第9話

「今回の任務は遠方にある街に行って援護をしてもらいにいくんだがこれをつけておけ」


そういって手はたされたのはイヤーカフイヤホンであった…


「今回付けてもらうイヤホンはかなり離れた位置からでも通信が出来るものなのでこちらからのサポートも出来る様にしているが基本は向こうの基地内の人に指示されると思うが一応だ」


かなり離れた位置にある街って言ったら旧京都市か?それとも北東か?どちらだろうか?


「移動は輸送機で行うが行くのはお前1人だけだこっちもあっちに送れるのが最もフリーなお前ぐらいだからな」


了解、因みにですけどあっちの人数ってどのくらいですか?


「それは向こうで聞けばいい、それとここの名前とすぐ動いた方がいいかを聞くことを忘れるなよ」


了解です、それでは行ってきます


外に出ていき輸送機に乗り込む…椅子に座り込み出発を待つ


動き始めたのでそろそろ空に飛ぶのか…空でも獣は襲ってくるはずなんだが一応すぐに武器を出せるように手元には置いておくか…


多分だが完全に軌道に乗って飛んでいるはずなんだが外を見るとどこかしかも崩壊した文明や森が目に付くため獣の被害は甚大なのだと理解してしまう


この光景を見るだけでも獣の恐ろしさを改めて理解できるし支部も生きるために必死になって守ろうとするのも理解できる…人にとって獣の力は余りにも強大なのだから


しばらく飛んでいるとパイロットから呼びかけられ近づくと近くに飛行型の獣がいるので迂回するとのこと…こちらもしっかりとした遠距離攻撃手段がないため避けて通れるならそうした方がいいだろう


そんな事もありながら無事に目的地地点である旧京都市に近づいてきたので一度無線を入れる事にしたが無線で何か音を拾った


「援護求む…こちらは旧京都支部、獣の数は増えている」


そう聞こえたので行こうと思ったが場所が分からないためどうしようもないんだが向こうに繋がっているのかは知らないけど言ってみるか


あーこちらの声は聞こえるか?そちらの位置をくれれば行くぞ?種類と厄介なのいれば教えてくれ


「それは助かる、場所は……すまないこちらの状況が悪化した発煙弾を空に上げるそれで来てくれ」


了解…パイロットさん救援優先になっちゃってすいません、空から30mぐらいなら余裕なんでそこら辺の位置から飛び降ります。その後旧京都支部の方に向かってくれればいいです、その後はどうにかします


そういって発煙弾の場所を探してその場に向かう事にした…



周りを見ても発煙弾を確認できずしばらく旋回をしてもらってるとやっと見つけられたのでその場に向かいだす


「援護まだか?こちらは2人重症…まだ誰も死んではないが弾も尽き始めている至急求む」


今確認出来たので向かっている…パイロットさん作戦変更になるけど大丈夫?彼らをこの輸送機乗せていく事ってできる?


パイロットさんに聞くけど流石に無理そうだ…仕方ないか、瓦礫が多く着陸に適していないし、飛び立つにしろそんなスペースがないため仕方ないが歩いて支部まで向かうしかないか?


あーパイロットさん俺を下ろした後旧京都支部に行ってもらってヘリがいる事を伝えてもらっても良いかな?重症が2人いるらしいから。そういうとパイロットさんは了承してくれたのとそろそろ着くので降りる準備をしてくれとのことだった


さてと行くか…輸送機の後方へ向かい降りる準備をする


扉を開け外の確認をしてから飛び降りると同時にやばそうな獣の真上に位置を移動し首を一気に断ち切る


俺が降りた場所は発煙弾の近くだが彼らには重症者がいるため守りながら戦うのは厳しいと思ったから少し離れた場所に降りてこちらで暴れる事によって獣の視線を多くこちらに向けなければならないのが厄介だな


さてと…とりあえず狩るか


剣を構えて声を上げこちらに注目してもらい少しでも隙を晒した獣の首を断ち切る


狼の首を断ち、猿の首を断ち、兎の首を断ち、様々な首を断ち切る…その中には戦ったことがない獣も居たが素早く断ち切り次の獣へと視線を合わせ剣を振るう


獣をひたすらに狩る…なるべく一撃で首を断ち次の獣へとどんどんと狩るために


俺の周りには首がない獣が多く存在し死体に紛れようとする獣も簡単に見つけられるのでソイツの首も断ち切り彼らの元にまだいる獣に対して背後から首を断ち切る


多少なり、彼らへの視線も避けられたと思うが危険なのは変わりがない為素早く首を切る

 

