第11話

雄型従魔達が雌怖いと思っていた頃、咲夜とサクラは精霊樹の元へ向かっていた。


「自然豊かでのどかだな〜、クマとかもいたけど大人しかったし…」


『そうですね、聖域なので気性がおとなしくなっているんじゃないですかね』


「そうなんだ、でもエサとかどうしてるんだろうね?」


『木の実などの山の恵みで賄ってるようですね。聖域の植物なので栄養など豊富みたいです』


「ほぉ〜さすが樹木の精霊、よく分かるね?」


『それもありますが、この聖域に来てから能力が上がっているっぽいんですよ』


「そうなんだ…まぁ悪いことじゃなさそうなら、良いんじゃない?」


『まぁそうですね、あっあれじゃないですか?』


「おぉ?さっきまで見えなかったのに…頂上にあんなデカい木があったら見えそうなのに…」


『精霊樹付近に幻影結界があるみたいですね』


「まぁ普通に見えてたら騒がれているか…」


『精霊樹は貴重ですからね…あの精霊樹は桜の木のようですね…なんだろう懐かしい…』


「桜の木なんだ?開花したら花見でもしたいね」


『良いですね♪皆さんと宴会しましょう♪』


「そうだね、冥府ダンジョンでは宴会なんかできなかったし、こっちではゆっくりみんなで楽しもうか」


『はい!楽しみにしていますよ♪じゃあ、私は精霊樹と同化してきますね』


「うん、サクラがどう進化するのか楽しみにしているよ」


咲夜とサクラは言葉を交わし、サクラは気負うことなく精霊樹の元へ向かい、精霊樹へと手をかざし集中するのだった。

サクラが手をかざすと精霊樹とサクラを繋ぐ神聖な力が発生し、徐々に光を放っていき、目を開けれらないほど強い光が発生した為、咲夜は目を覆うのだった。


「サクラ!?」


咲夜が目を開けるとサクラが見当たらずに呼びかけるのだった。


『マスター大丈夫ですよ』


咲夜がサクラを探していると精霊樹からサクラの声が響き、ひとまず安堵する咲夜であった。


「あぁサクラ…良かった…」


『ご心配をおかけしてすいませんマスター』


「いや、サクラが無事なら問題ないけど…出てこれないの?」


『まだ同化中なので少し待ってください』


「あぁまぁこんだけ大きければ同化も時間かかるか…」


『それもあるんですが…この精霊樹は、私が精霊になる前に宿ってた樹の新芽から成長したみたいで…』


「へぇ〜サクラってやっぱり桜の木から発生た精霊だったのか〜」


『はい、マスターの前世で近くの公園にあった桜の木を覚えていますか?』


「おぉ?小さい頃何度か花見に行った覚えがあるよ。中心にある桜の木の花が満開で綺麗だったよ。

大人になった頃にはあまり花を咲かせていなかったけど」


『覚えていてくれたんですね♪その中央にあった桜の木が私ですよ』


「マジで!?そっかぁ懐かしいな〜」


咲夜と昔話をする中、サクラは同化を進め、精霊樹及び聖域内を把握し掌握するのだった。


『マスター同化完了です』


「お?終わったんだ。じゃあ出てこれるの?」


『はい、今から顕現しますね』


サクラが顕現すると言うと、精霊樹から光が発生したあと、精霊樹から光が降り注ぎ、咲夜の前に光が集まり人型へと変化していくのだった。


「すげぇ〜、明るいのに優しい光だ…」


『マスターこれからもよろしくお願いしますね』


「あっあぁ…よろしく…。大きくなったなサクラ…?」


咲夜が戸惑うに話しかけたサクラは、小学校低学年くらいの大きさになっていた。


「はい、成長しました♪」


「そっか…成長したんだね…」


「ダメでしたか…?」


「そんなことはないよ、大きくなってビックリしただけだよ」


「それなら良かったです♪この大きさなら、ご飯も食べやすいですね♪」


「まぁ確かに、妖精サイズだと砕いたりカットして少量だったもんね…」


「そうなんですよ!ちょっと羨ましかったです!」


「そっか…ごめんね…気が利かなくて…」


「あのサイズ頃は仕方なかったので大丈夫です。これから美味しいご飯を食べさせてくださいね?」


「そうだね、任せて!

そういえば羽は無くなったの?」


「いえ、収納できるのでしています。マスターと一緒に歩いてみたかったので♪」


「そっか、それじゃ家に帰ろうか?」


「はい♪帰りましょう♪」


咲夜とサクラは手を繋ぎながら、おしゃべりしながら家に帰っていくのだった。

サクラの話では、聖域内の結界が強化され、豊穣の力が上がったこと、湖も強化され淡水・海水問わず魚が生息していることを説明された。

また、聖域内の魔力などが向上している為、聖域内の動植物や従魔や咲夜などの生物が強化されていくことなどを説明されるのだった。


「ほぉ〜すごいなサクラは」


「いえいえマスターと桜花さまのおかげですよ♪」


「俺は何もしてないと思うけど…?」


「マスターのおかげでこの世界にこれましたから♪」


「まぁサクラが楽しそうなら良かったよ」


「はい、マスターと居れて楽しいです♪」


「そっか、それにしても結界が強化されたのは安全になるし良かったよ。しかも豊穣の力かぁ〜家庭菜園でもしてみようかね?」


「良いですね♪人手はスケさんにお願いすればなんとかできそうですし♪畜産ってのをすればお肉も手に入るんですよね?」


「まぁスケルトンを召喚してもらえば人手は増やせるね…畜産かぁ…大変そうだけど、これもスケさんにお願いすればなんとかなりそうだね」


「はい♪美味しいご飯のためにお願いしましょう♪」


「魚も湖で釣れば良いし…ある程度自給自足できるようになりそうだね…まぁ時間はありそうだし試してみるのも良さそうだね」


これからのことを楽しそうに話しながら家へと向かう2人であった。てか、咲夜はダンジョン攻略のこと忘れてないよね?大丈夫?



ーーーーーーあとがきーーーーーー


お読みいただきありがとうございます。


お読みいただき「面白い」「続きが気になる」など思いましたら応援や評価をいただけると気力が湧きます!


これからもお読みいただけるように頑張ります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る