第28話 テストプレイをしよう~狂王女殿下と~
「
アーガイン王城の中庭、ロベルタ狂王女殿下はスペクトに向けて言い放った。
「
「足りぬ。ゴブリン砦の
テーブルを挟んで向かい側に座る狂王女殿下は断固たる態度だった。
確かに、本案件『
施策が無事開始されるまで一瞬たりとも気を抜けないという気持ちはわかる。
「なので、我自ら
いや、わからない。
え?
思わずクヴィラ侍女長を見やる。
こくりと頷くクヴィラ侍女長。
どうやら侍女長了承済みらしい。
「どこを見ておる?」
グリッ!
テーブルの向こう側からロベルタ狂王女殿下の両の
「ひっ!!」
私の脳裏に、いつぞやの恐怖が蘇る。
前回不評だった
なにせ相手は
いや、私の
今は
狂王女殿下のお気に召さないようであれば、施策延期か、最悪中止もあり得る。
狂王女殿下が私の頭から手を放してくれないので、やむなくそのまま会話を続行する。
「
ギリッ!
狂王女殿下と呼んだ瞬間に、私の頭を掴む
返答を誤れば、私はこのまま首をもがれ、狂王女殿下の部屋を飾る
そんな気がする。
仕切り直しだ。
堂々とした態度を取るんだ。
私は自分に言い聞かせる。
眼鏡の位置を直し、自信あり気な態度を装う。
「
狂王女殿下を真っ直ぐ見据える。
狂王女殿下の腕に私の頭ががっちりロックされたままなので、そうするしかないが。
恐れるな、怖くない、狂王女殿下は怖くない……。
「……ですので、
……しばしの沈黙。
「フム……一理あるな」
よし、乗り切れた!
「それでは、この件は一度持ち帰って検討をさせていただきます」
急ぎ、迷宮運営管理部に戻り、
「では、その
しかし、ロベルタ狂王女殿下は逃さなかった。
……スペクトの頭を掴んだ《ホールドした》まま。
あれ?
すぐに持ち帰って検討させていただくつもりだったのに……。
「長くなりそうだな。クヴィラ、新しい茶をもて……」
どうやら、すぐには帰れそうもない。
「いや待て、スペクト殿の晩餐と寝所の用意もしておけ!!」
帰す気すらないようだ……。
「かしこまりました。湯浴みと着替えの手配も整えておきます」
クヴィラ侍女長が席を外す。
この
そしていい加減、私の頭からその
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