第2話 鉄血の追撃
「危険だ、ここから離れないと!」
驚いた青年はミヤビの言葉に戸惑いながらも、彼女の瞳に映る真剣な表情を見て無言で同意の意を示した。二人は急いでその場を離れ、近くの路地裏に身を隠した。だがその瞬間、空気に違和感を感じた。
急に静まり返った空気が2人の周囲に緊張を強いた。やがてその静けさは、遠くで聞こえる騒音に破られた。その騒音が徐々に近づき、空を覆うようにして飛行機が現れた。その巨大な姿が彼らの頭上を覆うやいなや、パラシュートで降り立つ2人の戦闘員が目の前に現れた。
彼らの顔には冷徹な表情が浮かび、アイグラスで一部覆われた眼は機械的な冷たさを湛えていた。彼らの身には黒ずくめの装備が施されており、その中には最新式の武器も搭載されていた。
「私をしつこくつけ狙う
ヴァンロードたちがミヤビたちに迫る中、青年は彼女の前に立ちはだかり、ヴァンロードたちに向かって手を振りながら語りかけた。
「あんたたちも人間なんだろ?だったら戦う必要はない。話し合うこともできるはずだ。」
彼の言葉に対して、赤髪のヴァンロードはアイグラス越しから青年を冷たく見据え、攻撃の構えを崩さなかった。一方で、高身長のヴァンロードは青年の言葉を静かに受け入れるように見えた。彼のシルバーグレーのスーツが彼の筋肉質な体を包み、穏やかな態度が目立った。
そして、ミヤビは青年と何らかの運命的な関わりがあることを直感が働き、熱い視線を彼に向けた。その瞬間、周囲の空気が一変し、何かが起こる予感が胸に迫ってきた。
突如として、どこからともなく発射した、短くて太い針が先端に取り付けられた特殊な矢が彼女の方へ飛んできた。青年はすぐに彼女の腕を掴み、自身の体を盾にしてミヤビを守った。矢は青年の身体をかすめ、逸れて行った。
「大丈夫ですか?」
彼の声には、慌てることなく、冷静さが混ざっていた。ミヤビは彼に感謝の意を示し、驚きながらも「ありがとうございます」と答えた。彼女は彼と目が合い、その瞬間、二人の間には予期せぬ状況での信頼感が生まれたように感じられた。
「見覚えのない顔だな… お前の目的はなんだ?なぜ、古代魔法を操る悪魔族の女を
褐色の肌に映える短く刈り上げた黒髪の高身長のヴァンロードが冷ややかな声で問い詰めた。
青年はその問いに対して微笑みながら、さりげなく肩をすくめた。
「じゃあ、気まぐれに彼女の後を追いかける俺も、その悪魔族とやらの一味ということだな。」
彼の深いブルーの瞳は謎めいた光を宿しながら、ミヤビを探るように見つめていた。
※ 注釈
兵士たちは通常、人間の戦闘員と同等以上の能力を持ち、高速で反応し、精密な射撃や戦闘技術を駆使して敵に対抗します。また、最新のセンサーや装備を搭載しており、様々な状況に適応できるよう設計されています。
さらに、ヴァンロードは長時間の戦闘や作戦行動に耐えるために、高い耐久性やエネルギー効率を持っています。これにより、戦場での持久力や生存性が向上し、戦略的な価値を高めています。
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