小説を書く方法を学ぶには小説を読まねばならない、というのは、どうしようもなく自明の真理ですね……
小説を書くようになってから15年ほど経ちますが、書きはじめてからは書く方が楽しく充実しているように感じ、商業出版の小説はほぼまったく読んでこなかったので耳が痛いです。
感性に問題があるのか、小説の文章に感銘を受けたことがなく、それゆえ尊敬していたり目標にしていたりする作家も現状皆無なもので、正直どこから手をつければいいやら……という状態ではありますが、それでもどうにか関心を持てる商業小説がどこかにないものか、からまず探す必要がありそうです。
作者からの返信
五色ひいらぎ さま
感性に問題があるというよりは、小説に興味がないのではないですか。
もっと云えば「自分の感性以外を見つめることが嫌い」とか。様々な要因が考えられますね。
尊敬とか目標はいてもいなくともどちらでも良いとは思いますが、感銘を受けたことがないのは驚きです。
小説とは感情を揺さぶることが重要です。感情を揺さぶらなくてはいけません。
ちなみに私は三島由紀夫の「煙草」には感銘を受けましたね。
あれほど自在な日本語を遣うひとを見たことがありません。
これもひとつのお節介になりますね。
またご質問などがありましたらいつでもコメントしてください。
ありがとうございました。
編集済
コメント失礼いたします。
福山様のレビューからまいりました。
ここまで拝読し、大変勉強になりました。
後ほど、ペンとノートを伴って第一話からもう一度じっくり読ませていただきたいと思います。
ありがとうございます。
出版物を読む事は、やはり血肉になるのだと確信できて嬉しくなりました。
私の場合、文章を書いていると、徐々に地の文に狂いや迷いが出はじめます。そうすると『読書が足りていない』と感じ、作家先生の本を読みます。私はそれを『チャージ』と勝手に呼んでいますが、チャージ後は不思議と、自分が求めている言い回しや単語が出て来ます。逆説的に言うと、定期的なチャージが必要なのはそれだけ私の文章が稚拙であることの証明になってしまうわけなのでしょう。
新人賞で拾って頂く未来を掴み取る為にも、研鑽の時間は惜しめないなと痛感しております。
ここまでエッセイを拝読し、私の作品にも編集者目線の評価を頂戴したい! と思ったのですが……私は限定ノートを見れない無料ユーザーでした(泣)。
残念ですが、引き続きエッセイで勉強させて頂きます!
作者からの返信
みかみ さま
レビューから、ありがとうございます。
WEB小説の作品から得られるものは非常に少ないです。好き勝手書いているのですから、内容が希薄になりがちです。
出版物の場合、少なくとも編集者がつきますので、内容が希薄なものが少なくなります。それもジャンルによって様々ですが。
チャージ、いいですね。恐らく読んでいらっしゃる作品の文体や文章を知らず裡に認識し、書きたいと思うのでしょう。いいことですね。
新人賞の倍率は何パーセント、だとかいろいろいわれていますが、大半の小説が小説未満のものになっていますので、実際の数値はもっと高いものになります。
そうなんですよね、無料ユーザーの方には心苦しい思いをさせてしまって申し訳ないです。門戸を広くするとなんとなくで云うかたもいらっしゃるので、こちらの都合で重ねて申し訳ないですが、取捨選択をします。
質問についてはいつでも承っておりますので、気軽にお伝えくださいね。
ありがとうございました。
編集済
趣味で書いていますが、やっぱり読んでドキドキしてもらうものを書けたらなぁと思っています。書籍化(ウェブじゃない方が多いので、私は結局流行りには乗れないんですけど)の文章は本当に読んでいてドキドキします。ただ感想が苦手で、何かわからないけど、とてもドキドキしました!と思いながら、読んだ本に自分が飛び込んで、主人公はこうしたからこうなった、こうしなければ、大丈夫だったんじゃないかなぁとかになってしまいます。
ドキドキ探しで鬱になったこともあり(汗)スプラッタと暴力は極力避けるようになりました。
でも、こんなにドキドキさせるものを書きたいと思ったのは確かです。
こういう感想を送れる相手なら感想の練習兼ねての読みます企画もしなくて良いんですけど。
何年も咀嚼し続けた作家さんもいます。
咀嚼して飲み込むちょっと手前になると、ものすごく書きたくなる、という感じです。吐き出したくなる衝動です。
にーどれす様のこのエッセイを読んでいると、様々なことを今の自分に当てはまられるので、とても面白いです。
比喩の種類調べてみます。小学校レベルの比喩の種類は分かるんですが、無意識にしてることがあるかもです。写経は……やったほうがいいのは分かるんですが、仕事との両立が難しいんですよね。頭と肩がパンクしそうになるので。酷くなると全く眠れなくなって仕事に支障が。でも読んだ後はなんとなく癖が移ってるなぁと。もっとこれを言語化して意識してしましょうということなんだろうなぁ、とも思いました。
