第22話ネクロマンサー2




夜な夜な森へ来てた。


ミーヤが夜の森で無双してたよ。

死の軍団を操って暴れまくってた。




それは、昨日の夜の出来事だった。


ミーヤの両親が別れを切り出したのだ。


『ミーヤ、わたしたちも天に召される日がきたのよ。今日でお別れね・・・』


母親の隣にいる父親は、にこりと笑ってみせた。


「嫌だ、絶対にいやよー!!」


母親と父親は、悲しそうな表情をみせた。


『さよならミーヤ』


『ミーヤ、いつまでも元気に生きていくのよ』


それは不思議な光景だった。

木漏れ日のように両親に光が降り注ぎ『さよなら』を残して両親は消え去った。


ミーヤは、何度も何度もネクロマンサーの力を使ったが、何も反応もなかった。


俺はミーヤの肩を手を添えて「ミーヤは、両親に愛されていたんだ。だからミーヤも生きることを考えないとダメだ」


「それ・・・それは、わかってます」



1日中、部屋で泣いてた。

仕事から帰ってきた俺に「部屋から泣き声が絶えませんでした」とメイドから聞かされていた。


それが夜の食事時間にドアを「バン」と開けるミーヤ。


「わたし、モンスターを狩る」


「え!一睡もしてないよね」


「ネクロマンサーは、夜が本番なの」そう言って屋敷から走り去った。


食事途中なのに俺は追い駆けた。


ミーヤが走る速度が速過ぎだよ。

あの壁もジャンプを繰り返して飛び越えていた。

地面への着地も素晴らしい着地だ。


森に入る瞬間に死の軍団を召喚。


その数、300以上。




死の軍団は、夜になると2倍も強くなっていた。

キラーラビットの動きなんか見えない。


なので夜に活動するモンスターは、会った瞬間に瞬殺されている。


骨のアンデッドの数が多過ぎた。

すでに1000を超えていた。


ブラックウルフに遭遇した時も、遠吠えをする前に多くのブラックウルフが死に絶えた。

そのブラックウルフから骨のアンデッドになるのも早い。



ミーヤは、悲しみに打ち勝つ方法にモンスターに打ち勝つ事を選んだ。


「わたしがもっと強ければ・・・」呪文のように1人でしゃべっている。




そんなミーヤに黒い物が襲う。

しかし、キラーラビットがジャンプして黒い物を突き刺した。


あ、かすった。


黒い物が急に逃げ出す。


しかし、木に登っていたキラーラビットの連続攻撃によって痛手を負ったぞ。

その傷で飛べ無くなって地面に落ちた。


落ちた正体は、巨大コウモリだ。

あれ!巨大コウモリが徐々に変化したぞ。


「キキキキ」と鳴く声が「う、うう傷が」と人の声に・・・


それは、美しい女だ。

もしかして伝説の吸血鬼か・・・人の生き血を吸って仲間を増やすって奴だ。

それも全裸だよ。


「え!ミーヤ、何をする気だ」



ミーヤの体内から黒い霧が立ち込めて、霧が女にすり寄る。


女は、立ち上がるが遅かった。

霧が生き物ように体に巻きついている。

そして霧によって倒された。


黒い霧によって拘束された形だ。

必死に逃げようとするがままならない。


あ、黒い霧が口に入るぞ。

拘束から逃れた右手が霧を掴むが掴めない。


新たな霧によって右手も押さえつけられる。



ミーヤは、吸血鬼に向かった「わたしに従いなさい。さもないと殺す」


え!あんなに可愛いミーヤから、そんな言葉が出ようとは・・・・・・


「わかったから・・・従順の誓いをたてるから」


女を取り巻くように黒い霧は、ただよっている。


「わたしの負けです。闇の魔王に誓い、わたしセバン・ラーラは、あなたを主君として従います」


え!バンパイヤの吸血鬼を配下にしてしまったぞ。


「ミーヤ、この女をどうする積もりだ」


「いつか吸血鬼と死の軍団で王都を攻めます」


なんと大胆な発言だ。

ああ、親の敵討ちがしたいらしい。


内からあふれる怒りの感情を発散させる対象を見つけたようだ。


「今は、力を蓄える時期だぞ。行動を起こして失敗したら親はどう思うか考えるんだ。失敗は許されないからな・・・ミーヤ以外の人々も巻き込むなら責任をはたせ」


俺の方を向いて「責任って」


「ここで王都に攻めても勝てる見込みがあるのか・・・」


「ない」


「ないなら責任を持って待つんだ」


「それが責任なの」


「闇雲に攻めてミーヤは、いいだろう。残った領民の事を考えたことがあるのか、国王は決して許さないぞ。ここの領民や俺をキット殺すだろう」


「それは、嫌だ」


まだまだ納得できてないがミーヤは、「待つ」と言った。



「セバン・ラーラ、あなたに配下は居るの」


「我が主よ、この奥に屋敷が」


え!この森に屋敷なんか無いハズだ。



セバン・ラーラがおもむろに森に向かって手を振った。


森しかなかった場所に、え!屋敷があった。


「わたしが住む屋敷で日頃は幻影で見えなくしてる。怖がらなくて良いぞ」


屋敷には、吸血鬼の女性が50人も居たよ。

もう美人ばっかりだ。


これってセバン・ラーラの趣味らしい。



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