第8話
おっさんは女神桜花から転生先でしないといけないことがあるのかを聞いていた。
桜花の説明によると、まず強制ではないことを前提として。
・不人気なダンジョンの攻略
・高難易度のダンジョンでのモンスターの間引き
・人口密集地でダンジョン崩壊が発生した場合のモンスター討伐の手伝い
・高位モンスター素材の売却
などをお願いされていた。
「強制ではないんですね…?」
『元々あなたの転生は悪神の行為に対するお詫びでもあり、次の人生は幸せに過ごして欲しいとの思いからですので…』
「あぁ〜ありがとうございます。でも、自分にできる事はしていきたいと思います。」
「ただ、素材の売却ってのは…?普通に売るつもりですが?」
『それはですね、現在高位の冒険者もいるのですが、高位の素材などは一部の方々に独占されている状態で…市場に流れても高額の為、一部でしか技術などが発展していないんです』
「なるほど…技術が発展すれば装備の質が良くなりモンスター討伐の難易度が下がるかもしれないし、魔道具が作られれば生活の質も上がる可能性があるのか…あとはダンジョン崩壊時に対する備えもできるかもしれないのかな…?」
『そうです…技術が発展すれば便利になると思うのですが、そこまで余裕がないと言うか自分本位な方がいらっしゃると言うか…』
「それは大変そうですね…
てか、高位モンスターの素材流したら…私が大変なことに巻き込まれたりしないですか…?」
『いえ、悪神がご迷惑をおかけしたお詫びとして、転生時に天使…現地では使徒と呼ばれていますが…あなたのサポートとして送りますので…あなたの生活や素材の販売などを担当してくれますので問題はないと思いますよ』
「そうなんですね…ありがとうございます」
「ん〜あとは転生ってことですが…赤ん坊からやり直しですかね…?」
『あぁ説明していませんでしたね…転生とはいっても赤ん坊からではなく、こちらで用意した肉体に魂を定着させることになります』
『こちらで用意した肉体は20歳で設定していますので、赤ん坊からではないですよ?』
「それはそれで現地での常識など大丈夫ですかね?」
おっさんは気になることを桜花に質問し、認識をすり合わせていくのだった。
桜花の説明ではファンタジー地球の日本で、前世の生まれである宮先県に土地と家を準備してあり、そこは聖域である為に普通には認識されず、衛星にも映らない状態で、結界もある為に普通には侵入できないとのこと。
準備している土地は広く山や湖も含まれている為、従魔も問題なく過ごせるとのこと。
家も庭も広く、魔法で改造できる為に不足はないだろうとのこと、電気ガス水道などや家電は魔道具で賄っているが、聖域の魔力をエネルギーとし問題なく稼働するとのこと。
付近には商店街や大型商業施設もあり生活に問題はないだろうとのこと。
ただ、前世と同じく宮先県は田舎にあたる為都心部に比べると不便がある事は謝罪された。
また、現地での肉体はサポートとして送られる使徒が趣味に走ってはいるが誠心誠意作成していること。
身分証は探索者証に統一されている為、用意していること。
移動手段なども使徒が準備しているとのこと。
また、資金は冥府ダンジョンの素材を販売すれば大金になるので、現地に行ったら使徒に販売してもらえばいいとのこと。
などの説明を聞き、おっさんは使徒の趣味に走っているとの説明部分にに心配になったが、もうどうしようもないと思いスルーするのであった。
「なるほど…ずいぶん至れり尽くせりですね…ありがとうございます」
『他に何か気になる事はありますか?』
「そうですね…家電など魔道具で賄っているとの事でしたが…インターネットやテレビなどは引けるんですかね?」
『あぁそれも魔道具で賄ってますよ。それに通信速度も速くて無料で利用可能です!』
「おぉ〜それはすごい」
「じゃあゲームとか楽しめそうですね。
あとはスマホとかってどうなっているんですかね?」
『スマホはあなたの前世とそこまで変わらない仕様ですが、魔石モデルがあり魔力があれば稼働し続けるタイプがありますね』
「おぉ…なんか凄そう…」
『まぁダンジョンに長期間籠るのに電池式じゃ保たない問題があった為改良されたようです』
「確かにそれは必要ですね…てことはダンジョンでもスマホは利用できる…?」
『できますよ。魔力を利用して通信を行っているので、電波が届かないという問題もないようですね』
「はぁ〜凄いもんですね…じゃあネット小説にあったダンジョン配信なんかもあるんですかね…?」
『ありますね。ダンジョン配信に興味があるのですか?』
「自分がするつもりはないですが、見てみたいですね」
『そうですか…まぁ、あなたが配信すると異次元すぎて理解できないと思うので、しないほうが良いかもしれませんね』
「異次元って…転生したらステータスとかリセットされるんじゃ?」
『リセットされませんよ?ステータスは魂に刻まれていますのでそのままですよ?』
『そうしないと従魔達を連れていけませんし』
「それは助かります…従魔を連れていけないのは寂しいですから…そういえばサクラはどうなるんですか?」
『あなたが良ければ、そのまま樹木の精霊であるサクラを連れて行ってあげて欲しいのですが』
「勿論!良かったぁ…サクラも連れて行けるんですね…ありがとうございます」
『もし良かったらなのですが、現地に着いたら聖域にある山の頂上に精霊樹があるので、サクラをそこに連れて行ってあげてください』
「連れて行くと何かあるんですか?」
『はい、サクラが精霊樹と同化すれば聖域の主となり、サクラが進化します。あっ精霊樹と同化しても今まで通りサクラを連れて歩けますよ』
「進化ですか…特に不都合はなさそうですし、サクラを連れていきますよ」
『お願いしますね。他には何かありますか?もう少し時間がありますが…』
「ん〜じゃあ使徒さまってどんな方なんですか…?」
おっさんは趣味に走っているという使徒様について伺うのだった。
ーーーーーーあとがきーーーーーーーーーーー
昨日初めてこの作品へのフォローを頂きました。誠にありがとうございます。
今後も何卒よろしくお願いしますm(_ _)m
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