途中危険な立ち回りになっている人が居たのでそれをカバーする様にソイツの目の前にいる獣の首を切る


止まっている暇がない為急いで他の獣も断ち切るがなかなか減らない…ラッシュが来ている感じがして非常に辛い、体力がどんどんと減っているのを感じれるのと彼らの弾丸も尽き掛けているのが分かる


そして彼らの射撃担当が弾が尽きたらしいので武器を鈍器扱いしながら振り回し始めたのでそろそろまずいと思ったが波が引けてきたのが分かった為急いで今いる獣の首を素早く断ち切る


ヘリの音が遠くから聞こえることからパイロットさんは向こうに教えてくれたみたいだな…


獣の死亡を確認した後救援をだした班の人に挨拶をする


「助かった…こっちはもう弾切れなのとこの武器じゃもう致命傷にはならなそうだから本当に助かった、感謝しかないよ」


ヘリが降りてくるのを感じたので重症者を急いでヘリに乗せて支部に戻る事を伝えると


「何から何まですまないな、あちらに帰ったら何か奢らせてくれ。」


そう言いながら重症者の元に向かっていった…


俺が最後らしくヘリに乗ろうとしたがすぐさま上に飛んで逃げろという


後ろから凄い勢いで迫ってくる一頭の獣の殺意を感じたからだ…


誰か1人戦える者がいなければ死んでしまうって事だ…それが俺だっただけでとりあえず彼らの安全を確保するのが第一だろう


剣を構えて獣の姿を確認するがマジかよと言葉が出てしまう形だった…


それは人型で猿とは違い完全に二足歩行しており、腕には鋭い刃の様な者が付いており、体は筋肉質で見た事もない獣だった


獣は飛びかかってくるのでそれを回避すると刃を振り出してくるのでそれを防ぎつつ戦う


こちらは一本に対して向こうは二本なので最悪の状況だと思う…こちらは疲労もあるし、何より初見の相手に考えて行動するのでは死ぬ可能性があるからだ


ひたすらに避けカウンターをしてみるが皮膚に少しの傷を与えるだけで深傷を与えられないのである


貫通弾を使うしか奴に痛手を与えることが出来なさそうなのだ


既に装填されている通常弾をやつに撃ち込むと奴は一瞬怯んだが対してダメージがないことから奴はこちらに攻撃をしてくる


装填作業をしつつ回避をし貫通弾を奴に確実に与えらる時を待つ


奴にもスタミナがあるのかは知らないが一瞬だけ止まることがあった為そこに合わせて貫通弾を撃つと奴はまた大丈夫であろうと思いこちらに攻撃を仕掛けてこようとしたが貫通弾の威力は凄まじく狙った場所とは違ったが奴の片腕は肩から吹き飛んでおり大量の血がでている


油断したな?そう思いながら奴が痛みを感じている隙に首に対して剣を振るうともう片方の刃でそれを守る


奴は怒り出したので何をするか分からない為慎重に行動しよう…通常弾を装填しつつ奴の行動をみるが奴はこちらの弾を警戒しているのか知らないが動かない


こちらが奴に近寄り剣を振るうと弾くのに対し射撃ポーズを取ると刃を前に出しガードする構えになる


完全に警戒している様なので一度弾を撃ち奴に防御可能と理解させるそしてもう一度通常弾を装填し撃つ奴は完全に守れば問題ないと認識させることに成功したのかな?貫通弾を装填し、もう一度構えると防御の構えになる為バッチリ動かない為貫通弾を撃ち込むことに成功した…今度は奴の心臓を捉えて穴を開けることに成功したが奴はこちらに向かってフラフラだが歩いてくる為首を断ち切る…


死んだら皮膚が柔らかくなるのかは知らないがその時は非常に柔らかいと感じれた…


なんとかあの獣に勝てたがヘリは完全に支部へと戻っている為歩いて向かうしかなさそうだ…


待って俺支部の場所知らないんだけどえーとこういう時は通信してみるしかない!!


