第6話 新入生と体育祭

2年生になり、新たなクラス発表が学校前に、張り出されていた。

僕は、拓也と祐介と登校してきたので、一緒に見ることにした。


まさか、全員同じクラスになってるなんて、びっくりでした。

これは、神様が用意してくれたサプライズ?

2年と3年ではクラス替えが無いので、このまま卒業まで同じクラス確定。


教室に入ると、思ったより人がいた。


僕らも話ながら席順を確認して、僕の席の周りで談笑していた。


そしたら、桜さんとるりさんも到着したようで、これからもよろしくと話した。


新しい担任の先生の挨拶があり、始業式はあっさりと終わった。


翌日からは通常授業なので、新しい教科書などが配られていた。

予想通りだけど、重すぎて持って帰るのが非常にめんどうだ。


みんなも同じようで、文句を言いながら帰った。


翌日、教室に着くと桜さんが先に来ていることに気づいた。


読書をしているようだったので、声をかけるのは止めておいた。

僕の上げた栞を使ってくれているみたいで嬉しかった。


僕も筆箱に貰ったシャーペンは入っている。

使うのが恥ずかしいと思う気持ちと、嬉しい気持ちが混ざっている。


全体集会などがあるときは、1年生を見る機会があるが、初々しさを感じていた。

それでも、授業中とかは下級生を見ることなんて、あんまりないので気になることはなかった。


2年生になっても特に何か変わること無く、普通に授業を受けて帰るだけの日々。


そんなある日、拓也がアルバイトを始めたと言っていた。


回転寿司屋で働き始めたらしい。

そんな話をしていたら、るりさんもアルバイトを始めたよって話していた。


高校生になったらアルバイト可能だから、みんな何かしらやりたくなるんだろうな。

僕は、今のところアルバイトをする気がなかった。


みんな少しずつ変わっていくんだな。


放課後みんなで集まって帰ることは減ったけど、学校で話すから特に寂しくはなかった。


少しずつ変わっていく環境で、2度目の体育祭が到来した。

前回は、拓也と祐介とは敵同士だったけど、今回は味方でみんなでワイワイできる。


各種目立候補と、推薦で決まっていき。

僕は、二人三脚とリレーに出ることになった。


るりさんと、桜さんは玉入れと、借り物競走に出るらしい。


拓也は、障害物競走とリレー。

祐介は、借り物競走と大玉転がし。


みんな自分が出来そうなものを選んでいるのがわかる。


クラス対抗の競技は、綱引きと大縄跳びです。


放課後は、体育祭に向けて練習をしていた。


二人三脚は、頭ではわかっていても、やっぱり二人の息を合わせるのが難しい。

何度も転んだり、転びそうになりながら、なんとかある程度の速度は出るようになってきた。


二人三脚とリレーって、どっちも走る競技だから、めっちゃ疲れる。

でも、運動部に入ってない中で、足は早いほうだから、やりたい人がいないならやるしか無いなってことで、立候補した。


拓也とは、出る競技が被っていたので、どんな感じか話を聞けたけど、他のみんなは全くわからなかった。


当日、非常に日差しの強い日で、熱中症に気をつけながら全力で体育祭に望んでいた。


借り物競争で、おもむろに1年生がこちらへ来た。

光司先輩!一緒に来てください!


へ?僕?


手を引っ張られて一緒にゴールした。

その1年生はよく見たら、中学の頃たまたま同じゲームが好きで、話を良くしていた人だ。

名前は瞬。


久しぶりに出会ってびっくりしたが、まさか同じ高校に来てるなんてな。


瞬くん久しぶりだね。

光司先輩こそ、お久しぶりです。


1位おめでとう。


ありがとうございます。


またお昼休みにでも話しましょう!

わかった。


そう言って軽く話して分かれた。


クラスのテントに戻ると、拓也や祐介、るりさんも誰か知りたがっていた。

同じ趣味の友達って伝えた。


確かに、拓也や祐介と遊んでいる時は、一緒に遊んでなかったな。


そして、テントに戻ってすぐに、今度は桜さんが僕を呼んできた。


休む暇もなく、一緒にゴールへと向かった。


拓也と祐介は驚いた顔をしていた。


るりさんも同じ時にボールを持ってゴールへ来た。


るりさんも、僕と桜さんを見るなり、冷やかしてきた。

結局何で僕は呼ばれたんだろう?


桜さんは紙を開いてお題を見せてくれた。


そこには、「異性」とだけ書かれていた。


まぁそうだよな。

特段僕じゃなきゃいけない理由は無いよな。


少し落ち込んだ。


るりさんはそれを見てもなお僕をおちょくってきた。


テントに帰ると、拓也と祐介も同じことを聞いてきたので、お題のことを話した。


そうして、ほとんどの競技が終わり、リレーの時が来た。


僕は第2走者だから、すぐに出番は終わってしまうけど、拓也はアンカーになっている。


結果は、2位。

流石に相手が陸上部入りだと、勝ち目がなかった。


それでも、みんなで頑張って総合3位なら、悔いはなかった。


そして、熱中症で倒れる人も出ず、体育祭は幕を閉じた。


先生も含めてみんな喜んでいた。


まさか、瞬くんも同じ高校に来てるなんてびっくりした。

この日連絡先を交換して、後日遊ぶことになった。


お互いに趣味が似ているので、ゲーセンや中古ゲームショップに行ったりして、遊ぶことがあった。


2年生になり、またクリスマスが近づいてきた。

去年は、サプライズみたいにプレゼントを貰ったから、今年はしっかり予定を聞いて思いを伝えよう。

1年経って、だんだんと桜さんのことが好きになっていた。


相手は僕のことどう思っているのかわからないけど、それでも言わずに後悔するくらいなら、言って後悔するほうがマシだ。


早速桜さんには連絡を入れておいた。

その日は空いてるから問題ないと返事が来た。


今年はみんな何かしら変わっていく年になりそうだ。

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