第19話

 キッチンへとやって来た咲夜は、肉類や野菜のカットや串打ちを行い、タレ等の調味料を準備して庭へと向かった。


「おっ、みんな準備ありがとうね」


 美「咲夜さんも食材の準備ありがとうございます」


「パパ〜はやく〜♪」


「はいはい、火加減も良さそうだし焼いてくよ〜」


 咲夜は肉や野菜の焼き加減を教えながら焼き方を覚えてもらい、各自好きに焼いて良いと教えるのだった。


「濃厚なタレとジューシーなお肉がマッチして美味しいよパパ♪」


 セ「自分好みの焼き加減にできるのも良いですね」


 カ「トマトを焼いて食べるも悪くないですわね」


「おぉこれは良いものじゃな、野菜もタレにつけると濃厚ながらあっさりで美味しいものじゃな」


 美「お肉も種類や部位によって味も食感も変わるんですね、焼き加減でも変わるのは面白いです」


「楽しんでくれて良かったよ」


 咲夜はそう言いながら、複数の塩をブレンドして鳥もも肉に揉み込み、コンロに鳥の脂身を入れて、湧き上がる炎で焼いていくのだった。


「パパそれは何してるの〜?」


 リ「焦げないんですかぁ?」


「あぁこれは鳥の炭火焼きだよ。炭の香りが鶏肉について美味しいんだよね。

 さて、できたから食べてみて」


「おぉ♪あっさり塩味なのに、炭の香り?とマッチしてクセになる味だよ♪」


 ス「なんともお酒が進みそうですね」


「ビールにも合うからね〜、準備してるからどうぞ」


 咲夜が勧めると、皆はビールと鳥の炭火焼きを堪能するのだった。


「これはたまらんのう、ビールがすすむのじゃ。人間の文化とは良いものじゃな」


「あはは、アビスの口にもあったようでなによりだよ」


「そうじゃのう、我は料理なぞせぬし、生肉か丸焼き位じゃったからのう」


「まぁ美味しいものを食べるのは生き甲斐ってやつなのかな?人は食事をしないと生きていけないからね。どうせ食べるのなら美味しいものが良いよね」


「なるほど確かにのぅ、今までは気にしてなかったのじゃが、こんな美味しいものを食べた後だと、今までの食事に戻りたくないのじゃ」


「あはは、これからも満足してもらえるように頑張るよ」


 美「でも、咲夜さんばかり料理するのも大変なので、シルキーを呼びましたので、指導をお願いしますね」


「ん?シルキーって家妖精だっけ?」


 美「そうです、炊事洗濯掃除などの家事ができますし、家の管理も任せれるのでちょうど良いかと」


「あぁ…確かに広い家だからね…助かるよ」


「ここは魔力なんかも豊富だから、シルキーさんも喜ぶと思うよ〜♪」


「なるほど、シルキーにとっても良い環境なら良かったよ」


 美「シルキー達にとっても、新しい料理方法など知れるのは嬉しいようですし」


「まぁ喜んで来てくれるなら良いよ」


 美「そこは大丈夫です。呼んだら希望が多くて…とりあえず5名にしてもらいました」


「そんなにたくさんシルキーっているの?」


 美「神域にいる部下に呼びかけてもらったので、他の世界のシルキーも来たがったようですね」


「なるほど…それは多そうだ」


「妖精や精霊にとって、この聖域のの環境は良いものだからね♪」


 美「この聖域のことは言ってないんですがね…違う世界となると刺激に溢れてますし、来たがる子が多かったようです」


「まぁうん仕方ないんじゃない?」


 美「足りない時には増やす感じで行こうと思います」


「そこら辺はお任せして良いですか?」


 美「もちろんです」


「じゃあ、お願いしますね」


 美桜はシルキーを5名呼び出して、家の管理と家事を任せることを説明し、料理方法などは咲夜か、ネットや本などを利用して覚えるようにお願いしたのだった。


「ん〜家ですることがなくなりそうだなぁ〜」


「じゃあその分私たちのことを構ってね♪」


「そうだね、サクラや従魔達との時間をもっと取らないとね。ダンジョンではゆっくりした時間はあんまりなかったからね。

 そっか…シロやクロにラビ、グリにレイ達のモフモフをもっと堪能できるのか」


「いやまぁ…ほどほどにしてあげてねパパ?」


「嫌われないようには気をつけるよ」


「それもだけど、パパはセツナさん達との時間もちゃんと作らないとだよ?」


「あ〜うん、それもちゃんと気をつけます」


「うんうん♪約束だよ♪」


「まぁ、まずは片付けしようかな」


 咲夜は逃げるように片付けを始めたが、シルキー達に仕事を奪わないで欲しいと言われるのだった。


「え〜とじゃあお任せします。

 じゃあ風呂でも入るかな」


 美「それがよろしいかと、片付けはシルキー達がしてくれるので安心してお風呂に行って大丈夫ですよ」


「そっかわかった、じゃあお風呂に行ってくるよ」


 美「はい、行ってらっしゃい」


 咲夜は美桜に見送られてお風呂へと向かうのだった。


 美「さて皆さん今日はどうしますか?」


 カ「毎日は流石によろしくないんじゃありませんか?」


 リ「昨日は全員で突撃しちゃいましたし〜、今度は1人づつで良いじゃないですかぁ?」


 ス「ふむ、それでしたらセツナさんが行きますか?」


 セ「え……私1人ですか!?」


「セツナさんは最初の従魔だし良いと思うよ♪」


 セ「サクラ殿…分かりました。今日は1人で主様にご奉仕いたします」


 リ「そんなに硬くならないでも良いと思いますよぉ?」


「そうだよ♪パパとの時間を楽しめば良いんだよ♪」


 サクラ達に焚き付けられたセツナは1人で咲夜のいるお風呂へと向かうのだった。


 ーーーーーーあとがきーーーーーー


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 これからもお読みいただけるように頑張ります。

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