第14話

咲夜がみんなと食事をし、楽しそうに会話をしていると、アビスが戻ってくるのであった。


「主!?我に分は!?」


「ちゃんと準備しているよ、ほらアビスの分」


「おぉさすが主、我の分も用意していたのじゃな」


「アビスだけ除け者にしないって」


「感謝するのじゃ、それではいただくとしようかの。

ふむ…これは美味しいのじゃ!?人はこのような美味しい物を食べていたのか!」


「アビスの口にもあったようで、良かったよ」


「主、これはすばらしいものじゃ、今まで生肉ばかりじゃったが…もう生肉は食べたくなくなるのぅ」


「まぁこれから食事はちゃんと料理を出すから楽しみにしているといいよ」


「本当じゃな!?これからの楽しみが増えたのぅ」


アビスも合流し、みんなで楽しい食事の時間を過ごし、片付けを済ませから、ゆっくりとお茶をしながら過ごしていた咲夜だった。


「さて、なれない環境で疲れもあるだろうし、風呂入って寝ようかね。シロ、アスラお風呂行こ〜」


「ワフワフ」

「ピィピィ」


「お〜よしよし、クロとラビはお風呂嫌がるからなぁ…まぁシロとアスラが一緒に入ってくれるだけいっか…」


シロとアスラを撫で回しながらお風呂へと向かう咲夜を見送りながら、怪しい目つきで目配せをする女性陣であった。


リ「美桜さん、お風呂は広いですか〜?」


美「勿論、大浴場を設置しています」


カ「さすがですね…じゃあ突撃するしかないですね」


セ「えっ…?主様の入浴中に乱入されるのですか…?」


リ「勿論ですよぉ!今まではダンジョン内だからとぉ言われましたが〜、今日からは違うのでぇ、解禁ですよ〜!」


美「咲夜さんは奥手とう言うかヘタレそうなので、こちらから攻めないと進展できなさそうですし…良いんじゃないですかね?」


ア「主よ…ご愁傷様じゃな…女は怖いのぅ」


リ「何かおっしゃいましたかぁ〜?」


ア「何も言っとらんぞい…仲が良さそうじゃと思っただけじゃ」


カ「それなら良いんですが?」


ス「じゃあ私たちもお風呂に行きましょうか?」


シ「ワタシは…お風呂苦手だから、皆で行ってきて」


美「シルクさんはまだ完全な人化ができないんでしたね…でも、この聖域で過ごせば遠くないうちに人化できると思いますよ?」


シ「練習する…」


リ「早くシルクさんも一緒にぃ、旦那さまからの寵愛を受けましょうねぇ〜」


シ「頑張る…」


美「それじゃ、シルクさんには悪いですがみなさんお風呂に行きましょうか」


シルクを除く女性陣は咲夜が入るお風呂へと向かうのだった。


「サクラ嬢は混ざらなくて良かったかえ?」


「良いんですよ♪私は娘ですからね♪それに待たせ続けたパパも悪いです♪」


「そうか…それなら仕方ないんじゃろうなぁ…主よ頑張ってくれ…」


アビスが冥福を祈っているとお風呂から咲夜の叫びが響いてくるのだった。


翌朝起きてきた咲夜はげっそりとし、ふらふらとリビングにやってきたのだった。


「おぉ主よ、生きておっったか。大丈夫かの?」


「まぁ…何とか…」


「女衆はどうしたのじゃ?」


「まだ寝てるよ…」


「ふむ…主の方が先に来るとは思わなかったのじゃ」


「いや…まぁ…なんか性関連のスキルを覚えたみたいで…みんなが先に気絶したからかな…?」


「何と…主はやるのぅ」


「あっおはよ〜パパ♪」


「おはようサクラ、朝から元気だね」


「うん♪今日も元気に頑張るよ♪それで、朝ごはんは何かな?」


「そうだね朝は軽く、パンとサラダとスープにハムエッグでいいかな?」


「おぉ♪楽しみだね♪」


「じゃあ準備するよ」


咲夜は手際よく朝食の準備を進めて、朝食が出来上がる頃に女性陣を呼ぶように頼むのだった。


「ごめん、もう直ぐ出来上がるからみんなを呼んできてくれない?」


「ふむ…なら我が呼んでくるのじゃ」


そうアビスが言い残しリビングを出て、昨夜の寝室へと向かうのだった。

咲夜の寝室へと着いたアビスは扉をノックし呼びかけるも反応がない為、念話を飛ばすのだった。


{皆起きるのじゃ、主が朝食を作って待っておるぞ}


アビスが念話を飛ばすと、部屋から驚いた声が聞こえた為、早くリビングへ来るように伝えて戻っていった。


美「もう朝食の時間だったなんて…早く準備しないと」


リ「旦那さまが凄すぎてぇ〜、いつの間にか気を失ってましたねぇ〜予想外ですねぇ〜」


セ「まさか主様があちらの方も凄かったとは…満足いただけたか不安です…」


カ「まぁ確かに想定外でしたが、優しさと気遣いは感じましたので良かったのではないですか?」


美「そうですね…受け入れてくれたようですので、そこは嬉しいですが…前世は独身で年齢=彼女なしだったはずですが…まさか、5人がかりで圧倒されるとは…」


ス「そうですね、途中からいきなり激しくなりましたからね…何かスキルでも宿ったんじゃないでしょうか?」


リ「そうかもしれないですねぇ〜、まぁでも寵愛をいただけて良かったですぅ〜」


美「そうですね、断られなくて良かったです。でも5人でこれなら1人だと心配ですね…」


カ「それは旦那さまに加減していただくしか…」


セ「精進しないとですね」


ス「まぁ、それは後々考えるとして朝食をいただきにいきましょう?」


昨夜の出来事を話しながら身支度を整えてリビングへ向かう女性陣なのであった。


「おっみんな来たね、じゃあ席に座って、んじゃいただきます」


みんなが席についたことを確認し、号令をかける咲夜。みんなが思い思いに朝食を食べる姿を確認し嬉しそうにするのだった。


「パパどうしたの〜?」


「ん?いや…平和だなぁって思ってさ」


「まぁ、ダンジョン生活から抜け出せたからね〜♪」


「あぁ…みんなのおかげで無事に転生できたからね…まぁ、ダンジョンがある世界だから危険はあるけど、桜花さまから聞く限り冥府ダンジョンのような、超高難易度のダンジョンはないようだし、みんなとゆっくりできるかと思うと嬉しくてね」


美「それは咲夜さんが頑張ったからですよ」


「そうだよパパ♪パパは今度こそ幸せになるんだから♪」


「そっか…そうだよな。ありがとう」


咲夜はみんなと朝食を食べながら、前世では得られなかった幸福を感じながら過ごすのだった。


ーーーーーーあとがきーーーーーー


お読みいただきありがとうございます。


お読みいただき「面白い」「続きが気になる」など思いましたら応援や評価をいただけると気力が湧きます!


これからもお読みいただけるように頑張ります。

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