第9話

さておっさんを地上でサポートしてくれるという使徒様とはどのような方なのか…。


『そうですね〜、美桜は優秀ですよ…?ちょっと地球のサブカルに当てられてハマっちゃっただけで…仕事はできる子ですよ?』


「えぇっと…優秀な方なんですね…もしかして現地でサブカルを楽しみたいからサポートとして来てくれるとか…?」


『いえそれは違います。楽しむだけなら神域でもできますし…』

『美桜はあなたの前世の境遇を知っているんですが、冥府ダンジョンに転送された後も心配して見守っていたようで、あなたの事を気に入ったようでして…あなたについて行くとあの子から嘆願してきたんですよ』


「そ…そうなんですね。ダンジョンでの事見られていたんですね…」


『はい。すごく褒めていましたよ。強くなっても驕る事なく謙虚で、慎重にダンジョンを攻略していると嬉しそうに報告してくれましたよ』


「あはは…なんか恥ずかしいですね…」


『あなたの事を見守っていたことで、いつの間にか恋焦がれてしまったようでして…本当は他の子をサポートとして送る予定だったのですが、美桜がどうしてもあなたと一緒にいたいというので…』


美『桜花様!!何をお話になっているんですか!?』


『あら、美桜…ちょうど良いわ。あなたの事を伝えていたのよ』


「あ…こちらの方がついてきてくれる美桜さまですか?初めまして。そういえば名前はまだないんだった…」

(はぁ〜美桜さまも美人さんだなぁ…白銀の髪に切長の目、白い肌にメリハリのあるスタイル…スーツ着てメガネかけたらできるキャリアウーマンって感じだなぁ…)


美『初めまして、名前はこちらで設定させていただきました…咲夜さまこちらをご確認ください』


美桜がおっさ…咲夜の目の前にパネルを出現させて、パネルを確認するように促した。


名前 神代 咲夜

種族 神人

年齢 20

性別 男


「あぁ名前が決まったんですね…神代咲夜ですか…ありがとうございます。

でも種族が神人っていうのはなんでしょうか?」


『あぁそれはごめんなさいね。咲夜のステータスが高くなりすぎて、魂の位階が上がっている為に普通の人間の肉体では耐えられないのよ』


美『申し訳ありません…どうにかしようとしたのですが、無理でした』


「あぁまぁいえ…それなら仕方ないですね」

「転生先で普通に生きられるなら大丈夫ですよ」


『そうですね…不老になることと、病気にならないこと、再生能力が高いことですかね…人間との違いは?』


「んん?不老ってやばいんじゃ…?」


美『一応は老化している風に見えるようにはしています。ただ、いつでも20歳の状態に戻れますが…私も不老なのでいつまでもお側にいられますから問題ないですよ?』


「あっはい…でも、向こうで怪しまれないですかね…?」


美『それは私の方で調整しますので問題ないです。まぁ、既に使徒が何人か現地に居るので、不老である存在が居ることは一部の人間には知られていますから』


「はぁ…そうなんですね…問題ないなら大丈夫です」


美『それに公ではないですが、現地では他種族の存在も確認されていて、一部の方は共存されているので、長寿な方が居るのは一部で認識されています』


「ほぁ〜他種族も居るんですか…会ってみたいですねぇ」


『あら、咲夜の前世でも居たのよ?表に出ていないだけで、エルフやドワーフも居たのよ?』


「マジですか!はぁ〜世界は不思議がいっぱいだったんですね…」


美『咲夜さまが暮らす場所が場所ですので、もしかしたら、接触してくる種族も居るかもしれませんね』


「そうなんですか?まぁ、会ってみたいとは思いますが…こちらの生活に不都合が出ないなら…」


『それは会ってみないことには分からないんじゃないかしら?

まぁ、美桜がなんとかしてくれると思いますよ?』


美『はい、咲夜さまが楽しく過ごせるように全力を尽くします』


「ありがとうございます。でも、あまり無理はしないでくださいね?」


美『ありがとうございます。無理はしない程度に頑張らせていただきます』


『良いじゃないの現地では夫婦なんだし、お互いを支え合って頑張ればね』


「はぁっ!?夫婦?どういうことですか!?」


『あぁ言ってなかったわね。現地では咲夜さんと美桜は夫婦ということになっています。じゃないと常にサポートするのに不便ですからね』


「えぇ…確かにそうかもしれませんが…え〜と美桜さまは良いんですか?」


美『はい!私から提案しましたので、問題ないですよ?』

『種族的に子作りもできますし…』


「子っ…えぇっと…ええっと…まずはお互いを知ることからで良いですかね…?」


美『勿論!不束者ですが、よろしくお願いしますね』


「ええっと…こちらこそ宜しくお願いします」


『うんうん、咲夜さんと美桜が仲良くできそうで良かったです』



美『はい』


「頑張ります」


『あぁそれと、現地はダンジョン崩壊でモンスターが溢れたせいで人口が減っているので一夫多妻制ですから、ハーレムも作れますよ?』


「ちょっ…桜花さま!?作りませんよ!?」


『あらあら…分からないですよ?こちらで勝手に美桜をお嫁さんにしてしまったので、咲夜さんが自分でお嫁さんを探しても良いんですよ?』


「いや…ええっとそこら辺はすぐには考えられないですよ…」


美『私が側に入れるなら、奥さんが増えても気にしないですよ?』


「えぇ…前世は独身で彼女も居なかったから…いきなり言われても無理ですって…」


『まぁ美桜を受け入れてくれれば良かったので、他はゆっくりと考えてくれれば問題ないですよ』


「はぁ…善処します」


『じゃあ、他に聞きたいことがないようでしたら、そろそろ転送しましょうか?』


「まぁ…分からないことがあれば美桜さまに聞けば良さそうですし…お願いします」


『分かったわ、じゃあ良い人生を送ってくださいね。

美桜も咲夜さんのことをお願いね』


「桜花さま…色々とお世話になりました…ありがとうございます」


美『お任せください』


『それじゃあ頑張ってね…』


別れの挨拶を交わすと、咲夜と美桜を囲むように光の柱が出現。そして、強い光を放ったあとに光の柱は消滅し、咲夜と美桜はファンタジー地球へと転送されたのだった。


ーーーーーーあとがきーーーーーー

昨日初めてこの作品で応援及び評価を頂きました。誠にありがとうございます。


今後も何卒よろしくお願いしますm(_ _)m

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