練習の成果か右手右指が上手く使えるようになり、近所の子から6か月ほど遅れて、やっと3級の珠算検定試験を受けに行けることとなりました。


 その頃には、当然近所の子は既に3級は合格してしまい、2級の練習をしていましたけどね。


 ところが小生は本番に弱い?のか珠算検定試験を全珠連・日商のどちらをも何回受けても試験に受からない。


 結構ルーズと言うかズボラな性格だと思っていたのですが、かなりのあがり症であるためかプレッシャーに弱いのか、イザ本番になると試験に受からない。


 そろばんの塾では、無理をお願いして2級の練習もさせてもらい、練習では2級でもなんとか合格できるレベルに達しているのに、なぜか外部に試験を受けに行く3級の試験は10回目もやはり受からない。


 不合格になる度に、近所の子や周囲の子達にも「また落ちたの~?」と散々笑われ馬鹿にされ、親にも呆れられたものです。


 結局3級の珠算検定試験にやっと合格したのは11回目の試験でした。


 不思議なもので3級は10回も不合格だったのに、なぜか2級は次の試験日にあっさりと合格してしまったので、ホント訳が分かりませんよね。


 色々と悔しい思いはしましたが、既に2級に合格していた近所の子にも、やっと級が追いつきましたから、本当に嬉しかったと記憶しています。


 ま~ここで小生は2級に合格したこと、近所の子と同じ2級に追いついたことで十分満足してしまい、1級には全く挑戦すること無く、そろばんの塾に通うのをあっさり辞めてしまいましたっけ。

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