第12話

長期期間な任務が意外と早く終わりそうなのである


理由は簡単でここ数日集団で襲ってきた獣の数が激減していることから大丈夫であろうと判断されたのと原因が九尾であると決められたからである  


強い獣から逃げる様にして獣がこちらにくる様だったが九尾が居着いた場所は獣が少なく逃げてくる個体も少なかったからだ


輸送機に乗り込み帰ろうとすると後ろから支部長さんがいた


「今回は1人で良くここまで戦ってくれたな、本当に助かった…それでなんだがこっちに居るつもりはないか?」


引き抜きか…こっちでやれることはしたから向こうでまだやることが残ってるので引き抜きは断る


「そうか…まぁ、向こうでも頑張ってくれ」


そう言って帰ってく支部長さん…まぁ、戦力は欲しいもんな。仕方ないか


椅子に座り出発を開始してもらう、ゆっくりと進み始めて速度をつけていくのを感じられる


窓の外を見ると空に旅立っておりいつも通りの綺麗な空だと思う…時々ではあるが白色の雲から黒色があったりとするので空を飛ぶ獣なんだろうなと思いながらぼーっとする


帰路は特に危険も救援もなく本部に着いたので退屈だった


輸送機から降り、作戦本部に行き長期任務の完了を伝える


「ご苦労であった…そして向こう側であった事についてはこちらにも情報が来ているので良くやった。それで報告にはあったがチョーカーを付けていないそうだな?」


そりゃ、貰ってないから付けてないんだがいつになったら貰えるんだ?


「チョーカーは部屋にあった筈だが…まぁいいこちらが伝え忘れていただけだ。それと調整を行なっていないだろう?それもついでにしておけ」


部屋にあったかな?覚えていないから後で見に行くか…多分調整ってのは獣因子のことだよな、確か調節していかないと獣化するから大事だよな



部屋に行きチョーカーを回収してつけてから調整をしに行くんだがどこでやるんだ?


因みにチョーカーが示していた数値は73%だったのだが高過ぎないか?流石に残りの27%は人間の部分ってことだろう?それがどんどんと失われるのは人間性を失うってことだもんな、それはなんか嫌だな


調整する場所は病院内らしく受付の人に調整をしに来たと言ったら調整室の待合に通され座って待っていると呼ばれたので部屋に入っていく


「君は…始めての調節だね?チョーカーを見せてくれるかな?」


そう言われてチョーカーを見せると


「良くここまで放置してたね…次は早めにくる様に」


そんなに高かったのか…割といつも通りなんだけどな


「ここの本部でも流石にここまで高い人は居ないんだ…平均だと45%もないんだよ。だから君は高すぎるんだ、平気なのも元々高かったこともあるんだろうが調節をしていないから10%ぐらい高くなっていると思うよ」


そうなのか…俺の体は獣因子に適応しつつあるってことなのかな?後限界値が高いのか


「注射をするから腕を出してくれ」


そう言われ袖を捲り腕を出すと医者さんは血管を探った後そこに注射を刺し込み薬品を投与して行き終わった後素早く止血をする


「しばらくは大丈夫だけど何かの拍子で体内の獣因子が上がることがあるんだ、気をつけてくれよ」


そう言われて調整は終わった様だ。確かにチョーカーを見ると67%まで減っていたので段々と効いてくるだろうとおもった



病院から出ていき今日は暇なので部屋に戻り寝る事にした…長期任務を終えたばかりだから休みがあるのだ



休みがあだだけど1日もないんだが?急に呼ばれたので急いで向かう


「長期任務を終えて早々なのだがここの調査を任せたい」


そう言われて地図を見ると旧北海道だった


「旧北海道は今は誰も任務についていないのだが広大な土地であることや海に隔てられているので防衛面から見て最も良いので最終目標なのだが近くにいる調査班からの連絡が途絶えた」


なるほど…それの調査か、けど調査班って結構強い人たちじゃなかったっけ?


「今回の班の中には様々な役職持ちが居たにも関わらず連絡が途絶えたのには原因があるが間違いなく獣による攻撃だろう…最後の通信では平和だと言っていたがそれが今になってはこうだ」


気をつけていけってことね、頑張るか


「目標は調査班の痕跡を探すことともし可能であれば調査班を襲った獣の存在を確認することだ」


了解、そう言って作戦本部を出ていき貫通弾を買いに行く


「やぁ、武器のメンテナンスなら終わったけどどうしたんだい?」


次の任務で貫通弾が大量にいるから弾丸を入れる用のポーチとか作成してくれるか?


「それくらいならお安い御用さ、所で次の任務の場所は何処なの?」


旧北海道に居た調査班が行方不明になったからそれの捜索と痕跡集めだよ…流石に広大な大地らしいから貫通弾は多めに持っておきたいんだ

 

「旧北海道か…あそこは旧青森支部から調査の派遣をしている筈だけどどうしてもこっちに来たんだろう?」


そうなのか?それならばこっちにくる理由がないんだが…仮にだが向こうの最高戦力が調査班にいて全滅したとなったらこっちにくるのは納得するんだがな


「向こうの最高戦力は確か因子の侵蝕度が高いって聞いたよだから他の人よりも優秀って感じだったらしいけどね」


なるほど、具体的な数値とか分かるか?俺よりも高くて負けたとなるとかなりの任務になるんだが


「数値的に見れば高い部類に入るんだけど確か60もなかった気がするよ…けどそこまで行くと大体の人が獣よりの思考に時々なるから大変なんだって」


あー俺もそうなのか?いや客観的に見てないから分からないが戦闘中は笑ってたりとするのだろうか?そこら辺はよく分からないな


「出来たよ、バラバラに入れる様だけど大丈夫だよね?綺麗に入れるとなると戦闘中に弾をすぐ取り出せないって言われるから」


それで良いよ大量に貫通弾が使えるなら


「あー後手袋なんだけど新しいの作ったよ」


性能はどうなんだ?


「メインを張れるぐらいに強い武器になったよ。それと籠手も作ってみたんだけど低級ぐらいの獣の攻撃は防げるって話だからこれも持っていって良いよ」


なんか色々なものを貰ったので大事に使おうと思う



準備を終えて一日が過ぎると昨日と同じくらいに呼ばれたので向かう


「それでは今回の任務を伝える、旧北海道の調査班なら痕跡を集めてこい。それと旧青森支部には近づくなあそこは補給地点だが現在は支部内で争っているらしいので関わると時間が持っていかれる為だ」


調査班にみんなのまとめ役みたいなのが居たから大丈夫だったけど見たいなかんじかな?よくは知らないけど


「前回同様にこの広範囲に電波を拾えるイヤホンを付けていけ、オペレーターはこちらでやる為何かあったら報告しろ。以上だこれより任務を開始してくれ」


南乃花さんに手だけ振って部屋を出て輸送機に乗り込む


航路自体は至って平和だったが着地は飛び降りなくてはならなかった…本来は橋を渡っていくらしいんだが今は支部内での争いのせいで通らないらしい


飛び降り地点に着いたので飛び降りる…前回と違って急いでの着地ではない為周囲の安全を見渡し一度空から痕跡がないかをみるが特になさそうだ


降りてみても獣の足跡すらないので平和そうに見えるが実際はどうだか分からない…もしここだけの獣がいたらかなり厄介な筈だから警戒を怠らずに進んでいこう



降りた地点は街だった為残骸が広く残っているもの最近出来た傷や古い傷と様々な時期の傷が伺える


街中を歩いていくがどうにもおかしいのだ…獣の痕跡がなさ過ぎるのだ、大なり小なり獣の痕跡はある筈なのにない為何か起きていることは確定していると間違いがないだろう


調査班もそれに気付いて奥の方へと進んでいった筈だ


しばらく歩いているが人間の痕跡すらない為こちら側には来てないという可能性がある為周りを見渡す為高台に移動を開始する


特に何もなく平和な道筋だ…しかし、油断してはいけない為気をつけながら行くが高台に着く頃には警戒心が薄くなっていた


高台…ビルの屋上に出ると周りがよく見渡せた


瓦礫群が立ち並び遠くの森は暗くよく見えない…瓦礫群に意識を向けて痕跡を探すが何もなく本当に道を間違えた可能性がある為一度元の位置に戻る必要がありそうだ


ビルから降りて飛び降りた地点ら辺に戻っていくと着地した地点で別の痕跡があった為俺以外の人がいることがわかったが旧青森支部では内部争いがあった筈で橋は封鎖されている筈なんだがどうしてここに人間の痕跡があるんだ?


一度通信を入れて確認してみる


「貴方以外の人の痕跡ですか?今旧青森支部に確認してみますね」


そう言って5分くらい待っただろうか、そのぐらいで通信が帰ってきた


「旧青森支部ではやはり橋の封鎖は続いてるそうなのでもしかしたら調査班の可能性がありますね、もしくは例の団体かと思われますので気をつけて下さい」


一番いいのは調査班次点で内密に来ている旧青森支部の人間で最悪なのがテロリストか未だにあったこと自体がないが人間相手に剣が振るえるだろうか?

そんな心配があるが命のやり取りとなったらやるしかないだろう…生き残るために


痕跡は1人だけだったため調査班が一番いいがなんで今まで見えなかった痕跡が急に見えたのかが疑問なんだよな…調査班は今いる街をある程度は知っているはずだがら帰還できるはずなのに帰還しないのは謎なんだがそこら辺は怪我人がいる為なのと1人では絶対に守れないって所か?


気にした所で仕方ない為足跡について走っていく


走っていくと前方に肩を垂らして歩いている人間がいた為いつでも剣を抜ける様にして話しかけると


その人間は振り向いてこちらを確認すると苦痛な表情から安心した表情になった


「アンタは救援の人か?頼む他に仲間がいるんだ俺1人じゃあ守って帰還できやしないんだ助けてくれ」


そう言ってこちら側に歩き始めてくるが警戒をしておく


「案内するからついてきてくれ」


そういって俺の横をすり抜けて来た方へと歩き続ける男性


警戒して損をした可能性はあるがアイツの腕にはチョーカーがついていなかったためなんらかのせいで壊れて外れたか、もしくはテロリストの可能性がある為警戒しておく


一応通信をオープンにしてこちらの声だけは聞こえる状態にしておく


「なぁ、アンタは旧青森支部じゃみなかったけど何処から来たんだ?」


俺は日本本部から来たがそれがどうした?


「いや気になっただけさ、1人で降下してきたのが見えたからここまで歩いてきたんだ」


そうか…アンタ名前はなんて言うんだ?


「そういえば名前をいってなかったな俺は松永さ、そうだな一応旧青森支部では戦闘部門の斥候を行ってたんだ」


通信で調査班の中に名前が入っているかの確認をさせつつ話を続けていると名前は無事にあったらしく旧青森支部の人間達は一度争いを中断して橋に迎えを用意してくれるそうだ


「俺の他に2人いて、片方は足がないからどう足掻いても守りきれないんだ…もう1人は片腕は炭化している為武器がまともに扱えないんだ…アイツが使う武器が銃だからな」


そうなのか…他の調査班はやられたのか?


「あぁ、やられたよ。俺は怪我人を背負って戦線離脱したから無事だったが残ったアイツらは俺が戻った頃にはもう誰1人姿がなくて、あったのは血と肉塊だけだったさ…」


そうか、1人でも無事ならいいさ…情報を持ち帰ってくれる人間がいればいいからな


「それはそうだが俺はアイツらになんていえばいいんだよ…」


そんなのは俺には関係ないから、分からないが帰ったら報告と強くなるために必死になれば変わるんじゃないか?


「それは無理だ…俺はもう戻れないんだアイツらを橋に届けたら俺は死んだと言っておいてくれ」


松永さん、敵討にいくのか?そんなボロボロで?


「違う…俺は容量を超えたからな、今はまだ守る人達もいるからいいがもう大丈夫になったら多分侵蝕が激しくなるだろうよ」


元々の数値はなんだったんだ?


「元々は32%だったが完全に手を付けられなくなったら自動でチョーカーが外れるんだ…最初は壊れたと思ったが壊れてなかったのを確認して俺は助からないと分かったんだ。だからアイツらを橋まで送るまでは頑張らないといけないんだ」


そうか、松永さんは仲間を守るために頑張ってんのか….なるべく早く橋に行かなくちゃな


「ここだ…入ったらすぐに炭化した腕持ちがいる、奥に足がない奴がいる。」


そういって扉を開けて戻ったと松永さんが言うと確かに腕が炭化した男が部屋から出てきた


「松永戻ってきたってことは隣の人がそうなのか?」


「あぁ、そうだこの人に助けてもらう…アイツの調子はどうだ?」


「まだ眠ってる、起こしてくるか?」


「そうしてくれ、起きたら移動開始だ」


「分かった」


そういって腕が炭化した男は奥の方へと歩いていく


「勝手に決めてすまないな…俺に残された時間が後どのくらいあるのかが分からないから急がないといけないんだ」


確かにな…足がないって言ったが片足か?それとも両足か?


「片方は完全に膝までなくてもう片方は無事だが歩くには人の手伝いがいるんだだから戦闘できる人がもう1人欲しかったんだ」


じゃあそいつが起きたら移動を開始しよう…俺は外に出ておくから準備ができたら外に出てきてくれ


「分かった…すぐに準備を終わらす」


外に出て通信を入れてどうするかの確認をしつつこれから行うことを決定した…


松永さんは今の所何もない為本当にチョーカーがおかしくなった可能性を視野に入れつつ一度外で検査することにする為橋に連れて帰ってほしいことと負傷者は連れて帰って情報を貰うことだ…


外で警戒しながら待っているとやっと出てきた松永さんと、負傷者2人…


ここから歩いていくとなると時間がかかるが大丈夫か?


「大丈夫だ…獣が苦手な匂いを散布しながら歩くから襲われはしないだろう」


そういって散布しながら歩き始める…周囲の警戒をしつつ歩いていくと橋が見えてきた為松永さん達は希望を持ち始めた…最悪負傷者2人を担いで走ることも出来るため獣に注意しつつ進んでいくと何もなく橋に着いたのであとは進んでいくだけだ


負傷者2人を先頭に後方には俺と松永さんを…通信を入れて車で来てもらってるがなにぶん時間がかかる為歩けるところまでは歩いてもらってるのだ


獣は来てはないため安心してはいるもののいざ来た時松永さんに2人を背負って後方へ全力疾走してもらうしかないだろう


そんな心配もしていたが車のエンジン音が聞こえてきたためここで停止し2人を近くの瓦礫に座らせて休憩を促す…流石に休憩なしはきつかったと思うが生き残るためよく頑張ったと思う


車が目の前で停止して中から2人降りてきた為2人に近寄り負傷者を任せる…


2人を車に乗せてこちらを待っている…


松永さん…アンタが実際にチョーカーの故障があるかもしれないから一度でもいいから別のチョーカーを付けさせてくれないか?これはアンタの血液が入った別のチョーカーだ


そういってチョーカーを見せると松永さんは何も言わずにそれをつける…


しばらくするとチョーカーが起動して何も起こらない…


「これはどう言うことだ?」


最初につけてたのはなんらかが原因でエラーを起こしったってことだ…早く帰るぞここは危険だ


そういって車に乗り込み旧青森支部に向かって移動を開始する…3人とも泣きあい助かった言っていた


松永さんのチョーカーがエラーをはいたのはもしかしたら相当やばい獣の影響の可能性があると俺は思うんだが九尾にあった時は大丈夫だった為もしかしたら獣ごとに特性が違う可能性があると思った


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