身請け
七菜は困惑していた。いくらなんでも、今会ったばかりの自分より倍以上上の人に身請けなどできない。しかし、花車の反応は違った。
「七菜、身請けを受けないなんて言うんじゃないよ。あのガイジン、あんたに5千両出すと言うじゃないか。必ず受けるんだよ。」
七菜に決定権などなかった。七菜はレオ・ロベールのところに身請けされることとなった。
七菜の身請けの日が来た。七菜は晴れ着に着替えて下へ降りて行った。そこにはレオ・ロベールとその妻のような女性が待っていた。確か吉原は遊女以外女人禁制である。七菜はそこまでする郭の対応に驚いた。七菜が近づいていくと真っ先に女性が話しかけた。
「七菜、わたしが来たのはレオがあなたを安心させたいと言ったからよ。レオはあなたを娘のように育てたいと思っているの。」
そして、女性は優しく七菜を抱きしめた。
七菜は8年後やっと吉原から出ることができたのだった。
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