自分にできることを少しずつ見つけたいなと思います。
いつも読ませていただきありがとうございます。
小説の方も楽しいです。でも今ちょっと私がにーどれす様の言いたいこと理解してないなぁにぶつかっているところです。
いつもなんとなく、読者目線でのコメントですが、また懲りずに伺いますね。
作者からの返信
深月風花 さま
感想のコツというか、私なりのやり方ですが、精読した作品を大まかに分割し、登場人物の心理的描写や背景などを考察し、文字に書き起こします。様々な可能性を模索し、それを全ての登場人物に対して行います。その後辻褄がある選択肢を選び、再度一から読み直しますね。
咀嚼している裡が華ですね。飲み込むという表現はよくわかりませんが、恐らく頭のなかにその作者の癖や文体が染み込みつつある状態のことを指しているのでしょうか。
だからこそ、似たものを模倣したくなる。芸術とは模倣です、模倣に始まり自己を形成することが目的です。
当てはめらずとも、深月風花さんなら違う側面で物事を考えられるはずですよ。
理解していないことを、理解している風で終わらせるくらいなら、今回のように質問をしていただければ重畳です。
こういったやり取りが好きなもので。
これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。
編集済
コメント失礼します。
まだまだ勉強中の若輩者ですが、私はよく体言止めを好んで使っております。
小説を書くようになってから、辞書等で調べものをすることが多くなりました。
>こんなエッセイを読む前に、一文字でも多く、少しの時間でも構いませんから、書籍化されている小説を読んでください。
ご謙遜、なさらないでください。
にーどれす様のエッセイを読んでいなければ、キャラどころか作者である私自身が暴走しっぱなしになり、風呂敷を広げるばかりで、畳むことができなくなっていたと感じております。書籍化された小説と、にーどれす様のエッセイもよく読んで勉学に励みます。
趣味で書いてはいるものの、いつかは賞を受賞したいと強く思っておりますので。
いばらの道ではありますが、野望は書籍化です。
あと、いくつか質問がございます。
★プロット=世界観 キャラ設定=人格形成 登場人物の行動=目的
キャラが勝手に動き出す=キャラ設定の人格を否定=物語が崩壊=読者様が「はい?」となる
「このキャラだったら、こういう行動をすると思ったんだけどなぁ」思ってしまう。
なので、作者が世界観を作り「今」を生きるキャラクターに人格を与えて命を吹き込んだのならば、作者目線ではく客観的にみて「このキャラは、自分の考えに沿った行動をしているのか?」
作者が創造した世界で一番焦点が当たるのは「キャラクター」でもあり「世界観」や「ストーリー」
なので、作者の勝手な都合でキャラクターを動かしてしまうと、ストーリーや世界観が崩壊してしまうのかな、と思いました。
後は、小説の公募にはテーマあるので、それに沿った物語を書けるようにならないとダメなのかなと感じました。
そうなると、作者が書きたい物語とは違いますが、編集者さんと出版社、読者のニーズにあった物語を書けるようになれればベストなのかな、とも考えてしまいました。
★それと、初級者、中級者、上級者の境界線みたいなのがあれば、教えて頂けたらなと思います。編集者目線で、お答えできる範囲で構いませんので、よろしくお願いします。
余談ですが、
知名度が高い作品に登場しているキャラクターには、人気投票があります。
もちろん、世界観も同様に、この世界に行ってみたいと思う人は少なからずいると思います。実際、私がそうです。
だから、世界観、登場人物の目的、ストーリー、行動を起こした結果、何を得ることができるのかが、作者の意図=主題。になるのかな。と考えてみました。
小説サイトには、数多くの作品が存在します。その中から、作者が投稿した小説を読んでもらえただけでも、すごく幸運なことだと思っています。
……すみません。長くなってしまいますので、この辺りで……。
★から★の間が、質問の内容です。
全話、拝読したうえで私の考えを書いてみました。
解釈が間違えていれば、ご指摘していただく思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ご指摘は、編集者目線でお願いいたします。
次話も、楽しみにしております。長々と失礼しました。
作者からの返信
北條院 雫玖 さま
読書をしていれば意味が分からない漢字や言い回しなどがあります。
今やWEBで時間をかけず結果を得れますが、あまり意味のある行動には思えません。私も同様、辞書を引いて、漢字と意味を清書します。そちらのほうが頭に入る気がするので。
さて質問を頂いておりましたので解答いたします。
