第15話 刃物
「こんな夜遅くに走り回るとは思ってなかったわ」
「足元が悪すぎる…」
崖際にかけられた木製の橋をドダバタと渡る2人。
スネークンは体を液体のように変化させ、2人を素早く追いかけた。
「あいつの方が足速いじゃねぇか!」
一瞬でロックの足元に移動したスネークンが体を元に戻し、彼を抱いて捕まえる。
「ふぅ、あと1人か」
スネークンの掌から水でできたアームが伸びて、モコローの足を掴んだ。
「(なっ⁉︎まずい、私の服が剥がされ好き放題されてしまう!)」
「(あの人どこかで見た事あるな…あ、もしやモコロー⁉︎)」
↑スネークン
モコローは体の水分を使って、自身そっくりの囮を生成した。
困惑するスネークンとロック。
「「(ん、何これ)」」
囮が顔を赤くさせながらスネークンとロックをビンタした。
バチィィィィィィィン
↓モコロー
「ちょ、私に何するつもり⁉︎」
「一部の人に需要ある攻撃やめぃ!」
↑ロック
「(僕、何やってんだろ…)」
同じく顔を赤くするスネークン。その後ろから誰か1のツイスターが現れた。
「何やってんだよ…全く、俺に任せろ」
ツイスターの攻撃によって橋が吹き飛ぶ。
「ヒィィィィィ、逃げるぞ」
ロックとモコローが向こう岸にあるドアを閉めた。
「ふぅ、危ねぇ。モコローの囮が今あいつらと戦っている最中だろうな…」
「私もう、お嫁に行けない…!」
「はひ?(ガチ困惑)」
「と、とりあえず先へ進みましょう。ハンマードたちと合流しなきゃ」
彼らが入った部屋には水路と思われる小道があった。
今は水が引いているので通れそうだ。
さらに近くの棚には懐中電灯が置いてあるではないか。
「ハァ、ここは地下帝国か何かか?」
壁にある張り紙には労働関係の内容が書かれている。
あんまり考えたくない2人は真っ暗な小道の奥へと進んだ。
しばらく進むと道が二手に分かれている地点についた。
「どっちだろ?」
「私に任せなさい」
モコローが目の前の水溜まりに向かってジャンプし、水を飛ばす。
その飛んだ水が右の方が多かったので、彼は右へ進んだ。
「木の枝倒すよりもヤバい決め方だな」
「水は文明を
「お前は俺らに困惑と絶望を齎しているだろ」
「さぁなんの事やら」
スタスタスタスタ
結局、右は行き止まりだった。代わりに鍵が置いてある。
「結局行き止まりじゃんか。戻るぞ」
「とりあえず鍵だけ持って行きましょうか」
カチャ
鍵を取った瞬間、叫び声が聞こえて地面から刃物のようなモンスターが現れた。
「「誰⁉︎」」
「アアアアアァァァァァァァァァァァァァアアアアァァァァァァァァァ!
ァァァァァァァアアアアア!!」
刃物のようなモンスターは目が血走っていて、聞いているだけで気分が悪くなるほど発狂している。
憎悪や嫉妬というものをロックは感じた。
「(なんだ、こいつ…幽霊とか怨霊の類いか?)」
「ロック、早く逃げるよ!」
急いで懐中電灯を構えて来た道を戻る2人。
先ほど選ばなかった左側の道へ走っていった。
「ハァハァハァ、先が見えない。懐中電灯貸して!」
「おい待て待て待て。転ぶって転ぶって、早く手離せ!
あイッタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ、首ガアアアアアアアアアアアアアアア!」
ロックは首が どうかしてしまったらしい。
「あ、ごめん!…って、え⁉︎」
モコローたちの行手を鍵の閉まったゲートが阻む。
彼らの後ろから叫びながら刃物のモンスターが迫ってきた。
↓モコロー
「あぁ早く鍵開けて逃げないとぉぉ!」
「俺に貸せ。鍵を開けるのは得意だ!」
↑ロック
「得意⁉︎なんで⁉︎」
「昔そういう仕事をしていたからだよ!」
ガチャガチャガチャガチャ
「そういう仕事って何⁉︎」
「あ…なんでもない」
「えぇ」
「あーもう飛び越えた方が早い!!」
鍵を開けずにゲートを飛び越えて逃げるモコローとロック。
刃物のモンスターはゲートを触れるだけで破壊し追いかけ続けた。
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