第23話 もといロベルタ・リル・ナイム・アーガイン狂王女殿下
メキメキメキメキメキメキメキメキ……。
ロベルタ・リル・ナイム・アーガイン狂王女殿下の
嗚呼……
「冒険者になるって言ったわよね? 魔王を倒してくれるって約束したわよね? なのにどうしてそちら側にいるのかしら!?」
ガックンガックンガックンガックン。
宙吊りのまま揺さぶられて、我に返る。
早く釈明しなければ、命にかかわる!
「これは……その……適性のある職場と希望の職種を追求した結果で……」
「望んでそちら側に就いた、と?」
ギリギリギリギリギリ……。
あれでも最大パワーじゃなかったのか!?
「わわっ! どうしたの狂王女ちゃん? スペクト君を離してあげて!!」
魔王様が私の下半身にしがみつく。
「そして、なぜ魔王ダーナ・ウェルとそんなにも親しげにしているのかしら!?」
言いがかりである。
「魔王様とは、仕事上の付き合いしかなく。適切な距離を心がけておりまして……」
「スペクト君、は~な~し~て~」
「そ~! れ~! が~! 適切な距離かぁぁぁ!!?」
私の身体が上下に引っ張られる。
狂王女殿下の
さらに下半身にしがみついた魔王様による
「殿下、殺してしまっては元も子もありませんよ」
間一髪、クヴィラ侍女長から制止の言葉がかかり、私は処刑を免れた。
「ム……それもそうか」
殺すよりひどい目に合わせる気なのだろうか。
「失礼した。少々議論に熱が入ってしまったようだ」
議論だっただろうか……?
どちらかといえば、
試合……もとい会合を仕切り直し、再び魔王様と狂王女殿下がテーブルにつく。
私も正体がばれた以上、顔を隠す必要はなくなったので、
仕方なく、そのままの格好で魔王様の傍らに立つ。
「ゴブリン砦とそれにまつわる王家の
狂王女殿下が吊り上がった目で、じっと見つめる。
魔王様を……ではなく私を。
そんなにも恨まれてしまったのだろうか?
「いいだろう、受けて立つ!……ただし……」
狂王女殿下が笑みを浮かべる。
「やるからには全力で行かせてもらおう! 覚えておけ!!」
悪魔すら戦慄させる凄惨な笑みだった。
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