金流しの渓谷
第14話 地下帝国
バァァァァン
音が鳴ったと思った直後、モコローとロックの立っている床が消えていた。
「「⁉︎…」」
「は、おm」
バァァァァァァン
ハンマードの足元の床も消えているではないか。
エレキッドとセレナ、ナルの立つ床は消えていない。
「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「落ちる時やかましすぎる」
↑ナル
モコロー、ロック、ハンマードは何もできず下の方へ落ちていった。
↓エレキッド
「なんだ…罠か⁉︎」
「ここ本当に工場ですよね⁉︎」
↑セレナ
「工場に罠は付き物だろ」
「無いです」
「いや、クレーンやベルトコンベアみたいな兵器とかあるだろ」
「それ罠じゃないです」
◇◇◇
バシャァァァァァァァン
冷たい水飛沫が顔にかかる。
「⁉︎…なんだこりゃ!おいモコロー大丈夫か⁉︎」
ロックとモコローが落ちた先は洞窟内の川だった。
勢いが凄まじい川で、どんどん流されていく。
↓モコロー
「ボボボボボボ!!ボハァッ!!ブォーッ!ボホッ!ボホッ!
助けて!流されちゃゥボボボボボ!!
た↑すけて!ロック!助けドゥボボボボォ!ボホォッ!
ハンマード!セレナボボボボボ!!
た↑すけて!ナル!エレキッド!
ま め ね こ
ボボボボォ!ボホォッ!ボォッ!
助けて!僕はまだ、死にたくないッ!死にたくないボボボボボォ!!ボボボボォ!!ボホッ!ボホッ!
この川、深いから、不快ボボボボボボボボォ!」
「何を言っ天皇」
ザバァァァァァァァァン
なんとか岸に辿り着いた2人。
付近にある怪しげな赤い提灯が周囲を照らしている。
同じ場所に小道があり、通れそうだ。
全身びしょ濡れのロックとモコローは先へ進む事にした。
「どこだろ、ここ…」
「地底か?どうなっつるんだ」
ガチャァァ
フェンスを開けて、小道をしばらく進むと広い場所に出た。
ここは吹き抜けの鉱山のようだ。大きな滝が流れていて下の方に水が溜まっている。
赤く光る提灯によって薄暗く美しいものの、どこか寂しさや怖さを感じた。
今2人がいる所は木で組まれた足場だ。涼しい。
「ここは渓谷なのか。とにかく脱出するぞ、モコロー」
「そうだね…ん、誰か来たよ」
向こう側から誰かが来る。なんとな〜く危ないと感じた彼らは物陰に隠れた。
誰かは2人いるらしい。歩きながら会話していた。
↓誰か1
「いつまで働き続ければ良いんだろうなぁ、俺ら」
「売られちゃったからね。誰も助けに来ないだろうし、助けに来ても無駄だし」
↑誰か2
「ちょっと待て、侵入者の香りがする」
目玉がついたコマのようなモンスター(誰か1)が警戒する。
青いトカゲ(誰か2)は呆れた。
「こんな危険な所に侵入する人がいる訳無いじゃん。もう僕らは一生ここで働き続けるんだよ…」
「けど、侵入者を撃退するのも俺らの仕事だろ?じゃないと上に怒鳴られる。
秘密のレシピを盗まれたら、俺たち本当に終わりだ」
「秘密のレシピってエレキッドが言ってた物か?」
ロックがロッカーの中でモコローと密着しながら喋る。
「ちょ、ロック近いっ///」
「は?(低音)」
「息が〜……苦しi」
バッッ
ロッカーの中から勢いよく飛び出し、誰か1&2に見つかってしまった!
「し、侵入者⁉︎」
「えぇぇぇぇぇぇぇ、本当にいたの⁉︎」
バァァン
咄嗟にトカゲの誰か2を指鉄砲で撃つモコロー。
水の能力を手に入れ、彼の姿と性格が変わった!
「ここは私に任せなさい、ロック…」
「お前なんかちょっと背高くなったか?」
「…た、体重と身長の指摘だけはダメって言ったでしょ⁉︎私だって、そういうの気にするのよ…」
「この小説のジャンルが変わっちまった」
「おいスネークン、侵入者を捕まえるぞ。立て!」
誰か1が自身の体を回転させ、竜巻を発生させる。
スネークンと呼ばれた誰か2も、口から水を発射して攻撃した。
バシャァァァァァァッッ
モコローは飛んでくる攻撃を泡のバリアで防ぎつつ、そのバリアを破壊して水を撒き散らした。
「うわっ⁉︎…クソぉ」
無防備に走って逃げるロックを、誰か1が襲う。
ブブブブブブブブ
「ぬわっ⁉︎」
竜巻に巻き込まれ、彼は天井に頭をぶつけた。
モコローが焦る。
「いてええええええ」
ゴゴゴゴ
その直後、天井が崩落して誰か1を押し潰した。
「いてええええええ」
「ツイスター!大丈夫⁉︎」
↑スネークン
「お前は先に侵入者を追いかけろ!俺は自力で脱出できる!」
「ご、ごめんて」
スネークンはモコローとロックを追いかけ始める。
モコローとロックはスネークンから逃げるべく、提灯の無い暗い小道を走っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます