第21話 介護プレイみたいな看病をするエルフ
献身的に世話をしてくれるエルナトだったが献身の度が過ぎているように思える。
看病の域を超えているのだ。俺が雇用主でエルナトはプロ意識を持った奴隷――そこまで言っても言い過ぎではないほどにエルナトは尽くしてくれる。
何を食べるにもエルナトは自分の手でやりたがる。最初は口移しを提案されてしばらくはごねられたが、さすがにお断りさせてもらった。童貞だから。
ポーションの口移しだけでもいっぱいいっぱいだったのだ。食事を口移しで済まそうものならば、終わるころには連続絶頂してテクノブレイクしているに違いないと恐怖した。死因がキスで絶頂死は洒落にもならない。せめて挿入して殺してほしい。俺が入れる方な。
細かくちぎられた赤い実のドライフルーツと、歯触りが優しく水分の多いスイカのような小ぶりな果物。最後は果汁を搾った酸味のあるジュースを用意してくれて、その一つ一つをエルナトが食べさせようとする。俺が自分でとろうとすると、「めっ、だよ」と、困り眉で微笑まれてしまい、目隠しをされたニワトリのように途端動けなくなる。
味などほとんど覚えていない。甘いか、酸っぱいか、おっぱいかしかなかった。
前世を含めてもエルナト以上の美貌を持った女性を見たことはなく、それだけでも緊張する要因だというのに、そんな女性に胸を押し付けられ「口を開けられるかなー? はいよくできましたー。いい子だねぇ」などと母性全開で甘えさせられてしまえば、童貞の脳内は美女のおっぱいに占拠されて味に対してなど一割のリソースもさけない決まっている。
さっきまでは照れ照れに照れて赤エルフになっていたというのに、俺の介護に集中し意識を切り替えた途端余裕を取り戻して積極的にママ味を溢れさせてくる。切り替えが上手いタイプなのだろう。自制心が強いともいえるのか。
一方俺は、何をされてもママエルフの体に意識が向いてしまう。オギャらせにきているとしか思えず、バブらせるためにひっついているとしか解釈できない。果汁なんかより搾りたてのエルフ汁がすすりたい――そう心の中の大人な赤ちゃんが叫んでいる。
☆
食事が終わってしばらく談笑した。
エルナトは自分の知らない言葉や、見たことのない世界の話を聞きたがり怒涛の質問攻めを繰り返す。女性に攻められていやがる男などいはしない。男ならどんな攻めでも受け入れて、そこで度量が見えてくるもの。俺は嬉々としてエルナトの質問攻めを受け入れて一つ一つ丁寧に答えた。ついでになんとか卑猥な話題にシフトチェンジできないかと思考を巡らし悪戦苦闘していた。
どれぐらい話したか覚えていない。エルナトの美声はいつまでも聞いていられる極上のヒーリングボイス、波音と同等かそれ以上のリラックスミュージック。ノーハンドで抜けるASMRだったため、癒されていやらしい気持ちにされて時間の感覚がバグってしまっている。
平時の声は発音が美しく落ち着きを与えてくれて。驚いたときの高音が睾丸に刺さり。からかったときの低音は前立腺を打つ。笑い声は愛棒をメトロノームのように揺らし。悲しげな調子の声は慰み者にして慰めたくなってくる。まるで生きるポルノ音楽だ。
もし彼女を楽譜にできたなら、コンサート会場は噴かれた潮と射精で津波が起きるだろう。それほどまでに人を狂わせて乱れさせる色香がある。
幸いなことに現在の体は六歳児。オスの本能を刺激されて惑わされることはあっても、流されるまではいかず美しさの理由と理屈を冷静に分析する余裕がある。仕組みがわかれば心構えができる。心構えがあれば我慢が出来るというもの。
出逢ったのがあと十年遅ければ俺は性犯罪者になっていただろう。この場で
子供だからと安心はできない。幼く小さい体に性的な刺激は逆に毒である。園児が保育士に懐くのとはわけが違う。無理やりに生殖本能を刺激され、強引に成長させられているような違和感。性の成長痛とでも言えば、愛棒が音をだし自らの意思で育とうとしているのがわかるのだ。
もしこの先も彼女と行動を共にするならば、体が成熟する前にエルナトの美しさに慣れておく必要がありそうだ。でなければ取り返しのつかないことをしでかしてしまう。エルナトに慣れるのが先か、舐めるのが先か。そういう競争になる。無論、一度舐めたらその先まで突っ走るだろう。
「ユノの話って面白いねー。本で読むよりも刺激的で、頭の中までしびれる感じがする」
