第4話 動く宿
こうしてモコロー、ロック、ハンマード、ナルの4人パーティで冒険する羽目になった。
レンジのいる場所まで乗り物には乗らずに歩いていく。これは環境に配慮した結果だ。
↓ロック
「ナルはモンスタウン出身じゃないよな?見た事無いし…」
「僕はヤバンニアという国から来たんだよ。
ヤバンニアは約4000年前からずっと無政府状態で紛争が絶えない危険な場所。さらに食物が育たない環境なんだ。
しかもヤクザ集団が牛耳っていて治安悪化を促進させているし。
だから僕、ねがいかな烏帽子を使ってヤバンニアを豊かな国にしたいんだよ。
豊かな国にね……」
「そうだったのか…」
「僕と同じだね。
僕はキャッスルタウンという国が出身地なんだけど、国をやり直そうと政治家になるためにモンスタウン大学で勉強してるんだ」
↑モコロー
「お前そうだったんだ…」
「そうだよ」
「それ先に言えよ!」
「えぇだってロックに言っても仕方ないし…」
「なんだと?^^」
↓ハンマード
「2人とも辛い過去を持っているんだな。それに比べて俺は何してんだか…」
「いや、ハンマードも頑張ってるでしょ」
↑ナル
「俺ニートだぞ?」
「そうなんだ。ううん気にしないで」
「なんて言えば良いのか…」
「「(めっちゃ気まずい)」」
◇◇◇
結局レンジの元には着かず、いつのまにか夜になってしまった。
こんな雑木林の真っ暗な場所は危ない。どこか泊まる所を探さねばならない。
「野宿するか?」
「いやぁ蚊に刺されるじゃん」
「テントも持ってきて無いしな」
「僕も外は無理かなぁ」
「!…見つけた」
ロックが草を掻き分けて、湖の目の前に出た。
湖のすぐ横に、黄色い壁のペンションが見える。
ペンションの看板には[すいみんやさん]と書かれていた。
「やっぱココにあったか」
彼はペンションの扉をドンドン叩く。
するとドアからデカいナメクジが出てきた。
↓ナメクジ
「おいドアの横にインターホンがあるから、そっち鳴らせよ」
「頭より先に手が動いちゃうんだよ」
「それは脳筋だろ」
「やぁカラーノ、こんにちは」
↑モコロー
↓ハンマード
「お前こんな所にいたんだ」
ナメクジの名前はカラーノ。[すいみんやさん]のオーナーだ。
[すいみんやさん]というペンションは、カラーノが運んで移動しているため、普段どこにいるのか全然わからないらしい。
↓カラーノ
「ん、なんか見ない顔だな。誰だ?そこのスライム」
「僕の名前はナル!少しの間だけどよろしくね!」
「おん、よろしく。じゃあ皆さん早く中へ入れ」
カラーノは4人を中へ案内する。
「
「内装とか何も変わってないんだな〜」
ハンマードが特に何も考えずに言った。
「ハ?」
カラーノの動きが止まる。
「ん、なんか俺まずい事言ったか?」
↑ハンマード
ギシギシギシギシギシギシ
↓カラーノ
「おいバカ亀」
カラーノがハンマードに静かに怒鳴った。
「もう一度言う、おいバカ亀。よくも俺のペンションちゃんの悪口を言ったな。
古臭いだと?お前らの命は俺が預かっているんだ。
どうなるか、わかるよな?」
「エ⁉︎」「あヤベ」「ん?」
「あー…すまんカラーノ。謝りますから許してk」
「俺はペンションちゃんの悪口を言った者は、ゴキブリと同等の扱いをするからなぁ。
ゴキブリは、外へ出て行けタコォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
ズドカァァァァァァァァァァァァァァン
カラーノはペンションの壁ごとハンマードたちを吹っ飛ばした。
カラーノにとって、内装が何も変わってない事を言及される=ペンションの悪口を言われる…らしい。
↓モコロー
「ちょちょちょ、いきなり攻撃してこないでよ⁉︎
あと自分が可愛がってるペンションを自分で破壊しちゃったけど良いの⁉︎」
「俺は別に破壊して構わんだろ。問題はテメェらだ」
「大変申し訳ございませんでしたァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
ハンマードが謝罪し、ジャンピング土下座する。
その時、落ちていた石に頭をぶつけてしまった。
「いてぇぇぇぇ!」
「しゃーねーな、今回だけだぞ。それに俺も今日ばかりは怒るのが早すぎたと思っている。だーかーらー許すッ」
↑カラーノ
「あざす」
なんとかペンションに泊めてもらえる事ができた。
室内は洋風。電気も水道も通っているので不便さは無い。
テレビやトイレまで完備。
翌朝。
「ふぁよく寝た。おはようロック、ハンマード、ナル」
「おい俺の頭を蹴るな。足どかせって」
「あーごめんごめん」
ペンションを出たモコローたち。
「カラーノが言うには、この辺でレンジを見かけたらしいよ」
↑モコロー
↓ロック
「いると良いけどな…」
「ん、アイツじゃね?」
ハンマードが指差した方を向くと、大岩に向かってパンチしているレンジがいた。
「うおおおおおおおおおお、
↑レンジ
「「「「なんだアイツ」」」」
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