第11話 専門学校で作る新聞部

僕は、将来雑誌記者になるため、専門学校へ進学した。


高校の友達はみんな地元を離れたから、簡単に会うことはできなくなったな。

僕は、ここで勉強して、東京へ行くんだ。


この日のために新しいカバンを用意した。

しっかりお守りを装着している。


またこの時が来てしまったな。

自己紹介というイベント。

これだけは何回やっても慣れないな。


でも、今回ばかりはなぜか緊張せずに話すことが出来た。


一回生はカリキュラムが固定なので、必須科目の教科書を購入しに行った。

その時同じクラスの「新吾くん」が、先にいることに気づいた。

隣には、知らない女性がいた。


僕に気づいた新吾くんが近づいてきた。


お~い!

光司くんもこのタイミングで来たのか。


うん。

先生が早めがいいって言ってたからね。


確かにそんなこと言ってたな。

ん?どした?

あ、こいつは「優美」、同じ学校から来てるんだ。


初めまして!!

うちは「優美」。

ゆーちゃんって呼んでや!!


優美さん。


ゆーちゃんやて!!!


ゆ、ゆーちゃん。


うん。

よろしくね。


この感じ、るりさんにそっくりだな。

元気でガツガツ言ってくる感じ。


二人と話して教科書を買った。


ゆーちゃんが振り返って言った。新(新吾)と光(光司)くんは、これから暇?


新吾くんは、新って呼ばてるんだ。

そして、僕は光。

悪くないね。


うん。僕は暇だよ。


新吾くんも暇だと言った。


ならさ、光くんここら辺案内してくれへん?


新吾くんもいいねそれ!と元気に言っていた。


いいよ。まぁでもここら辺は完璧にわかるわけじゃないけど。


それじゃあレッツゴー!!


街を散策しながら雑談していた。

二人は大阪から来たことと、二人共一人暮らしをしていることを話してくれた。

タコパは任せておけとも言っていた。


初日から友達が出来たのは運が良かったな。


三人でゲーセンやショッピングをしてから解散した。


帰ってから、今日買った教科書を整理して、明日から始まる授業の準備をした。

新たな友達「新吾くん」「ゆーちゃん」、この二人といる時間は多くなりそうだな。


本格的に学校が始まって、帰り際に玄関先で部活勧誘が行われていた。


僕は二人に聞いた。

二人はなにか部活入る予定なの?


いや?

俺も入る予定無いな。


二人とも部活に興味はなさそうだ。


ならさ、僕たち三人で部活作るのはどう?


ゆーちゃんは楽しそうと言ってくれた。

新吾くんもこのメンバーなら面白そうやなと言ってくれた。


こうして三人で新聞部を設立した。


近くのお店の紹介をしたり、仲良くなった先生の話を聞いたりして、記事を広めていった。

印刷するのは面倒なので、学校のHPにちょこっと掲載してもらえないかと、相談したらOKをもらえた。


ゆーちゃんは、スイーツが好きでよくお菓子屋へ行ってるらしい。

そのお店を宣伝したりしている。


新吾くんは、学校近くの弁当屋に詳しいので、コスパのいいお店を紹介している。


僕は、観光スポットを探して紹介している。

ネットに載ってないものを探して、自分オリジナルの場所を紹介している。


思ったより閲覧数は多いらしい。

先生からも好評だと教えてもらった。


顧問の先生も優しくて、記事にするとき真っ先に読ませてくれと言ってくる。


新聞部は僕たちの自己満足のためにやってるので、特段大きくする気持ちはなかった。

だが、学校内で密かに話題になっていた。


将来みんな記者になりたいと考えているから、このときから人に見られる記事を書く練習をしている。


本格的に実習で企業様に訪問することもあった。


その企業様の紹介をすることもあった。

授業とはいえ、実際の企業へ行くのは緊張した。

マナー講習もあったが、緊張してると頭から抜けることがあった。


初めての経験ばかりした一回生だった。


課題や部活動も順調に行っていた。


一回生の単位は全部取得できた。

新吾くん、ゆーちゃんもしっかり単位を落とすこと無く、過ごせたようだ。


無事に二回生へとなりました。

学校生活が楽しいから、あっという間に一年が経ちました。

三年制の専門学校なので、半分が過ぎました。

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