第3話 テセウスの船

「母さん!!!」

扉を開け、すぐに大きな声で言った。家に帰ってきた。ただ、その家にもう人はいなかった。物も、何も無い。

「元也!!」

母さんの声だ。

「心配したのよ。急に居なくなるから。ご飯、作ってあるから食べよう。」

「……!!うん!!!」

その日はいつもより疲れていて、ご飯を食べたあと、すぐに寝てしまった。夜、いつもより騒がしい。窓から外を見ると、たくさんの人がいた。カメラを持った人、マイクを持った人、様々な人がいた。

「誰だろう?」




「今日午後、15時頃、山奥の廃病院で身元不明のバラバラの遺体が発見されました。警察からの公表は何も無く、同時に発見された少年の遺体に対する言及も──────」

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