第8話

運ばれてきたオルトロスにはちゃんと首がなかったのと骨が綺麗に切断しているのを見るとアレを自分がやったのかと理解できたがまさか本当に首切り出来るとは…思わなかったな


そんな事を考えていると仁ノ前さんがこちらにやってくる


「武器は出来てるけど防具はどうする?このオルトロスから作る?」


防具か…全然考えた事がなかったんだけど確かに獣製の防具ならば攻撃を喰らっても体に傷はつかなさそうだもんな


「作るって事で良いよね?採寸するのとしながらどういった防具にする?」


製作所に行き採寸されるとともに俺が今任務を1人でやっている事を伝えながら防具構造を話している


「へぇー1人で任務に当たってるんだ、じゃあ色覚だけは誤魔化したり雨とかに当たらないように帽子も付けた方がいいね…後はその足が普通の足とちょっと形が違うからそれに合った防具の方が良いからちょっと素足の状態になってもらえる?」


確かに普通の足じゃなくなってるので今までの靴とは合ったりとかもしてなかったので非常に助かる


「なるほどね…少し触るけどいい?」


そう言って足を触り始め更には動かし始める仁ノ前さんは黙々と触りながら足の構造を確認しているようだった


「よし、イメージは出来たから任せてよ後足裏には吸音的なのを入れるけどしっかりと踏み込めるようにもするから安心して」


あんな数分触っただけでイメージできるなんて凄いな…そして吸音は素直にありがたいんだよなぁ1人でやってる以上バレる訳には行かないんだからな


「よし、構想はこんなんで良いかな?」


そう言ってスケッチされた防具はアサシン風であったが果たして自分に合うのだろうか?今から希望を伝え直すのもなんだかなぁ…って思ってしまうので仕方ないか


「オルトロスの皮膚がどんな感じかを見ながらやるから1週間はかかるから出来る前に任務とか来たら防具なしの状態になっちゃうから気を付けてね」


もしかしたら任務が出るかもしれないが頑張って行こうと思った


まぁ、このまま部屋に戻るより今後オルトロスみたいな獣が現れるかもしれないため段々と難易度を上げていこう…選ぶのは猿にし早速訓練をし始める


猿は飛び跳ね攻撃を避けたり速度を生かしながらこちらを追い詰めてくる…頭がいいのか知らないがそれなりに考えながらこちらを襲ってくるので正直いって辛い。向こうは体も大きいしニヤニヤしながら襲ってくるのでイライラもする


ふざけたクソ獣だ…全力で踏み込み横一閃くらわせると猿は叫びこちらを睨んでくるのであった


やっとニヤついた面を剥がせたか…こっちもやるからには全力でやってるんだからそんな面しながら戦ってたら足元掬われるぞ?クソ猿が


もう一度横一閃を加えてやると猿は警戒しながら叫び出す


煩わしいと感じてしまうのはイラだっているからなのか…真正面から突っ込んでいき奴の前で急速に止まり飛び跳ねて奴の顔面の前で剣を振り下ろし顔に傷をつけてニコニコすると猿は歪んだ顔をしザマァみやがれすぐにぶっ殺してやるよ


その場でトントンと飛び跳ねてからその反動跳躍をし奴の首を断ち切る


猿は間抜けな面をして最後を迎えたのだ。感情を顔に出しすぎだろあの猿…ただ顔を変えずに戦われたらもっと辛くなってただろうな


次は鳥だ、飛んでいるタイプの鳥と言うかなんというかここまで大きいとは…見た目が鶏の様だが何故か空飛んでるし訳がわからない。


まぁ、獣だからって事なのか知らないけど普通じゃないもんねだから空を飛んでるって事…じゃないわめっちゃ気になるわあの飛び方絶対羽と肉体があってなさすぎるのと羽が小さいのにどうして飛べんだよ


アレだ、深く考えるのは学者さんに任せてとりあえず戦って厄介さを知るか…とりあえず羽を切断することにしよう


跳躍をして見るがでかい鶏には届かず剣が空振る、分かってはいたけどこいつ遠距離で殺すタイプの獣じゃないの?飛び道具作ってもらうか…


とりあえず降りてくるまでひたすらに攻撃を避けているんだけどあのでかい鶏火を吐いてるんだけどなんなの?怖いわ…


疲れるとか知らなそうな鳥だこと非常にめんどくさい


うーん、煽っても効かなそうだからなーどうしよっかな?投擲でもする?それすると剣失う気がするんだけど…


とりあえず鶏の真下にずっと居続けあいつが俺を忘れるまで待つ事にした、そうすれば一生飛んでる訳がないから降りてくると思ったからだ。後鶏ってのは記憶力があまり良くないって聞くし見てない間が長ければ長い程忘れてくれると思ったのもあるからだ


そのおかげかは知らないが降りてくるのを感じた…両足の間に俺がいる訳だがこの鳥座り込もうとしてるんだけど…急いで尻側に走り込む


なんとか逃げれたが後少しのところで埋もれたなマジであぶねぇわ


けどあいつが地に降りたらただのでかい鶏になるだけだぶっ殺してやる!!


すぐさま飛びかかり羽目掛けて剣を振り下ろし羽を切断しようとしたが骨が硬く上手く切れないが片方は飛べないぐらいには切れ込みを入れたので飛ぶ行動はしないと思うけど…


鶏はこちらに振り向き火を吐いてくるがそれを回り込んで避けてさっき切ったばっかの付け根に向かってもう一度剣を振り下ろすと今度は上手く切断できた…1個目の手羽先完成だ!!


とっとと首切った方が早かったかもなーと思いつつ次は首を狙う事にした…


鶏は顔を真っ赤にしておりキレている事が分かるので冷静ではないのだろうと判断し確実に仕留める方向にする


愚直に突っ込んで行くと火を吐いてくるのでそれを避け一気に飛び首を断ち切る事が出来た…首切りだけが上手くなってる気がするんだけど気のせいかな?


鳥は危険って事が理解できた一戦だった…やはり剣や手袋だけだと中距離対応してないため何か手段があればいいのだが…相談しに行くかさっき防具相談したけど


「飛んでる敵に対しての武器がない?何言って…あ説明してなかった、ごめんね?えーとねその武器茎の部分を捻ると一発だけ弾を発射できるんだけど余りにも要らない機能だったなー忘れてたよ」


はい?一発あれば充分でしょ…だって目も潰せるし羽を貫通させれば羽が小さい敵には有効打になるし敵も警戒するからもっと早く知りたかったなぁ…


弾ってどこから込めるんですか?茎の真下に弾が一発入れられてショルダーを引くと弾が発射される構造なんだよ


なるほど?言われた通りに茎の底を見ると円形が埋まっていたので最初から弾丸は込められているらしいけど予備はどこにあるんだろう?


「忘れてたから渡してないだけだよ!!やめてこれ以上忘れてた機構を説明させないで」


あ、なんかすいません…これってどのくらい威力があるんですか?


「うーん狼レベルの首を余裕で貫通させるぐらい?」


うーんこのそれ以上貫通させるとなると新しい弾丸作ってもらうしかないかな?


「貫通弾ってのもあるんだけど余りにも貫通させすぎで周りにも被害が出過ぎるんだよね…地面なんて10m以上掘ってたし」


貫通させすぎでは?それこそ素材として価値がなくなったら困るものまで貫きそうなんですけど


「作った人が獣に対して怨みがあったから絶対に殺すという意志をもって作ったからね」


とても大事な人を亡くしたんですね、その人


「まぁ、開発部門なんて大体そんな様な奴が普通にいるし、私は物作りが好きだからここにいるって人もいるからその技術を活かして君ら戦闘班を殺させない様に頑張っているんだよ」


生産された武器や防具で生き延びてるから助かってますよ。救われてますからね


「まぁ、そりゃそうに決まってんだろ?生きてもらわないと困るんだしな」


じゃあ自分はこれで失礼します、また何かあったら来ますんで防具の事もよろしくお願いします


そういって貫通弾を4個と通常弾を4個と半分ずつ持っていくことにした貫通弾は皮膚が硬い獣がいると資料室で見たのでもしあった場合最悪なため持ってく事にした

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