第12話 二回生で起こった特大イベント

激動の一年が幕を閉じた。

新聞部もいい調子で、僕たちの評価はとても上がっている。


先生や生徒に認知され始めている。


二回生に上がると、選択科目になるので、新吾くんとゆーちゃんと会わない日が生まれる。

Rainでみんなの選んだ科目の話もしていた。


先生と仲良くなったことで、知り合いの人にアルバイトを紹介してもらった。

記者になるために、実際働いている人と話せるのは、いい経験になった。


三人でお世話になることが多かった。


授業の都合で、参加出来ない日もありましたが、基本みんなでアルバイトをさせて頂いた。


現場の感覚もつかめるようになったのは、今後活きていくだろうと先生も言っていた。

三人で話している時、もっと人に見てもらうためにはどうするのか?など、自分たちの活動を大きくするためにどうするのか、意見を出し合ったりもした。


授業が終わって、午後からは暇だなと思っていた時、ゆーちゃんが声をかけてきた。


光くんは、午後から授業ってある?


いや、今日は午後から暇だよ。


ならさ、ちょっと付き合ってほしいところが、あるんやけどいい?


いいよ。


よっしゃ!!!


二人で一駅先のパン屋に行った。


ここが来たかったところ?


そう!

このパン屋すごいんやで、パンも美味しいんやけど、お菓子も売ってんねんで。


菓子パンじゃなくて?


菓子パンもやけど、普通にモンブランとかあんねん。


ちょっと甘いもの多めになってまうけど、美味しいから一緒にどうかなって。


いいね。

ちょうどお腹も空いていたから、ここで食べていこう。


そして、店内に入ると店長がゆーちゃんに話しかけてきた。

いらっしゃい!!

今日は、また珍しい!男の子となんてな。

ゆっくりしてってな。


おっちゃんはいつも元気やな。

いつものやつお願いと言っていた。


さすがゆーちゃん、コミュ力が高いな。


そして、アルバイトの人が運んできてくれた。


クロワッサンとチョコデニッシュとカステラだった。

どれも美味しそうだ。


勝手に選んでもうてごめんな。


いいよ。

せっかくなら、おすすめ貰っておいたほうがいいし。

次来た時は、自分で選ぶから大丈夫だよ。


ゆーちゃんも美味しそうに食べていた。


ごちそうさまでした。


二人共食べ終わった頃、店長さんがサービスですと言って、カフェオレを持ってきてくれた。


ありがとうございます。


いいよいいよ。


店長も優しい人だな。

それと、とても話しやすい人だ。


カフェオレを飲みながら、ゆーちゃんが話しかけてきた。


このお店を記事で紹介したいの。


うん。

いいと思うよ。


そこでなんやけど、一緒に取材付き合ってもらえへん?


あぁ今週の土曜日なら、空いてるからその日なら大丈夫。


よし、おっちゃんに確認してくるわ。

そして、確認してきたところ、1時間半くらいなら時間を作ってもらえるそう。


じゃあ決まりだね。

土曜日15時ここ集合で。


当日までに、必要なものを用意しておこう。

僕も取材は、一回しかしたことが無いから、緊張してしまう。

聞いたことを、正しく記事にしないと行けないので、間違った情報を与えるわけには行かない。

経験値を貯めるいい機会だと思って、ゆーちゃんに感謝しておこう。


そして、土曜日15時。


今日は、時間を取っていただきありがとうございます。


この日ばかりは、ゆーちゃんも記者の顔をしている。

普段は、お客さんとして来てるけど、やっぱり取材するときは、いつもと同じではいられないよな。


おっちゃんも、しっかりこちらの質問に答えてくれて。

時間通りに終わった。


貴重なお時間を、ありがとうございました。


今回の記事は、でき次第こちらにも見せに来ます。


疲れた。

ゆーちゃんも席でぐったりしていた。


お疲れ様。

ありがとう光くん。


取材ってやっぱり緊張するよね。


聞きたいことはまとめてきてるけど、相手の話をメモするのがやっぱり苦手だ。

あぁもっと時間がほしい。

でも、私も書きたいことが決まってるから、おっちゃんのお店のこと、しっかり宣伝するよ。


なにか手伝うことがあったら、また声かけて時間がある時は手伝うから。


ありがとう光くん。


二人共疲れただろう。

なにか食べていくか?


