第16話
アビスのダンジョンへと案内された咲夜達。そこは家からほど近い場所だが、いつの間にか大聖堂が建てられていた。
「アビス…いつの間にこんなの作ったの?」
「我は睡眠はあまり必要ないからのぅ、夜のうちに作ったのじゃ」
「はぁ〜さすがと言うべきなのか?でも大聖堂の入り口狭いよね?レイ達にはキツくない?」
「いや、大聖堂前の神殿にある魔法陣がダンジョンへのゲートじゃから問題なく入れるぞぃ」
「ん?じゃああの大聖堂は?」
「飾りじゃが?あの大聖堂にはちょっと広めの部屋を作っただけじゃし何もないぞ?」
「大聖堂いらないじゃん!」
「いや最初は床に魔法陣を描いただけだったんじゃよ?ただ…なんかこう…見窄らしい気がしてじゃな?魔法陣がある場所を神殿にして結界を張ったんじゃが…今ひとつ物足りなくての?神殿の先になんとなく大聖堂を作ってみたのじゃ」
「いやなんか、神秘的でかっこいいけどさ!意味ないのは勿体無いじゃん!?」
「ふむ…まぁ加工はできるし、桜花さまの像でも設置すればええんじゃないかの?」
「あぁ確かに桜花さまにはお世話になったし、桜花さま用の大聖堂にすれば良いのか」
「いやでも…管理がなぁ…」
美「それなら任せていただけませんか?」
「ん?美桜が管理するの?」
美「いえ部下を呼ぼうかと」
「ん〜そんなに呼んで大丈夫?」
美「まぁ暇している部下もいますし、桜花さまを祀るなら問題ないかと。ただ、桜花さまの像は咲夜さんにお願いして良いですか?」
「ん?まぁ創造スキルで作れると思うけど」
美「じゃあ2m位の大きさでお願いしますね」
「了解。じゃあ先に作っちゃうよ」
咲夜はそう言いながら大聖堂内に入るとそこには、ただただ広い部屋があるだけだった。咲夜は部屋の一番奥に台座を拵え、その上に迎えいれるように両手を広げ、優しく微笑んでいる桜花の像を創造し設置するのだった。
桜花の像を設置した咲夜は像の後方上部の壁をステンドグラスに作り変え、光の差し込む桜花の神像を眺め、頷き皆の元へ戻るのだった。
美「もうできたんですか?部下はまだ来てないんですが」
「うん、桜花さまの神像を設置したから一緒に確認してくれる?ついでに聖堂の入り口も広げようか」
美「ありがとうございます。部下もすぐに来ると思うので、先にみんなで見に行きましょうか」
そして今度はみんなで聖堂に入っていくのだった。聖堂に入り桜花の神像を見た咲夜の仲間達は、光を浴びて輝く桜花の神像の神秘的な美しさに見惚れるのだった。
「どおかな?問題なさそうかな?」
美「素晴らしいです。これは桜花さまもお喜びになると思います」
「それなら良かったよ」
「パパすごいね♪本当に桜花さまが居るみたいだよ♪」
ア「主よ…神聖な力を感じるのじゃが?」
「ん?本当だ…さっきまではなかったのに…」
その時、神像の前に3本の光が降り注ぎ、そこから3体の天使が現れるのだった。
「美桜様のお呼びにより、ミツキただいま参りました」
「美桜様のお呼びにより、ミズハ参りましたわ〜」
「美桜様の命令で、ミカゲは来ました」
美「3人とも来てくれたのですね。3人にはこの聖堂の管理をお願いしたいのですが、いかがですか?」
ミツキ「かしこまりました、誠心誠意努めさせていただきます」
ミズハ「分かりました〜、しっかり管理致しますね〜」
ミカゲ「了解…程々に頑張る」
美「よろしくお願いしますね」
「美桜、この人たちが聖堂を管理してくれるのかな?」
美「はい。そのために呼びました」
「そっか、急なことだけどお願いしますね。必要なものがあったら教えてください。準備しますので」
美「それは私の方で準備しますよ」
「そっか、それじゃあお願いね?」
美「分かりました。それじゃあ後で聞きに来ますので、まずはこの聖堂をあなた達が過ごしやすいように改造してくださいね」
ミツキ「了解しました、こちらの神像に見合った内装に致します」
ミズハ「は〜い、暖かい雰囲気になるようにしますね〜」
ミカゲ「分かった…できるだけ頑張る」
美「それじゃあお願いしますね、咲夜さんそろそろダンジョンへと行きましょう」
「うん、分かった。じゃあミツキさん、ミズハさん、ミカゲさんお任せします」
「「「お任せください」」」
咲夜は3人へ任せて聖堂を後にし、ダンジョンへの魔法陣へと向かうのだった。
「さて、それじゃダンジョンへと向かいますか」
皆「はい」
みんなが居ることを確認し、魔法陣を起動させた咲夜は、転移によりダンジョン内へと入るのだった。
転移した咲夜達は巨大なコロシアムの入り口へと転送され、コロシアムの大きさに感嘆の声を上げるのだった。
「おぉ〜すげ〜、でかいな!」
「主達の訓練じゃからの広くしたんじゃよ、まぁしかも再生機能付きじゃからな、心置きなく訓練すると良いぞ」
「そっかぁ、ありがとうな。とりあえず入ってみようか」
咲夜は闘技場が気になるのかそそくさとコロシアムの入り口へと入るのだった。
入り口を進むと観客席へと繋がっており、闘技場を覗くとただただ広い、土の広場があるだけであった。
「あれ舞台とかはないんだ?てか先に観客席なんだね?」
「舞台を出すこともできるのじゃが…主達には邪魔になると思うてのぉ、それに観客席に来たのは闘技場と観客席の間には結界を張っておるからの、そこの水晶を触って闘技場に移動できるようにしたのじゃ。
そうすれば観客席で休憩できるからの」
「へぇ、確かにその方が安全かな?でも闘技場から観客席に戻るにはどうするんだ?」
「それはじゃな、闘技場内に移動すると腕輪が装着されての、腕輪を触りながらリターンと唱えれば戻れるのじゃ。あと、腕輪はダメージを肩代わりしてくれるのじゃが、設定されたダメージを受けても観客席に戻るようになっておるんじゃよ」
「ほぉ〜ハイテクだねぇ」
「主達に死なれたくはないからの」
「そっか、安全を考えてくれてありがとうなアビス」
「我も主達との生活を楽しみにしておるからの」
「期待に応えられるように頑張るよ。そういえば、2階層に進むにはどうするんだ?」
「それは観客席の上の方に魔法陣が設置されておる場所があるのじゃ」
「そっか、闘技場も気になるけど先に食材集めから行こうか」
咲夜はそう言いながら観客席上部、入り口から観客席へとやってきた階段の天井部分にある魔法陣へとやってきて、みんなが揃ったのを確認し魔法陣を起動させたのだった。
ーーーーーーあとがきーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
お読みいただき「面白い」「続きが気になる」など思いましたら応援や評価をいただけると気力が湧きます!
これからもお読みいただけるように頑張ります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます