本編

第10話

さて、ファンタジー地球へと転送された咲夜と美桜は宮先県にある聖域へと到着していた。


「おぉ〜町の近くなのに自然がいっぱいですねぇ〜」


「はい。町を除くこちらの山を含めた地域一帯が咲夜さんの土地となります」


「はぁ〜広そうですね…まぁ、家の見た目が派手じゃなくて良かったです」


「まぁ見た目は普通に抑えましたから、設備は拘りましたけどね」


「あぁまぁ、生活しやすければ大丈夫ですよ」


「家の内部設備は最新というか、オール魔道具なのでちょっとよそ様には見せられないですけどね…」


「えぇっと、もしかして他では作られていないものもあります」


「はい。ありますね」


「なるほど…まぁ便利なら気にしないことにします」


「まぁまずは家に入りませんか?」


「そうですね、玄関前に立っててもしょうがないですし…」


咲夜はそう言いながら玄関のドアを開けて中に入るのだった。美桜の案内の元、廊下を歩き広いリビングへと案内され既に設置されているソファーへと座るのだった。


「うわぁ…フカフカなソファーですね…高そう…」


「こだわりましたから、お茶を準備しますが何が良いですか?」


「コーヒーはありますか?」


「はい、準備しますね」


美桜は返事をし、キッチンにあるウォーターサーバーのようなものにカップを設置し、ボタンを押すとコーヒーが出てくるのだった。


「はいどうぞ、砂糖とミルクは如何しますか?」


「あぁこのままで大丈夫です」

「美桜さまもコーヒーですか?」


「いいえ、私は紅茶ですよ」


「さっきの紅茶も出るんですね…」


「はい、今のところは緑茶・麦茶・玄米茶・ほうじ茶・紅茶・烏龍茶・コーヒー・水がホットとアイスでできますよ?」


「そりゃまた…便利ですね…」


「神域の知り合いに頑張って色々と作らせましたから♪」


「あはは…その知り合いの方に感謝をお伝えしておいてください…」


「かしこまりました。それと咲夜さん、夫婦なんですからさま付はやめませんか?」


「あぁ…そうですね…美桜さんで良いですか?」


「呼び捨てでいいんですが…まぁそれはおいおいといううことで我慢します」


「すいません…」


「いえ、いきなりですし仕方ないですよ、まずは庭も広いですし、従魔の皆さまを呼んではどうですか?心配されていると思いますし」


「あぁそうですね。あっ縁側があるんだ…じゃあ縁側に出て…従魔召喚!」


咲夜が従魔を召喚すると従魔達とサクラが庭へと召喚されるのだった。


『マスターやっと呼んでくれたんですね』


「あぁ、遅くなってごめんよ〜。ここがみんなとの新しい拠点だよ」


従魔一同「おぉ〜」


「ここら辺一体の結界の中なら好きにしていいけど、結界の外には出ないようにね?

家の中に部屋も作れるから、欲しい時は言ってね」


従魔一同「分かりました」


「うん、それじゃあ、これからどうするかを話し合おうと思うからよろしくね」


咲夜は従魔達にこれからのことを話し合うのだった。

従魔達は基本的に家や獣舎に住み、結界内を探索することを望んだ為、咲夜は環境破壊をしないことと、できるだけ野生生物と共存して欲しいことを伝え許可を出した。

また、従魔達は咲夜がダンジョン攻略に行く時には付いて行きたいと望んだが、全員だと過剰戦力になりそうな為、交代で行くことを決めた。

ただし、まずはゆっくりと過ごしながら、情報収集することを従魔達に伝えるのだった。


「あっ、あとサクラはこの後進化する為、精霊樹のところに一緒に行こう」


『進化ですか?』


「そう、桜花さまがサクラが精霊樹と同化すれば進化できるって教えてくれたんだ」


『そうですね、分かりました』


「同化しても一緒に居られるって聞いたから、問題ないかなって思ったんだけど…嫌ならやめとく?」


『いえ、大丈夫です。精霊樹の所に行きましょう』


「うん、分かった」

「みんなは何かあるかな?」


ア「のぅ主よ、冥府ダンジョンのコアを借りてもいいかのぅ?」


「ん?良いけどどうするんだ?」


ア「きになってのぅ、色々と調べてみようとおもってなぁ、駄目かの?」


「いや、かまわないよ。んじゃダンジョンコアはアビスに預けるね?けど、何かする時は教えてね?」


ア「了解じゃ、まぁ有効活用できないか調べるだけじゃよ」


「そっか、よろしく頼むよ。他に何かあるかな?」


カ「旦那さま、私たちもお部屋をいただけるんですか?」


「勿論、従魔用亜空間は何もないって言ってたし、こっちにいた方がみんなも楽しめるでしょ?」


リ「そうですね、ありがとうございます」


「部屋を増やしたりできるって話だから、美桜さんに相談して自分に合った部屋を作ると良いよ」


セ「主様、道場は作れますか?」


「あ〜美桜さん、どうなんでしょう?」


美「可能ですよ、家の側に作っておきますね」


「できるんだ…お願いします」


ス「主様、私は地下に部屋が欲しいのですが…」


美「地下への増設も可能ですのでご心配なく」


ス「畏まりました」


「他になさそうなら、ちょっとサクラと精霊樹の所に行ってくるよ」


美「分かりました、従魔の皆さんの要望をお伺いして、対応しておきますのでサクラさんと行ってきてください」


「ありがとうございます。それじゃサクラ行こうか」


『ありがとうマスター。行きましょう〜』


美桜達は咲夜とサクラを見送り、話し合いを続けるのだった。


美「それじゃあみなさん要望をお伺いしますよ」


カ「旦那さまの寝室はどうなっていますか?」


美「咲夜さんの寝室は広く、ベットもキングサイズを用意していますよ。遮音性も高くしてます」


リ「さすがですねぇ〜美桜さま。でもぉ、美桜さまは旦那さまの奥さんですよねぇ〜?私たちが混ざっても良いんですかぁ〜?」


美「皆さまの冥府ダンジョンでの活動は見ていましたから、セツナさんにカーミラさん、リリスさんにシルクさんとスケさんが咲夜さんに懸想しているのは知っていますよ」


セ「拙者は…主様に憧れているだけで…懸想などと…」


スケ「いや…気付いて居ないのは主様くらいですよ?まぁ私も進化して肉体を欲するくらいには主様のそばに居たいと思いましたからね」


セ「グッ…」


シ「ご主人様は魔物だろうが仲間として差別なく接してくれる方。しかも、強くて優しい方なので、雌として欲するのは仕方ない…」


リ「そうですねぇ、ダンジョンでは誘惑してもはぐらかされましたが〜…もう危険もないですしぃ…遠慮はしませんよ〜」


美「まぁ、前世では異性に好意を向けられることがなかったようですから…慣れていないのもあると思いますが…」


咲夜が精霊樹の所に向かった後、女性型従魔と美桜による咲夜との共有計画が話されているのだった。



ーーーーーーあとがきーーーーーー


お読みいただきありがとうございます。


お読みいただき「面白い」「続きが気になる」など思いましたら応援や評価をいただけると気力が湧きます!


これからもお読みいただけるように頑張ります。

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