第3話

 さて、スキルと魔法を確認し便利そうであることは判明したが、ユニークスキルは果たして…


「あとはユニークスキル?売店は桜花さまがくれたお買い物ができるスキルなんだろうけど…創造に随時適応化ねぇ〜」


『マスター、創造スキルって凄そうだよねぇ〜』


「まぁ鑑定すれば何かわかるか」


 ユニークスキル:創造

 MPを消費し、想像したものを創造する。


 ユニークスキル:随時適応化

 スキル所持者が随時適応していく。


 ユニークスキル:売店

 スキル所持者の記憶を元にお買い物ができる。


「ふむ…簡素な説明ですなぁ…」


『まぁ鑑定の熟練度が低いからじゃないかなぁ〜?』


 まだ鑑定先生の熟練度が低い為に鑑定結果が簡素化されているので、説明は少ないがある程度想像が付きやすいと思われる。


 まず創造スキルはMPと想像力があればアニメや漫画に出てくる物が創造できるのだ!MP次第だが夢のあるスキルである。


 次に随時適応化だが、スキル所持者を作り変えるスキルである…例えば分かりやすいのは雪山などで寒さを感じたら、寒さに対応できるように肉体を変化させるスキルである。ただし、見た目の変化は少ない様子。


 最後に売店スキルだが…所持者の記憶にある物が販売されているのである。ただし、購入するにはモンスターの魔石が必要である。商品を買いたければモンスターを倒して来いと言わんばかりのスキルである。


 まぁ有用なスキルであることは間違い無いので、運の良いおっさんであることは間違いない。


「そういえば、今更だけど…ここってダンジョン内なんだよね?こんなのんびりしていて大丈夫なのかな?」


『本当に今更だね!ここは安全地帯だから大丈夫だよ〜』


「それなら良いか…てかステータスがLUK以外貧弱じゃね…?」


『まぁ本来は初心者向けの試練のダンジョンで特訓して、能力を向上させてから転生する物だからね〜。

 でも転生予定先では基本的にS〜Fの7段階だから下から3番目ばかりだからそんなに低く無いよ〜?LUKは異常に高いと思うけど。』


「あぁ〜基本的に上はSまでなのか…てか前世は運が良かったことないんだけどなぁ…」


『まぁLUK以外は桜花さまのサービスでDなんだと思うよ〜。

 普通ならFとかあってもおかしく無いし~』


 サクラはLUKの高さに納得していたが、前世では神によりLUKを奪われていたから不運だったことを話すつもりがない為スルーしていた。


「まぁ分からないことは考えても仕方ないし後回しにしよう。それで、この冥府アビスダンジョンは超高難易度なんだよね?」


『うん…攻略不可って言われていて、なんとか封印されているよ…』


「ほぇ〜LUK以外Dで攻略できるような場所じゃないよなぁ…」


『まぁ普通は無理だと思うけど…マスターならレベルを上げればいけるかも?』


「あれ?レベルとかあるの?鑑定では表示されなかったよ?」


『表記はされてないけど…モンスターを倒せばステータスが成長したりスキルが生えたりするよ?』


「なるほど…成長要素があるのか…。訓練とかでステータスUPしたりはしないの?筋トレとかさ?」


『ん〜筋トレでも上がるけどすっごく時間かかるよ?訓練するなら武器の扱いや魔法の練習の方が強くなれると思うよ?』


「あぁ〜確かに実戦に役立つ訓練が良いのか…武器や魔法なんて使ったことないからなぁ…。じゃあ先ずはできることを確認だなぁ…創造スキルが気になるんだよなぁ」


『MPがあれば想像すれば創造できるってやつだよね〜』


「MPがあれば良いってことはさ、MPを増やす何かが創造できないかな〜って思ってさぁ。最大MPが増える食べ物とか創造できたらラッキーだよね?」


『そんなのができたらチートまっしぐらだね〜』


「まぁものは試しってことで、スキル創造、最大魔力増加の実!!」


 おっさんが試しにと手のひらを上にしてスキルを使用したところ、目の前にパネルが表示される。そのパネルに目を通すと最大MPを増加する実について説明が書いてあり驚いていた。


「おぉ…いけそうだ…消費したMPの1/10が増える魔力の実が創造できる…。ならMP100消費で10増えるのか…これは試しに創造するべきだなぁ…。魔力の実を創造!」


『ちょっ!?マスター』


「うぐっ!」


 サクラがおっさんに声を掛けるも、既におっさんはスキルを発動してしまった為にMPが無くなり呻いて気絶してしまうのだった。そう、MPを使い切ると魔力切れを起こし意識を保っていられず倒れてしまうのだ…哀れなり。おっさんは何も考えずに全MPを消費してしまった為気絶する羽目になったのだ…自業自得である。


『何をしているんですかねマスターは、はぁ…安全地帯で良かったぁ…。でも、魔力の実はしっかり創造できたみたいですねぇ…なんか金色で派手ですけど〜。まぁ、マスターが起きるのを待つとしますか〜』


 サクラは仰向けに倒れたおっさんのおでこにちょこんと座り、おっさんが目覚めるのをのんびりと何故か楽しそうに待つのであった。


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