Q.作者の勝手な都合でキャラクターを動かしてしまうと、ストーリーや世界観が崩壊してしまうのかな、と思いました。
A.はい、でもあり、いいえ、でもあります。
作者とは自由気ままな神様で良いです。但し「世界観に合った律を敷かなければ、そもそも世界として理を成し得ない」です。ですから、自由に登場人物を動かすと、決まって矛盾を孕むものですが、その理由の大半が「法則違反」に尽きることが多いです。
書きたい内容、書きたくない内容、表現したい文章、表現したくない文章。それぞれに合った文章技巧があり、陰翳があります。陰影とは言い換えれば陰と陽の存在であり、陽があるからこそ陰が際立ち、陰が濃いからこそ陽が判然とします。要はこの割合こそ「小説」に相応しい表現になるのでしょうね。
陰翳についての見解はかの文豪「谷崎潤一郎」が「陰翳礼賛」と云う小説について定義しているので、見識を深める意味を籠めておすすめしてみますね。これは文学に於いての表現でもあり、私なりの解釈ですが、一般文藝にも重ねられる部分が多い小説となっています。
Q.小説の公募にはテーマあるので、それに沿った物語を書けるようにならないとダメなのかなと感じました。
そうなると、作者が書きたい物語とは違いますが、編集者さんと出版社、読者のニーズにあった物語を書けるようになれればベストなのかな、とも考えてしまいました。
A.公募のテーマと、私が云っている「主題」は意味こそ同じでも本質が異なりますね。公募のテーマは「次に売り出したい作品」に関するもの、私の主題は「作者自身の本質」という意味が近いです。
プロでない裡にいろいろな小説を書いてみることが一番かと。プロになった際には間違いなく「書きたい小説を書けない」ので。
大勢の方が「書きたい小説を書けない」ので、厭になって小説家を辞めます。ですから、せめて私のエッセイを読んでくださったひとのなかに、将来プロになる方がいらした場合、「自分の本質を模索し、言語化する」ことで「書きたい作品を書ける説得力」を持ってほしいと願っています。
ベストは「書きたくない小説を書いて、大ヒットすること」ですね。これがプロです。
Q.初級者、中級者、上級者の境界線みたいなのがあれば、教えて頂けたらなと思います。
A.初級者とは「小説を書きたい」ひと。中級者とは「小説を作りたいひと」上級者とは「自らの本質の一部分を作品に投影できるひと」を指します。
カクヨムにいらっしゃる大多数のひとが「初級者」です。中級者の作品にまだ出逢ったことはありません。そしてこの定義では世に出ていらっしゃる作品も中級者が多いように感じます。
否定をするわけではないのですが、小説とは「作家の投影」であり、「説教臭く」なってしまうものです。この説教臭さに対し、あるひとは人間味を感じ、あるひとは見るのも厭になり、あるひとは尊敬します。人間とは、自らと異なる感性を受け入れることを極度に嫌い敵対します。敵対するということは相手を憎悪しているということです。そして憎悪とは熱愛の要でもあります。境界線を見誤るからこそ憎悪し、熱愛します。いきり立った感情を、冷静に分析し、自己対話することをおすすめしますよ。
最後の質問です。
Q.世界観、登場人物の目的、ストーリー、行動を起こした結果、何を得ることができるのかが、作者の意図=主題
A.それもひとつの正解です。私の伝えたかった内容とは違いますが。
ですが、大枠は合っていると思いますよ、これ以上はご自身の分析力を鍛えて、落とし込んでみてください。楽しみにしています。
お返事が長くなってしまい申し訳ありません。
これからも気になったことがあればいつでも仰ってください。返事は遅れる可能性がありますが、きちんと読みますので。
ありがとうございました。
通して拝読し、非常に勉強になりました。
私も「プロになれば自分の書きたい作品を書けない」と長年思って参りました。また、書籍になった作品が書店の棚にあり続ける様子を目にして、書籍化イコールベストセラー作家というわけではないのだなと実感しています。
一時期、一人を納得させなければ万人を納得させる作品は書けないと思っておりました。しかしそうすればするほどに作風がおかしくなりました。それ以来あくまでも個人作業で書いております。
またこのエッセイに立ち寄り、方向修正をすると思います。
ありがとうございました。読んでよかったと思っています。
作者からの返信
朱緑樹 さま
プロになれば書けないのは、当たり前のことで、出版社は慈善事業ではありません。なので少しでも書きたくないものを書きたいものに変換できるか、その思考法を提示していきたいなと考えております。
雛が先か卵が先か、と似たような話にはなりますが、ひとりを納得させなければ万人も納得しないです。なので小説家とはその相反する意見を取りまとめ、且つ自分の意志を反映させなければならない芸術家となります。
いつでもお越しください。お待ちしております。