「こちら旧京都市支部ですがどうかしましたか?」


素性を伝え先程あった経緯を話すと


「今そちらにヘリを向かわせますのでお待ちください」


とのことだった…いやー助かるわ、流石に当てもなくフラフラ彷徨うのはまずいからなこのイヤホンに助けられるとは持たせてくれた本部長には感謝しかないね…ほんとに



待つこと5分ぐらいにヘリが降りてきたので乗り込み旧京都市支部へと向かってもらう…市がちゃんと入るんだね今まで間違えてたよ


旧京都市支部に着くと推定案内人が居たその人はこちらに向かってくる


「この度はありがとうございました、彼らは私が預かる班でしたので生き残ってくれて良かったです」


重症者は無事なんとかなったっぽいですね、間に合って良かったです


「それと、彼らが貴方に挨拶をしたいらしいですが日数的に明日にしてもらいますが宜しいですか?」


分かったんですけど最後の獣に関して聞かないといけない事もあるんで良ければ案内をしてもらえますか?


「わかりました、それでは着いてきてください」


そうして中に入ると本部とあまり構造が変わらないそうなんだけどこれは本部と同じ構造にする事で間違わない様にさせるためか?


「本部から来られた方は毎回そんな顔をしますが先に言いますけどほとんど変わらないですよ」


そうなんだ…じゃあ案内に関して別に要らなかったかもしれないね


「さて、私が着いていけるのはここまでなのでこちらの扉の向こうに支部長がいますので私は失礼します」


そういってロビーの方向へ歩いていく案内人?さん


ノックをし、返事を待つと「どうぞ」とかえってくるので入る


「ようこそ、旧京都市支部へ歓迎するよ」


そういってくるのは眼鏡をかけている男性だった


「さて、君がここにきた理由は援護という形なんだが君も戦闘した通り集団で襲いかかっている獣や終わったら後の人型についてなんだ」


なるほどね…確かにあの人型知能高そうだったの完全に見たことがなかったんだけどあの獣について知っていることがあるなら教えて欲しい


「これは本部にも送る資料なんだが異常に集まる獣の集団はなんらかによる原因があると思われている。そして人型に関して分かったことは獣化した人間が有力候補なのだが、ここに関してはサンプルが少なくなんとも言えないんだ」


獣化した人間か…一つ聞きたいんだけど人型はみんな同じ姿でした?


「いや、全然違うことから獣化したかもしれないって事なんだがここでもそうだが一般人に触らせることはしてないんだ。だから可能性があるとしたらアルテミス内部の人間が獣化した可能性がある」


どれくらいこの期間で死んだんだ?もしくは行方不明になったんだ?


「行方不明者に関して最低でも8人、死亡者に関しては40人に登るだろうね。ただ死亡者に関しては遺体に関しては半分以上はこちらで回収出来ている。残りは獣の腹の中や戦闘による倒壊で探せない事…まぁ、色々理由はあるんだ」


今まで出現した人型は?


「君のも含めて6体…本当に生きて獣化してしまっているのならば最低でも後2体いることになるんだよ、その内討伐できた数は3体君のを抜いてその時の戦闘で死んだ人間は13人さ」


なるほど、死んだのは新人か?


「いや、ベテランもいるさ。こちらがこんな被害を受けている中君は1人で討伐したんだ誇っていいよ。」


誇れる訳ないだろう…人が死んでいるんだから、そんなゲームみたいな感覚でここにいる訳じゃないんだから


「そうか…じゃあこれからのことを話そうか。まず君にやってもらいたいことは残りの人型の討伐そして集団で襲いかかってくる獣の原因解明を手伝ってもらう」


了解した。それで今日はどうしたらいい?


「今日は休んでいいよ、最低でも1週間はこちらに居てもらうことが確定している任務だからね。その間のオペレーターは君が案内した人間が居ただろう?その人だ。班としての活動は難しそうだから暇になってしまうよりかはいいだろう?」


まぁ、そうだな。討伐したらどうしたらいい?もしかしたら連続で現れる可能性もあると思うが…


「その時は言ってくれ援護を送るから」


了解した、後ここに物資を扱う所はあるか?


「もちろんあるさ…私から言っておくけどあの貫通弾はここにはないから気を付けてくれ」


人型の討伐に使ったんですね?後集団相手に


「そうさ、じゃなきゃもっと被害を受けていただろうしね。一応ここでも生産されている別の弾丸があるが貫通弾よりは威力がないが通常弾よりは威力があるので良ければ見に行ってくれ」


分かった、それじゃあ今日は失礼するよ。すぐに任務に出て欲しかったら言ってくれ


「わかったよ」



部屋からでて買い物を済ませる。あった弾は鉄鋼弾だった…確かに通常弾よりは威力がありそうだがどれくらいなのだろうな?一応説明だけだと狼は一撃で倒せるらしい


ほんとかどうかは置いておくか…今日は寝るか

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