ありがとうございます。


では、かつサンドとカフェオレ貰えますか。

私は、モンブランと牛乳お願い。


二人で記事の内容を考えながら食事を終えた。


今日は、付き合ってくれてありがとう光くん。


どういたしまして。


また困ったら連絡する。

明日から、頑張っていい記事に仕上げるぞ!!


ゆーちゃんならできるよ、頑張って。


後日、ゆーちゃんの書いた記事は、先生たちにも好評でおっちゃんのお店は、客が増えたらしい。


僕も記事を読んだが、まとめ方が非常に上手だと思った。


最近、新吾くんの調子はどうなのか、三人で話している時に聞いてみた。


新吾くんは、調子どんな感じ?


ちょっとお店探しに詰まってて、新しい記事が書けてないんだ。

新聞部の活動が出来てないから、悪いなとは思っている。


いやいや、それは気にしなくてもいいと思うよ。

先生も特に何も言ってないから。


でも、課題は問題なく提出出来てるから、成績の方は問題ないぜ。


それだけでも聞けてよかった。


そうやって話していると、先生が声をかけてきた。

光司くんちょっといいかな。


はい。

大丈夫です。


話なんだけど、今アルバイトに行ってもらってる会社とは別で、アルバイトをしないかい。

最近、友達と飲み会をしていてね、その時君の働きぶりを話してたんだ。

そしたら、うちでもアルバイトしてみないか、という話が出たんだ。


二人には継続して、今のアルバイト先に行ってもらって、君には新しいところで働いてもらいたいんだ。


別に強制じゃないから、選んでもらって大丈夫。


今日中じゃなくてもいいから、なるべく早めに返事はほしいな。

急にこんな話をしてごめんね。


でも、この新たな経験も君を成長させてくれると思うよ。


それじゃあ、またね。


お疲れ様です。


二人のもとに戻った。

おかえり、なんの話だったの?


新しいアルバイトをしてみないかって言われて。


今のところ辞めるってこと?


そうみたい。

それで、僕に経験してもらいたい仕事らしいんだ。


俺らには、声がかからなかったんだな。

新吾とゆーちゃんは、すこし寂しそうだった。


僕は、せっかくなら新しいことを、どんどん吸収していきたいと思うから、次のアルバイト先に行こうと思う。


二人共がんばってと言ってくれた。


三人でこのまま、いまのアルバイトを続けてもいいと思うけど、学生の間に積める経験は多い方がいい、そう思ったので先生にアルバイトを変える話をした。


新しいアルバイト初日。


本日からお世話になります。光司です。

よろしくお願いいたします。


挨拶をして、早速先輩から説明を受けた。


今回の目標は、先輩のサポートで雑誌のコーナーを1つ作る。


自分の記事が、雑誌の1コーナーになるなんて、これまでに無い仕事だ。

それを任してもらえるということは、これが先生の言っていた、新しい経験なんだと思った。


先輩たちの中には、同じ学校を卒業している人もいた。


授業の話や、先生の話で盛り上がった。


こうして、アルバイト先にも慣れていった。


二人と会う日が、更に少なくなってしまったが、Rainで話しているので寂しさは無い。


新吾くんもゆーちゃんも、アルバイトと新聞部の仕事をしっかりやってくれるから、僕も負けないように頑張れる。

お互いに切磋琢磨できている。


二回生になったことで、応用的な授業が増えてきたが、特に問題なく単位を取得できた。

ここで、就活する上でたくさんの実績を作ることが出来た。


先生や友達、アルバイト先の方々に感謝しながら、今日も頑張っています。


三回生になり、就活が始まる。

そして、三人の関係にも変化が訪れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る