第9話 鼻提灯

痺れを切らしたモコロー。


「まだ帰ってこない!あの2人どこに行ったの⁉︎」


↓ナル

「本当早く帰ってきて欲しいよねー!そして早く電化製品エレキヘリテージの所へ行かないとねー?」


「まぁどっかで道草食ってんじゃないの?」

↑ロック


「ちょっと様子見てくる」





モコローが部屋を出て、渡り廊下を通ろうとした時。


「ちょっと待て」


背後から頭を杖で叩かれた。


「ん、誰?」


「私はギョシーという者だ。最近この街に強盗を繰り返している奴が潜んでいると聞いている。

お前、この街の住民か?」


半魚人みたいな奴が背後にいた。


「いや、僕らは観光客だよ」

↑モコロー


↓ギョシー

「は、これで何人目に尋ねたと思ってんだよバカがよ。くっそアホしかいねーのかオイ」


「え、こわっ…」


「おっと…すまない。つい心の声が漏れてしまった」


「へ、へぇ(苦笑い)」


「これから街の中心部へ行く予定だろ?私と一緒に行かないか?」

「良いよ!」




◇◇◇



モコローとギョシーは中心街へやって来た。



「ねぇギョシー、その強盗犯ってどんな奴なの?」


「ん、確かオンネンネンという名前だったような…。

おや、あの店…シャッターが閉まっているぞ?」



2人はシャッターの閉まったスーパーに近づく。


シャッターの向こう側からは、悲鳴が聞こえた。


↓ギョシー

「もしや強盗か⁉︎まずいぞ、早くしないと被害者が!

とりあえずシャッターに穴を空けて店内へ入ろう」


彼女は指をシャッターに当て、丸を描く。

すると丸い形の穴がシャッターに空いた。


この穴を潜ると、やはりオンネンネンがいた。


ガバッ


↓ギョシー

「(おいオンネンネン、ここで貴様の強盗活動は終わりだ!)

あーあアイス食べてぇくらい暑いなぁ」


「お、なんだギョシーか。

よろシー、相手してやる」

↑オンネンネン



オンネンネンはギョシーに向かって光を放つ。


ギョシーは彼の光攻撃を、なんと杖で跳ね返した。

しかしオンネンネンは光に当たっても眠らない。


「ふふ、俺は不眠症だから効かねぇぜ」


「羨ましい(な、なんだと…⁉︎なら一体どうすれば良い事やら)」


「お前w心の声漏れてんぞw」


「クソ、最近よく寝過ごしてしまう私にとっては最高の能力だ!

(ヤバい、心の声が漏れてしまった!)」



↓セレナ&ハンマード

「(なんだコイツら)」


「おぉ、2人とも!僕のアイスは どこに あるの?」

↑モコロー


↓店長

「あぁ君、アイスなら無料であげるから早く帰ってくれ!

俺の視界に入るもの全てが強盗野郎に見えてきたんだ!」


「え、誰ですか?」


「俺は店長みせながだ!」


店長てんちょうじゃないんだ」

「はよ帰れ若いの!」



「なんだよもぉ。街の奥にあるアイス屋を目指してたのに、ここに売ってあるのかよ…」

↑ハンマード



オンネンネンは少しモコローの方を見て、ハッとした。


「あれ、お前もしやモコローか?ふ、星の英雄なら俺を倒す事なんて簡単だよな?」


「えぇ…ってかまず、なんでスーパーなの?銀行じゃなくて」


「この国には銀行が無いからだ!!」

「えー(棒)」


「ハァ舐めてんのか?ふっ、宣戦布告と捉えよう」


オンネンネンの胸から光が放たれる。


モコローは光を指で撃った。


「バァァァァァン」



その直後、モコローは寝てしまった。


「え、おいモコロー⁉︎クソ、能力を手に入れる前に眠らされたか…」

↑ハンマード


「ふっふっふっ、所詮モコローのような英雄でも俺には勝てない。俺は国内で ゆういつ、大学のテスト中に強盗をし成功した事があるからな!」


高笑いするオンネンネン。


↓ギョシー

「“ゆういつ”じゃなくて“唯一ゆいいつ”じゃねーか?」


「そうなんだ」

「え」


「脳だけは誰かに強盗されてそうですねw」

↑セレナ





「スーピースーピー…」


眠った状態のモコローを抱えながら、ハンマードはオンネンネンの攻撃を避け続けていた。


「ひっ、ハァハァハァ…なんなんだよアイツ!早くモコローが起きてくれれば良いんだが…」


「ふわァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…」


モコローの鼻提灯がドンドン膨らんでいく。


「ふわァァァァァァァァァ…ふぅゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………ふわァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」



ズドカァァァァァァァァァァァァァァン


彼の鼻提灯が大爆発を起こし、オンネンネンたちを吹き飛ばした!

それどころか、店の壁や天井まで吹っ飛んだ!



「(あ、ダメだ…)」


店長は悲しさから、思わず絶句してしまった。

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