第13話

冥王龍アビスからダンジョンコアを調べたら、面白いことが分かったとのことだが…


「面白いこと?」


「あぁこのダンジョンコアを利用して、ダンジョンが作れるのじゃが」


「ふむふむ…」


「我がダンジョンマスターになれば、我の知る魔物を配置できそうでな…食料となる魔物や皆の訓練に役立ちそうな魔物を召喚できそうなのじゃよ」


「ふむふむ…それはありがたいけど…アビスはダンジョンマスターになって大丈夫なの?また閉じ込められるんじゃないの?」


「そこはじゃな、我の分体を作って、分体をダンジョンマスターにするのじゃ。分体ならいつでも情報を共有できるしの」


「ん〜分体が乗っ取られてたりはしないの?」


「ダンジョンコアに我の魔力を流し込んで支配したから問題ないのじゃ、ただダンジョンマスターになるとダンジョンから出られぬからの、分体をダンジョンマスターにするのじゃ」


「ん〜安全なら良いけど…ダンジョンマスターになりたいの?」


「そうじゃなぁ…このコアは我の魔力で成長しておるから強力な力を有しておる。それを利用しないのは勿体無いのじゃ。

我ならダンジョン崩壊を起こさないようにもできるしのぅ、食料調達もできるし、訓練もできる。素材も入手できるからお得じゃろ?」


「確かに…あると便利ではあるのか…みんなも強くなりすぎてるから、発散できる場所があるのはありがたいかも…」


「そうじゃろ?どうじゃこの聖域内にダンジョンを作っていいかの?」


「てか、そんなにダンジョンマスターやりたいの?」


「そうじゃな…我には他に役立てそうなことが思いつかんからのぉ…」


「無理はしなくてもいいよ?ダンジョン攻略とかで手伝ってくれればいいし」


「それだけじゃ暇そうでなぁ…主に役立つダンジョン作りも面白そうじゃし」


「まぁアビスが面白そうなら別にいけど…それじゃあお願いするよ」


「あいわかった、それじゃあ分体を作ってダンジョンを作るとしようかの。家からそう遠くない場所に設置するからの…少し時間をもらうのじゃ」


「分かった任せるよ、できたら教えてね」


「うむ、任せるのじゃ」


咲夜はアビスにダンジョン作成をお願いし、アビスはワクワクしながらダンジョンを作りに出かけるのであった。


「大丈夫かなぁ…?まぁ魔物を溢れさせないって言ってたし、訓練場所があると便利なのは確かだしね…」


美「まぁ素材も入手できますし、食料調達できると言ってましたから…珍しいものも手に入るかもですよ?」


「美味しい物が手に入ると嬉しいです♪」


「まぁ楽しみにしてようか。それにこの聖域も広いけど、従魔のみんなが動き回るには手狭だしね」


グ(確かに僕には狭いかも)


「あぁグリとレイは行動範囲広いし、結界の外に出たら騒がれそうだもんな〜」


レ(私も大きいし目立ちますからね)


「そうだね、やっぱりアビスがダンジョン作ってくれるのは助かるかも」


美「まぁ咲夜さんの不利益にはならなそうですし、いいんじゃないですか?」


「そうだね、アビスもなんか楽しそうだったし、良しとしよう。そういえばもうこんな時間か…夕飯の準備しようか…サクラは何が食べたい?」


「パパが嬉しそうに食べてたチキン南蛮が食べてみたいです♪あまり手べれなかったので♪」


「あぁ〜まぁサクラは小さかったからね…んじゃ故郷の名物であるチキン南蛮を作りますか」


美「材料は冷蔵庫になければ、食糧庫に色々準備してますので確認してください。あとお手伝いは必要ですか?」


「ありがとう、今日は俺が作るよ。さてさてまずは何があるか確認しないと…」


咲夜はそう言いながら、冷蔵庫や食糧庫に調味料を確認するのだった。


「おぉチキン南蛮のタレあるんだ…準備がいいね…」


咲夜は独り言を呟きながら準備し、キッチンへと戻るのだった。


「さて、材料はあったからまずはお米を仕掛けてから、タルタルソースを作るとしますか」


咲夜は卵を茹でている間に玉ねぎとパセリをみじん切りにし、水に晒し辛みをとったあとしっかりと水気を切るのだった。


「水気を切った玉ねぎとパセリに、ゆで卵を細かく切った物を混ぜて…砂糖と酢を入れて…最後にマヨネーズを混ぜる。ちょいと味見をして…うんうんいける」

「タルタルソースは冷蔵庫に入れといてと…味噌汁やおかずを準備しますかね」


咲夜はわかめと豆腐のお味噌汁にほうれん草の胡麻和えを準備して、メインのチキン南蛮を作り始めるにだった。


「ん〜胸肉も悪くないけど、今回はもも肉で作りますかね〜」


咲夜は呟きながら手際よく料理をするのだった。

まずは、もも肉を一口大にカットして袋に入れて、軽く塩胡椒を入れ馴染ませる。

次に小麦粉に少しの片栗粉を混ぜたものと卵を溶いた卵液を準備する。

油を熱しながら、チキン南蛮のタレに水飴を溶かして少し甘めに調整をし沸騰する直前に火を止める。

鳥もも肉を粉にまぶしたあと、余計な粉を落として卵液に潜らせ、油に投入。

狐色に揚がったらタレに浸し、タレが衣に染み込んだらバットに上げるのだった。


「さてとあとは盛り付けて、出来上がり!おかわりは沢山あるから心置きなく食べてね〜」


「おぉ〜♪美味しいそうですねパパ♪」


「たんとお食べサクラ」


「はい♪お腹いっぱい食べます♪」


セ「相変わらず主様の料理は美味しそうです」


カ「旦那さまの料理はいつも楽しみなのよね」


リ「そうですねぇ、いつも美味しいものばかりですから〜楽しみなんですよねぇ〜」


シ「ご主人様のご飯好き」


ス「そうですね…肉体を得て良かったと本当に思っています」


「さて動物型のみんなにも渡ったし、それじゃいただきますっと」


皆「いただきます」


「おぉ〜美味しいです♪お肉はジューシーなのに甘酸っぱいタレで食欲が進み、このシャキシャキとした歯応えのある、ちょっと酸っぱいのに甘みがあって爽やかな香りがするけどまろやかさもあるソース。お肉だけでも美味しいのにソースと合わさると、さらに美味しいです♪ご飯が進みますぅ〜♪口直しにキャベツの千切りがちょうどいいですね♪」


「お…おう。喜んでくれて良かったよ」

(サクラってこんな食レポみたいなこと言うんだな…)


美「咲夜さん!料理がお上手なんですね!」


「まぁ自炊していたからね…程々にはできるよ」


咲夜はみんなに料理を褒められてちょっと気恥ずかしげにしていたが、嬉しそうであった。


ーーーーーーあとがきーーーーーー


お読みいただきありがとうございます。


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これからもお読みいただけるように頑張ります。

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