第11話 抹茶太夫

京の都と言うたら、この抹茶でありンす。

利休センセの時代から人々を魅了し続けてきたのでござンす。

茶の心は日本の心、私が一番と決まっているのでありンすよ。


私があなた様に最高のお抹茶を立ててみしょう。

おうす、あんた、そこをおどきなはれ。


あ、あ、

太夫さん意地になってしもうた。お茶なんて立てたことあるんかの?

まあ、サマになっている気もする。

茶葉入れてお湯注いで、茶筅でシャカシャカしよる。あれ、

膝の陰でなんか動いとる。抹茶の立て方動画見ちょる。流石や。


どうぞ。飲んでおくんなまし。


あ、あ、飲んだ。

うわっ、苦そうな顔しよる。

あ、柏餅を葉っぱごと食べよる。苦くて味わからんらしい。

頭下げて飲み込んだ。


結構なお点前で。


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