幕間
第12話 契り
父様。
母様。
あれからずいぶんと時が経ちました。
お二方と過ごしたあの温かい日々が只懐かしく思います。
これもひとえに神のご加護かと。
されどここ最近、人が集うかの都において、何分そこらの様子が多々慌ただしく、かつての華やかさが
かくして私の足も自然と人里から遠ざかりました。
この若い
このような世とはいえ、私はむやみに人を殺めたくはありませんから。
只、己においては少々難儀な感情が芽生えました。
察するに巷の流行り言葉を借りるところ、
恋心と、
呼ばれるものかと。
それゆえ、かって
今は
されど私はあの方と出会い、初めて人の優しさというものを知りました。
己も傷心の身にもかかわらず、
ゆえに、たとえお二方に非難されようと、私はあの方と未来永劫、添い遂げたいと思いを募らせるばかり。
罪深き娘をどうぞお許しください。
それでも
それも己の
されどそのとき、たとえこの身が業火に焼かれ朽ち果てようと、
あの方への想いを
たとえ神でも叶わぬことでしょう──
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