第10話 やまとなでしこ
私、玉露と申します。
趣味はおもてなし。みなさまに
最高の風味と旨味を味わっていただきたく、日々
精進させていただいています。
あらあら、急須にお茶の葉を入れてポットから熱湯をぶっかけ、あ、失礼しました、煮えたお湯をいきなりかけるなんて、興醒めにも程がありますえ。
一枚一枚の茶葉をゆっくり開かせて、最高の香りを楽しんでいただくために、
茶葉を入れる前に、急須と茶碗に順にお湯を渡していかはると、お湯がまろやかにならはるんです。
温まった急須に茶匙で茶葉を入れはったら、先程のお湯を差し入れて、
美味しくなるまで2分ほどお待ちください。それをみなさんの湯呑みに少しずつ、少しずつ、順に差し入れていかはったらよろしおす。
さあ、どうぞ。
こちらの桜もちと共に召し上がっておくれやす。
今朝、老舗の和菓子店で買うてきました。
私の推しのお店ですよって、お口に合うといいのですが、
ええ、どうぞ、葉っぱと一緒にお口に入れておくんなはれ。
ちなみに、柏餅の葉っぱは食べたらあかん。
そんなことゆうても、まあ、食べはりませんよね。
まあ、お喋りが過ぎましたね。どうぞ、ごゆっくり
おくつろぎくださいませ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます