第10話

「おはようございます」


起きるとオペの人が居たんだが…起こされてしまったか、この歳になって起こされるのは中々恥ずかしいな


「ここにいるときのオペレーター配属された橘です。よろしくお願いします」


挨拶されたんだけど…いきなりか?まだ俺ベットの上なんだけど


「えーと外出ておきますので着替えとかしておいてくださいね」


そう言って彼女は部屋の外に出ていく…


着替えをし終わりとりあえず部屋の外に出ると橘さんは待ってくれていた


「それでは行きましょう」


そう言って歩き始めるが行く場所を伝えてもらってないんだけど…


「目的地は病院です、昨日彼らを助けてくれたじゃないですか?そのリーダーが感謝を伝えたいらしいのでお連れしているんです」


そこまで感謝される必要はないと思うんだが?現状助けられる命は助けているし感謝を求めてもないしな。支援を要請した時点で人が居ないんだなってことが分かるから1人でも多く戦える様にしないといけないってもあるんだけどな


「こちらとしても助けてくれたおかげで彼らがまだ戦ってくれる事に期待してるんですよ…しかし重症をおった2人はもしかしたらPTSDになる可能性もある為戦えないかもしれないんですよ。そこが1番怖いことです現状の我々からの視点では」


まぁ、そうだろうな指示出しをしても動ける人間がいなければ意味がないもんな…


「後個人的には彼たちはまだ戦えると思います。勿論重症の2人も含めて…」


何にも根拠はない気がするんだがな、戦える人間が諦めてないのは良いことだと思うぞ?しかしなぁ彼らの中にいる獣因子だけどかなり弱い部類だと思うんだけどそこはどうなんだ?


「それは…体が耐えられないからですよ。本部と違って限界まで獣因子を投入するわけではないですから」


限界まで…?じゃあ俺の体が通常と違う理由ってもしかしてそれ?


「限界まで投入された人間は必ず変化を伴います…貴方の場合通常の人よりも限界値って言って良いんですかね?それとも親和性っていうかなんでいうか、それが高かったからそこまで変化したと思いますよ」


獣因子ってやっぱり調整っているの?


「それは勿論そうですよ…ほら、このチョーカーが体内の獣因子を感知してくれるんですよ」


そう言って見せてくれたチョーカーには画面があり獣因子侵蝕度が書いてあった…彼女場合は5%もなかった


「私は因子の侵蝕が低くて戦闘が出来ないらしいのでオペレーターをやっている訳です。大体のオペレーターはそうだと思いますよ?」


てか、それ貰ってないんだけど…


「本部の人渡してないんですか?!これ付けるの義務なんですけど」


あ、そうなのね…で、それどこで貰えるの?


「最初の獣因子を投入された物と同じ因子を紐付けした奴じゃないとダメなんですよ…だから本部に帰ってもらった時に聞いてみてください」


そうして置くけど…なんで貰えなかったんだろうね?


「それは聞かないでくださいよ…向こうの事情はこっちに入ってこないんですよ」


へぇーそうなんだ…じゃあ支援に関しても?


「そこは共有されてますけど…」


そこら辺は上手くやっている訳か…で、病院ってここ?


「着きましたね…ここが病院ですけどエレベーターに乗ってもらってもいいですか?」


言われた通りのるけど何処のボタンを押せば良いんだ?


「そこは任せてください」


そう言って縦ボタンの下にカードを晒して扉が閉まっていく…


「今から行く場所は地下ですが中の病院はハッキリ言って危険な病棟がありますので注意して下さい…たまに脱走する人がいるんで」


なんでまた脱走なんてするんだ?


「彼らは精神的問題を抱えてしまって人が獣に見えたりし逃げる人とかもいるんですよ…だからです」


理解した…それで襲ってくる人もいるから気をつけろってことね


「それじゃあ彼らのいる所までいきましょうか」


向かっている最中医者や看護師とすれ違いはするものの患者とはすれ違わない為どうなってるんだ?病棟によって変わるのか?


「着きましたよ、失礼します橘です」


そう言って中に入っていく橘さん…後に着いて入るとベットが6個あり4つは埋まっていたが2つは空いていた


「おお、あんたかあの時はありがとうな」


そう声をかけてくる男性は救援を頼んだ人だった


「あの後大丈夫だったのか?あんな見たこともないやつと戦って怪我はしてないのか?」


怪我もしてないし、無事に狩ったけどあったから持ってきた弾丸を2発消費したことが痛手かな


「そうか…何よりださてとこいつらの紹介をしないとな」


そう言って紹介された人は透さん、桑崎さん、皆島川さんだった…いやあんたの名前聞いてないんだけど


「あぁ、そうだったな俺は龍樹って呼んでくれ」


短い期間だがよろしく頼む、因みにだけど重症だったのは誰なんだ?


「あー 別の病棟にいるんだよ…アイツらはかなり特殊だから治るのは早いと思うんだが…いかんせん侵蝕度が高いから治療の最中呑まれると危険だからってことらしい。こっちにいる間に挨拶できたらさせとく」


了解した…早く治してくれよ


「そんな無茶言うなよ…俺らは侵蝕度が低いから通常の人と同じくらいの時間をかけて治るんだから」


侵蝕度が高いと治りも早いのか…なるほどな


じゃあここで失礼するよ…ちょっと確認しないといけない事もあるから


「おう、なんかあったら橘を頼ってくれこいつは信用できるからな」


そう言って笑顔で返す龍樹さん


俺が出てった後も橘さんは出てこず話をしているんだろうな…彼らのオペレーターだったから



そのまま歩いて帰る途中エレベーターから出るとこちらに向かってくる人達がいるけどエレベーターを使いたいんだなぁと思い避けて歩く


はぁ…とりあえず支部長さん所行って今後の話を詰めていくか




「どうしたのかな?何か聞きたいことでもあるのか?」


そう言い返すし支部長さんに今後どうやって活動していけば良い?と返す


「あーそのことか…救援に行くことと遊撃かな、帰ってきた人数によって立ち回りを変えてもらえなければならないんだ例えば今日なんかは遊撃に当たってもらうんだけどまだ周辺で獣の反応はないから大丈夫だね」


便利なものもあるんだな…所で聞きたいんだけど重症者の侵蝕度ってどうなるんだ?


「低いものは暴れはしないものの侵蝕度は上がっていくな、高いものは暴れたり侵蝕度が大きくなって最悪のケースだと獣化するな」


獣化してしまった場合やっぱり殺すのか?


「直す手段は探しているがやっぱり殺すしかないと思うんだ…現状被害を出さずにいるためにはな、助けれるなら助けたいさでも直す手段もない状態で監禁したままなのは更によくないんだよ」


その口ぶりだと一度試したのか?


「あぁ、試したさ。まずここで獣化した人間の数は6人もいるんだ…人数はいるには居るが6人も出してしまったんだよ。獣化した1人は僕が支部長になる前の前支部長さ…彼は僕達を守るために戦っていたんだよその身体の侵蝕度を増やしていてね」


それで限界が超えて獣化したと…当時はどういう状況だったんだ?


「君たち世代だと聞いたことあるかもしれないだろうが第4次獣進行の時さ…獣因子は第2次の時には出来ていたんだ。だから第3次には対応出来るはずが出来ずその爪痕を残したまま第4次が起きた訳だ」


つまり戦える人間が居なかったから第2次や3次を生き延びた人が再び戦ってるその身を堕としたって訳か…


「それからだろうか、二足歩行を行うケモノが増えたのは…当時は新人ですら命懸けで戦うしかなかったんだ、だから仲間内でも獣化しないかの恐怖を感じていたさ」


あの…感傷に浸ってるのは良いんですけど獣化するなら獣因子を抜けばいいのでは?


「獣因子を投入された後取り出すことは不可能なんだ…血の中に溶け込み普通の物質と見分けが付かないぐらいにはやばい物なんだよ獣因子ってのはまるで外せない特性を付与するみたいな感じさ」


なるほどね…質問はもうないのでこれから遊撃に出ようかと思うんだがいいか?


「あぁ、良いさ何かあったらオペレーターを通して連絡するから」


部屋の外にでて遊撃をしにいくため武器を手に取る…外に出る前にこの鉄鋼弾を装填しておくか、外に出たら実験するけどどれくらいの威力か気になるな


外に出ると建物の残骸が広く残る場所だった…獣が現れるまでは大層綺麗で海外からも人気が高かった場所だったらしいが見る影もないからなんとも儚い物だと感じてしまう…


そんなことは置いて鉄鋼弾の威力確認をするか…崩れている建物の壁に向かって撃ち込むとかなり貫通している様子が分かるが流石に貫通弾ほどではないと分かる


それでもかなり良い威力な為こっちにいる間はこれで良いかもと思うんだが流石に向こうに行ったら貫通弾ほど使うわけではなさそうだな


戦う上では問題なそうだからいいが実際獣に撃ち込んだから見るのもありだと思うがいざって時に使えなかったら意味ないよな…


まぁ、そこら辺は出てくる獣によって変わるか


「こちら、橘です…今どこに居ますか?」


外に出てすぐの場所にいるけど何かあったのか?


「その場所から2km離れた場所に獣の反応が多数ありますので討伐をお願いします」


了解した…案内を頼むぞ

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