「頭の中までって。他にどこかしびれてるの?」
いらんことを言った自覚はある。これはヤバいのが来る。
「うーんとね、胸のこのへんとかがギュってなるよ。わかる?」
ほらきた。
エルナトは俺の腕を掴んで無造作に胸を触らせる。
彼女はこういうことを平気でする。当たり前だが倫理観など育っておらず。人の常識など知るはずもない。美女でありながら男の生殖本能など勘定に入れていないし、危機感が欠落している。自身に迫るであろう危険を認識していないのだ。
「へぁっ!!」
下着のない生の感触。力を込めて肉に指を食いこませようとする本能と、そうはさせまいとする理性がせめぎ合い、すんでのところで腕を胸から引き離した。勢いよく振り回した腕がたまたまぴょんぴょん跳ねていた
心の中で殴ってしまったことを
「いえ、気持ちよかったんです……」
おっぱいを触ったのも
「うん?」
「や、男はね、女の子の胸を触るのがとても好きでとても気持ちよくなれてしまうんです」
「そうなの? じゃあもっと触る?」
「いいの!? ……いや、触らない。そういうのはいけないことだから」
「お互い気持ちいいのに?」
「…………」
こういう危うい発言が理性という名の砂山を削って本能という名の棒を倒そうとしてくるんだ。
心底不思議そうな顔で首をかしげたかと思えば、なにか思いついたのか薄目になって微笑む。エロゲーのスチル絵かな?
「わかった。それがさっきユノが言っていた人族の倫理観とか常識ってやつなんでしょ? どうかな? あってる?」
「その通りです。さすがエルナトお姉さん。あんな曖昧な説明でよく理解できました」
わかったうえでそのエロい微笑み、エロ笑みをした理由はなんだ。
「やったねー」
六歳の男児に倫理観を習う美女エルフ。ベッドの上で歳の差のある男女がする会話ではない。成人誌ならばいつ間違いが起こってもおかしくない状況である。
恩に着るぜ
「にゅう!」
「ふふっ……なんだそれ」
「それにしてもたくさんお喋りしたねー。喋りすぎてお腹空いてきちゃったや。ユノはどう? お腹空いてないの?」
「言われてみれば結構すいてきたかも。どれぐらい時間がたったのかな? 食べたばかりだと思ってたんだけど」
「食べた物を魔力に変換したとかかな? 話してると急にユノの魔力が増えることがあったんだ。今だって、ほらすごい……起きた時とは比べものにならないぐらい多いや。これほとんど溢れちゃってる?」
精液検定されてるみたいでそこはかとなくシコい。
「魔力については本当に無知だからどう答えていいか」
妖艶な仕草をされるたびに性欲が溢れそうになるのは確かだ。お前がそうやってセクシャルハラスメントを仕掛けてくるならこちらだって孕スメントしてやってもいいんだぞ。
「そういえば魔力の扱いかたからわからないんだっけか。そしたらさ、食べ物を獲りに行くついでに魔力の操作も教えようか?」
「いいの? いいならお願いしてもいいかな。魔力の操作を教えてもらえるなんてとても面白そうだし」
「面白い? ユノも私みたいに新しいことに挑戦したり覚えたりするのが好きなんだ? やっぱり知るのって面白いよね!?」
だからそうやってグイッと寄ってくるところがマタニティなんだよ。やってることがオタクに優しいギャルなんだよ。童貞に優しくてグイグイくるとか好意を持たない方が無理な話なんだよ。アリーシャにもその手で落とされたんだよ俺は。
そんなに新しいことに挑戦したり覚えたりするのが好きなら、そのすべてをベッドの上で満たして差し上げようか。子宮が膨れる感覚を教えてやるよ。
「そ、そうだね。エルナトほど探求心があるかと言われたら気後れしちゃうけど、知識欲は人並みにある方だと思うよ」
特に性知識に関してはこの世界で比肩する者などないほど飢えている。今はエルフの下半身にある洞窟の温度と湿度と膣度がすごい気になる。
「知識欲か。言い言葉だね。気が合うってこういう感じなのかなー。欲求不満が解消されていく感じがするね」
俺は欲求不満がリニア新幹線並みのスピードで溜まっていってるよ。エルナトンネルに突っ込みたい。
「じゃあさ、もっと二人の知識欲を満たすために――」
セックスだな?
性知識欲を満たして欲求を発散するためのたった一つの冴えた
「――手始めにドラゴンを狩ろう」
俺の股間のってことだよね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます